河野 裕(著)
いなくなれ群青に続く階段島シリーズ第2弾。
この島は捨てられた人が集う場所。誰に捨てられたのか...
それは他でもない自分自身であった。
階段島も冬が訪れ、もう間もなくクリスマスという時期の事。
島で重要な役割を担っていたネット通販が利用できなくなってしまった。
必要な物を全て島の外から入手していた島民の物資が届かない...
この島からは出る事も外部への連絡すらもできないというのにだ。
その理由に様々な憶測が流れる。
アメリカのホワイトハウスのツイッターを乗っ取ったハッカーが島へ流れ着いた等々である。
それと共に島ではクリスマスにおける7つの噂が流れだす。
奇妙な噂と共に探し物をする人達。
そして答えを見つけ最後に行き着いた場所で全ての事が繋がるのである。
それはヒーローと魔女の物語であった...
今作では魔女の正体が明らかになる。
少し意外な展開だが、特に魔女が何をするでなく、何の目的があるのか等の子細は明かされていないので、その辺りは次作以降という事だろう。
物語は、皆が通販が使えない中で、必要な物を探し、その過程で複数の人の思惑が絡み、最後はハッピーエンド...である。
七草とその友人の視点で描かれており、今作も真辺由宇の個性的な性格が良くも悪くも際立っている。
さわやかに読める青春ミステリー作品である。