古宮 九時 (著)
魔族である少女を使い魔とし、カンデラ城での禁呪事件ら命の危機もあった騒動を経て、雫とエリクは目的地である魔法大国ファルサスの手前へとたどり着く。
到着して早々に訪れた街で、またしても事件に巻き込まれてしまう。
出会ったのは強大な魔力を持つ少女でアンネリの王女であった。
何者かに追われる王女ふたりは協力し助け出す。
その見返りにファルサスへの通行証を入手し、二人はファルサス入国を果たす。
だがやってきたラオブの町でまたもトラブルに見舞われる。
半ば強制で連行され隔離される雫。
その雫に商人の男は花嫁役の身代わりになってほしいと頼む。
それには隠された理由があったのだ。
そして数々のトラブルを乗り越え、二人はようやくファルサスの城都へやってくる。
ファルサスを統治するのは第30代国王で27歳の若き王、ラルスであった。
雫は元の世界に戻る手がかりを求めて王に謁見し、自分が異世界から来たことを説明する。
しかし王の口から放たれた言葉は外部者は立ち去れというものであり、殺意をもって剣を突きつける。
異質は排除すべきだと王は言う。
エリクは二人の間に割って入り、雫を逃すのだが... しかし王は雫を追い詰めるのであった。
バベル第2巻。
今作はファルサス城での話と、ラオブの町での結婚式による花嫁についてがメインであるが、冒頭に登場したアンネリ王女が今後どのように物語に関わってくるのかが気になるところだ。
ファルサスではエリクがどうしてこの国を離れることになったのかという過去が明かされる。
何度も命の危機に遭いながらも、雫は立ち向かっていくが、異世界において言葉の持つ本質が根本的に違っていたりと、改めて当たり前に使っている言葉というものについて考えさせられる作品である。
解明されていく世界の謎に続きがまた楽しみである。