河原礫(著)
アンダーワールドでの大戦は、リアルワールドから現れた一人の少年キリトによって暗黒神が倒され、世界に平和が訪れた。
300年続いた人界と暗黒界の騒乱は、ついに終結したのである。
だかその結果キリトとアスナはアンダーワールドに取り残されてしまった。
加速倍率は500万倍。
二人がログアウトできるまで、内部時間で200年以上...
キリトはこの世界で生きていく決意をする。
大戦後、キリトは人界統一会議の代表剣士として改革を行っていく。
上位貴族が支配する制度を廃止し、暗黒界と人界は観光や物流で交流を始め、確実に良い世の中へと向かっていた。
キリトの傍付きだったノニエも大戦の武勲によりディーゼと共に整合騎士見習いとなる。
平和になりつつある日々。
しかしキリトは、このままだといずれまた戦争が起こると危惧していた。
そして事件は起こる。暗黒界から観光に来ていた山岳ゴブリン族の者が人界の市民を殺害したのだ。
だがその事件には不審な点がいくつもあり、キリトは真犯人がいると確信する。
まずは情報収集のため、キリトはロニエと暗黒界軍総司令部総司令官のイスカーンの元へと向かうのだった。
シリーズ第19弾。
アンダーワールド大戦のその後を描いた今作。
とはいっても大戦後の本当にすぐ後の話で、キリト達が200年余り過ごしたごく一部の物語である。
アンダーワールドに残った二人がどのように過ごしたかはアリシゼーション編後に気になっていたところなので、読めるのはうれしい限りだ。
いずれはプログレッシブみたいな形で、さらにその先まで描いてもらえたらという願望もあるが、それはさておき今作も不穏な動きも多数あり、キリトの苦労と活躍を楽しめる作品となっている。