ジョージ・R・R・マーティン (著), 目黒 詔子 (イラスト), 岡部 宏之 (翻訳)
ロバート王の死後七王国内は混乱に陥っていた。
玉座を巡る内戦はより激化していた。
国内に王を名乗る者が四人、ロバート王の息子のジョフリー・バラシオン、ロバート王の二人の弟スタニス・バラシオンとレンリー・バラシオン。
そして自身の父を殺害されたウィンターフェル城の跡取りでエダード・スタークの息子ロブ・スタークが、北の王を名乗りそれぞれの対立は深まるのであった。
さらにはエダード・スタークの被後見人であった シオン・グレイジョイは、ロブを裏切り、自らを鉄諸島の王と宣言し、ウィンターフェル城の奪取を目論んでいた。
そしてはるか東方の家ではかつて「鉄の玉座」の王、故エイリス狂王の末娘デナーリス・ターガリエンが七王国を征するために、部下と3匹のドラゴンと共に旅を続けていた。
一方でキングスランディングでは、スターク家の長女サンサが、ジェフリー王の婚約者という名目で捉えられており、サンサは密かにキングスランディング脱出を計画していた 。
そのサンサの妹であるアリアは、一足先に逃走し、キングスランディングを脱出していたのだが、 とある過程で捕まり捕虜として、ラニスター家のハレンの巨城へと連れて行かれていた。
そしてラニスター家は、小人ティリオンを始め、父のタイウェン・ラニスターまでもが、キングスランディングへと集結しており、戦いは大きくなる一方であった。
それぞれの家系の人間が、様々な思惑のもとに動いており、さらには「壁」の向こう側での動きも活発になっていた。
誰の視点から見ても、先が読めない展開に読んでいてハラハラする。
個人的にはスターク家のアリアの視点が気に入っており、幼いながらもウィンターフェル城のスターク家としての誇りを持ち、生きるために成長していく姿に 心を揺さぶられる。
また策士と言っていい、ラニスター家のティリオンの残虐性の中にも、人間らしさがあり、スターク家側から見たら 敵なのに憎めないそのキャラクター性が、実に良い味を出している。
読んでいて、この先どういう展開が待ち受けているのか、次が待ち遠しくなること間違いないだろう。