その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で⑨(84)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で⑨(84)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で⑨(84)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

ー学園祭前日ー

この日は学園祭の準備日で通常の授業は行われず、各クラス、各部活動は学園祭の準備に追われていた。

部活動による出し物は発表会や展示から出店までと多数にわたり、クラス毎でもイベントや出店をしたりと、準備は忙しくて大変なのである。

生徒会では校門のアーケード作りから、各案内図の設置等を行っており、この日ばかりはさすがの穂乃果も、生徒会長として先陣を切って行動していた。

幸いなことに今年の学園祭当日は晴れ予報であり、昨年に比べると天候にも恵まれ、来校者の数も相当数見込まれている。

何しろ、音乃木坂学院はあのμ‘sを輩出した学校なのだ。

スクールアイドル部によるライブ見たさに、かなりの人が訪れるのではないかと予想されており、当日は安全面も考慮し、教師総出で警備体制を敷くことになっている。

また、500人を収容できる講堂では、人が入りきらないだろうと想定し、映像部の協力のもと、各教室等でパブリックビューイングの用意もされている位である。

そして、この日の午後、スクールアイドルは音響照明部らとともに、講堂にて前日リハを行っていた。

ライブをやるにしても、スクールアイドル部だけでは成り立たない。

音響、照明、映像といった各部の協力があってこそである。

本番さながらの音響、照明効果とともにリハーサルに取り組むスクールアイドル部。

一年生にとっては今回のライブが人前で行うはじめてのライブであり、リハーサルではあるが、やや緊張と硬さが見て取れる。

だがやはりμ‘sicforeverの6人は別格だった。

μ‘sとして数多くのライブを行ってきた彼女たちは、ライブが待ち遠しくて仕方がないといった表情であった。

またゲスト枠のBiBiは、真姫しか今いないため、当日の軽い離反しかできないが、彼女たちなら問題もないであろう。

そしてこの日、リハーサルにて初めてパフォーマンスを見せたのがPrintempsである。

ステージで見せるパフォーマンスのクオリティーの高さ、愛乃の奏でるピアノの美しいメロディーに皆が衝撃を受けていた。

特にμ‘s 、μ‘sicforeverの楽曲全てを手がける真姫は、愛乃の作った曲のセンスの良さにひときわ感心していた位だ。

その後、リハを終えたスクールアイドル部は、部長の花陽が部員全員を集める。

講堂のステージ上では花陽を中心にして、総勢20一名が円を描くように丸くなる。

「みんなお疲れ様。明日はいよいよ学園祭のライブだね。一年生にとってはライブデビューになるのかな。多くのお客さんが来るだろうし、緊張もするかもしれない。

でも、まずはこの舞台を楽しもう。自分たちが楽しんで、来てくれた人にはもっと楽しんでもらって笑顔になってもらう。

それがスクールアイドルだよ。明日は全員で楽しんで、ライブを成功させよう!それじゃあ解散!」

花陽はそう言って閉めたのだった。

すっかり部長らしい姿の花陽の言葉に、部員全員がしっかり耳を傾けていた。

時刻は15時、普段であればまだ授業中であり、いつもならこの後の時間から練習だが、この日は学園祭準備日で、離反を終えて終了となったスクールアイドル。

μ‘sicforeverの6人は帰り自宅をする中で、Ray-OGを始め、一年生が先輩たちに声をかける。

まだ練習していいかと。そんな後輩の姿を見て、6人は笑顔でうなずく。

「じゃぁ、雪穂ちゃんに鍵預けるから、最後の戸締りよろしくね。でも明日が本番だし、無理しすぎないようにね」

花陽はそう言って鍵を預け、先輩6人はそのまま学校を後にした。

6人も解散…するはずもなく、行きつけのファストフード店へと向かった。

もちろん言い出したのは穂乃果である。

だが目的は学園祭以降のμ‘sの活動についての打ち合わせだった。

μ‘sとしては7月に絵里と希の大学での学園祭ライブ出演、そして末にμ‘sファイナルとなるラブライブアキバドーム大会出演が控えている。

のだが…まだ何も決まっていないような状態なのだ。

セットリストに衣装と…決めなければならないことが多々あるのだった。

ファストフード店に入り、各々が注文を終え席に着く。

「ねえこれみんなで食べようよ!」

席に座りそういう穂乃果はバケツポテトを抱えていた。

さすが穂乃果である。いつにも増して食欲が暴走している。

「げっ、なにその量…見てるだけで胸焼けしそう…」真姫がつぶやく。

バケツポテトと言う位である。

その量は通常サイズの10倍はあるであろう。

「これで500円だよ!超お得だよね!」

嬉しそうな穂乃果を見て、海未が一刀両断する。

「バカですか!あなたはバカなのですか穂乃果!

明日はライブですよ、そんなに食べて太ったらどうするんですか!

また豚になって衣装着れなくなっても知りませんからね!はぁー…

それよりもμ‘sをどうするか決めないとですね。2年生は来週は修学旅行で不在ですから」

海未にばかと連呼され、へこむ穂乃果であったが、その手はポテトを食べることをやめない。さすがである。

「そうだね、でも絵里ちゃんたちがいないので決めるのは大変だよね」ことりが言った。

そこに下を向いてポテトを食べ続けていた穂乃果が上を向く。

「よし、今から3人呼ぼう!」

と言って穂乃果は絵里、にこ、希へと電話する。

「にこちゃん、今日何してるの?」 

「今日はこれからバイトよ。ごめん、時間ないから切るわねまたね」

一瞬でにことの通話が終わり、スマホの画面を見つめる穂乃果。

気を取り直して再び電話をかける。

「もしもし絵里ちゃん、今日これから空いてる?」

「ごめん、今日はツバサと用事があって…また今度ね!」

またしても一瞬で通話が終わる。

そして…「希ちゃん、今日これからって空いてない?」

「今日は月からのスピリチュアルパワーの日だね。ごめんね」

「… … … …」スマホを見つめてフリーズする穂乃果。

3人とも全滅であった。

希に至っては理由すらわからぬまま断られたのである。

「あぁもう!今日はだめだ!」

諦めたと言うように再びポテトをほおばる穂乃果だった。

「やっぱり9人揃ってないとだめだね」と同じく真姫も諦め気味につぶやく。

やはりμ‘sのことを決めるのならば全員が揃ってないと話も全然進まなかった。

「そうですね…でも曲も決めないとですし、それでは各自、来週末までに考えて、その上でみんなで検討しましょう」

海未が言った。

改めて、絵里と希のような、みんなをまとめて引っ張ってくれる先輩の存在の大きさを感じる6人であった。

続く

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