チャールズ ストロス (著) 金子 浩 (翻訳)
空から無数の携帯電話が降り注ぐ。
その電話からは私たちを楽しませてくれますかという声。
新共和国の植民星、ロヒャルツ・ワールドにフェスティバルという宇宙人が来襲した。
楽しませるため、面白い話をする見返りになんでも好きなものを与えてくれるというのだ。
だが、新共和国の統制省は、フェスティバルは体制にとって重大な脅威と判断する。
そしてそれを侵略と決めつけ、攻撃艦隊を差し向けるのだった。
その艦には地球人の国連調査官レイチェル、新共和国軍に雇われた技師のマーティンが乗り込んでいた。
この2人が出会って、物語は加速していく。
2人は恋に落ち、多くの陰謀に巻き込まれてしまうのであった。
スペースオペラを代表する作品。 少々専門的な用語も多い。
新共和国宙軍がフェスティバルに攻撃を仕掛けるシーン等が長々と描かれているが、何と戦っているのだろう...というのが正直な感想だ。
だが、正体もどこにいるのかもわからないフェスティバルという存在に振り回され続ける新共和国宙軍だが、レイチェルとマーティンの活躍によって、その正体や陰謀が明かされていく。
作中では何度もシンギュラリティ後の世界という言葉が出てくる。
簡単に言えばゼロからなんでも作りだせるという科学で証明できる力の事なのだが、つまりはシンギュラリティを使いこなせない人達(新共和国の古い考え方の人間)のストーリーといったところか。
好みが分かれる作品であると思うが、その言葉の意味や物語の攻勢をある程度理解できれば、作品に対する感じ方も大きく変わってくるだろうと思う。