保護者代理で入学式へ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ②(3)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ②(3)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ②(3)

高校を卒業してまだ数週間だというのに、以前よりも雰囲気が大人っぽく見える絵里。

高校時代から背も高い方で高校生離れしたスタイルとルックスであったため、当然な気もするが、今日のスーツ姿にしっかりと化粧をした姿は、美しい大人の女性であった。

スクールアイドルの時の絵里とはまた違う魅力で溢れていた。

絵里の横で 亜里沙に絡みつくように話す雪穂。

とても楽しそうな二人を見て嬉しそうな笑顔を見せる絵里であった。

時間は まだだいぶ早かったが、3人は入学式 が行われる体育館へと、向かって歩いていく。

しかし、やはりμ'sとしての絵里は有名すぎて大人気だった。

多くの新入生が絵里の存在に気づいて、サインや写真を求める列が出来てしまっていた。

もうμ'sじゃないけどと、照れながらも嫌な顔ひとつせずに、気さくに応じる絵里であった。

そんな姉の姿を見て、すごいなと思う亜里沙。

直接姉に言ったこともあるが、いつも帰ってくる言葉は決まっていた。

好きなことをみんなで全力でやっただけだよと。

有名になって人気になっても、それに 奢ることなんて決してなく、最後まで自分たちのやりたい事をやり通した姿に、自分の姉という以上に尊敬し憧れていた亜里沙だった。

μ'sに憧れて・・・ 自分の姉の姿を見てμ'sに入りたくて、音乃木坂に入学した。 でももうμ'sはいない 。

3月のスクールアイドルのライブを最後に解散してしまったから。

だからμ'sに負けないようなスクールアイドルを目指すことを決意した亜里沙だったのである。

サインの列も終わり、一息ついた絵里は呟いた。

「 まだ式まで時間があるわね。少し校舎見てこようかな」

「 わかった。じゃあ、私は雪穂と先に行ってるね。また後でね 」

ぼそっとつぶやいただけのつもりであったが、しっかりと妹に聞かれていた。

はにかむように、絵里は笑顔を見せ、また後でと手を振り、妹たちと別れる。

音乃木坂学院の敷地面積は都内の他の学校に比べ、格段に広い。

校舎自体も大きいし、こんな広大なスペースに昨年は全学年合わせて6クラス生徒数も200人に満たなかったのである。

それこそ一廃校になってもおかしくない状況だったのだ。

音乃木坂の大きな特徴として、校舎の裏側は校庭となっているのだが、この校庭がとても大きく、陸上の400 M トラックと同等の広さで、なぜだか観客席まで設置されているのだ。

さらにもう一つ動物が多いのが特徴であろう。

うさぎやモルモットといった小動物から、小鳥、山羊や羊といった、まるで小さな動物園のようである。

その中でもアルパカの存在は別格であろう。

動物園に行かないと、まず見ることのできない動物が、音乃木坂にて飼育されているのだ。

しかも今新たにカピパラを迎え入れることを検討しているという。

地元に住む小さな子を持つ親子にも、観覧のため開放されており、音乃木坂動物園として地元では有名であった。

そんな校庭。動物小屋をぐるっと回り絵里は、校舎の入り口へと来ていた。式まではまだ30分以上時間がある。

つい一週間前までライブの準備で、毎日着ていた学校に、もう来ることがなくなると思うと、少し寂しい気持ちになる絵里であった。

「 もう部外者だし、勝手に校舎内に入って歩き回ったら不法侵入で怒られちゃうかな大丈夫かな」

こんなことを考えてはいるものの、すでに体は動いて、校舎内に入っている絵里。

気づけば、自然と足は屋上へと向かっていた。

屋上の扉の前にたどり着いた絵里は足を止め、物思いに耽るかのように瞳を閉じていた。

(扉の前で戸惑っていた私の背中を教えて押してくれたのは 凛だった...) 瞳を開けて、屋上へ出る絵里。

誰もいない、何もない、音もしない静かな屋上である。

( ここが私にとって始まりの場所...)

静かな屋上だが絵里の瞳にはあの頃の光景が見えていた。

いつも言い争いをするにこと 真姫 の姿。

練習の合間にお菓子を食べる穂乃果を怒る海未。

それをフォローすることり。

じゃれあっている凛と花陽、希に寄りそう自分の姿。

楽しかった毎日。 μ's9人の姿が絵里には見えていた。

数週間前まで当たり前だった光景も、今ではもう遠い昔になくしてしまった宝物かのように感じている絵里であった。

目元にはうっすらと涙が浮かんでいた。

「ありがとうみんな大好きだよ」

誰もいない屋上で気づけば絵里はそんな言葉を呟いていた。

( 私たちにとって 大切な思い出の場所... 一生忘れないよ)

しばらく足を止め屋上眺めた絵里は笑顔でありがとうございましたと言って屋上を後にした。

毎日いた頃には気付きもしなかったし、気にもならなかったけど、こうして改めて見ると音乃木坂は、歴史のある学校なだけあり、 階段や廊下も結構古いだと感じていた。

廊下にある掲示板には、生徒会からのお知らせや、校内新聞が貼られている。

それらすべてが、懐かしく感じられる絵里。スクールアイドル部部室前に着いた絵里は、再び足を止めた。

元々はアイドル研究部の部室であり、当時部員もにこ一人だけという部活動であった。

しかし穂乃果を中心にして作られた、スクールアイドル部とアイドル研究所が合併し、ここがμ's活動の中心の一つの場所となった。

( 私はその中で一番最後にメンバーとして加わった。

打ち合わせしたり雑談したりした。ここも私にとって大切な場所・・・)

今日は入学式だし、まだ部室は空いていないだろうから、外から覗くだけのつもりだったが、部室の鍵は開いていた。

誰かいるのだろうかと扉を開けて部室に入ってみるものの、中には誰もいなかった。 おそらく鍵を閉め忘れたのであろう。

まったくもう、あの子達ってば 、不用心なんだから」 と言いつつもまったく 躊躇うことなく、 絵里は部室へと入室していた。続く。