ウェアラブルコンピュータの世界

アクセル・ワールド1-黒雪姫の帰還-


アクセル・ワールド1-黒雪姫の帰還-

川原 礫(著)

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川原 礫(著)

ブレイン・バースト内で繰り広げられる戦い。

中学1年生の少年ハルユキ、彼はチビでデブ、いわゆる典型的ないじめられっ子であった。

この時代、ずべての事は首の後ろに装着されたニューロリンカーという、脳を量子無線で接続し、映像や音声など、あらゆる五感をサポートする携帯端末にて行われていた。

もちろん、学校の授業もである。

ハルユキの通う中学にも、学内ローカルネットが用いられ、すべての死とはローカルネットないにてアバターを使用して生活する。

ハルユキはかっこいいアバターを自作するが、いじめの主犯である少年に奪われ、ピンクのブタのアバターを強制的に使用させられていた。

現実と同様の姿に自虐的なハルユキ。

そんな彼が唯一気を休められる場所、それはローカルネットに設置してあるスカッシュゲームのコーナーだった。

速さを競うこのゲームの腕前は相当なものだった。

だがある日、ハルユキのハイスコアは何者かにより上回れたのだ。

それは黒場羽蝶の翅をもつアバターで、美しい容姿の2年生、生徒会副会長の通称・黒雪姫の仕業だった。

彼女との出会いがハルユキの運命を大きく変える。

黒雪姫はハルユキにブレイン・バーストというニューロリンカー内アプリケーションを転送する。

それは高レベル脳神経反応速度がなければインストールできない代物であった。

ブレイン・バーストは思考の加速、加速世界なのだ。

そこでは現実の1秒が1千倍になる。

そしてこの世界で黒雪姫の正体は、かつての七王の一人、裏切りの黒の王、ブラック・ロータスだった。

いじめられっ子からブレイン・リンカーへ...

ハルユキはシルバークロウというデュエルアバターで黒雪姫を護る騎士となったのであった。

SAO作者による人気作、アクセル・ワールドの第1弾。

自虐的で容姿も全くさえない少年が、加速世界で姫を守るために奮闘する物語だ。

近未来の日本が舞台となっており、SF的要素もあるが、基本、ゲームの世界での物語で、ブレインバースト内での戦闘シーンは懐かしの格闘ゲームを彷彿とさせ、設定が好みの人も多いのではないか。

現実では少し残念な少年だけど、その内にはしっかりとした芯もあり、何かにつけてすぐ逃げたがるが、友人とは正面から向き合い、姫を助けるために戦う姿は、イラストからは想像できないほど、かっこよい。

だがもう少しイラスト良くてもいいんじゃないかと思う。

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