成田 良悟(著)
池袋・来良学園に通う紀田正臣は黄巾賊というチームの創設者であった。
正臣には大切な人間がいる。
同じ学校に通う園原杏里、幼なじみの竜ヶ峰帝人...
だがこの2人は正臣の知らない顔があった。
杏理は池袋を騒然とさせた切り裂き魔の母体といえる存在で、妖刀罪歌を身体に宿していた。
帝人は勢力を拡大しているダラーズのリーダーだったのだ。
それからもう一人...
病院に入院し続けている少女、沙樹。
彼女は正臣が救えなかった存在であった。
正臣はそれが理由で約2年チームを離れていたが、ある事をきっかけにチームへと戻る事になる。
そして自己が作りあげた過去が語られていく...
一方でチーム内では不穏な空気が漂い始める。
正臣不在の間に加わった年上のメンバーの企みとは...
さらにセルティと共に暮らしている新羅の元には、セルティの首を盗んだ張本人、父の森巌が戻ってくる...
それぞれの過去が現在で交錯していく...
今作はお互いの正体を知った同級生3人、主に黄巾賊のリーダー正臣を中心に物語は進んでいく。第3弾。
本作は自分を情けなく思っているが、過去のお過ちを繰り返すまいと、下卑な男に立ち向かっていく姿が格好良く、そして正臣の強さを描いている。
最後は少し切なくなってしまうが、それらも含め、それがこの先の展開において、どういう要素なのかとても楽しみである。
今作もとても読みやすく、面白い作品である。