成田 良悟(著)
新羅を奪われ理性を失ったセルティは、黒い影の塊と化していた。
怒りに動かされるよう鯨木を追う。
正臣は黄巾賊の前に現れた泉井に過去を刺激され怒り狂う。
だが泉井の配下に抑え込まれ、仲間を人質のように取られて追い詰められる。
正臣を助けたのは先ほどまでの喧嘩相手、六条千景だった。
死すら覚悟した正臣は六条により救われる。
警察から釈放された静雄はセルティの乗るコシュタ・バワーに乗りセルティの元へ向かうが、たどり着いた場所にいたのは臨也であった。
杏里の元へは正臣の彼女沙樹が訪れ、病室から消えた門田は新羅のマンションに現れる。
そして御門の前に現れたのは泉井だった。
泉井は帝人にあるものを渡す。
完全に壊れていく帝人。
そして街も人も壊れ始めていく。
別れを告げる臨也と静雄。
セルティの元には首が戻り、まもなくそれぞれの決着の時が近付いていた。
シリーズ12弾。
いよいよフィナーレへ向けての今作である。
ついに臨也と静雄が直接対峙し、セルティには首が戻り、元の記憶はどうなるのか。
様々な思惑の中で動く少年たち。
帝人や杏里、正臣の3人の物語はどう収束するのか。
その裏に見え隠れする栗楠会や大人の存在であったりと、最後まで目が離せない展開となっている。
最後までとても面白いシリーズだ。