その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの①(106)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの①(106)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの①(106)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

ー7月上旬ー

今日は第3回ラブライブ、アキバドーム大会関東地区最終予選の日である。

音乃木坂学院スクールアイドル部の一同は会場となる横浜へと来ていた。

そもそもであるが、ラブライブ地区予選はどのように行われているのか…

まずは第一歩としてラブライブにエントリをする。

そして地区を選抜(音乃木坂であれば関東地区、東京といった具合に) し、学校名、ユニット名メンバーのプロフィール、キャッチコピー等を入力するとエントリーが完了となる。

エントリー完了後、地区においての現在ランキングが表示される。

そのランキングはどのように変動するのか。

ランキングは投票によるもので1票= 1ポイントとなっている。

投票をするにはラブライブ公式ホームページにて登録が必要で、PC、スマホ、タブレットからの登録が可能である。

なお、登録には電話番号が必要で1つの番号から1つのアカウントとなっており、1アカウントにつき、1日1回の投票が可能で、その投票によるポイントがランキングへ反映される仕組みとなっている。

ラブライブ公式ホームページにて各地区ごとにリンクが設けられており、その地区の都道府県ごとにエントリーしたユニットを見ることができる。

また地区ごとに最新の投稿動画がピックアップされる仕組みで、急激に順位をあげたり、高ポイントを獲得すると、トップページのピックアップスクールアイドルとして動画が流れるのである。

1次予選、二次予選はネット投票により行われるため、それぞれの期間までにPR動画をアップしてアピールする。

なお、全大会から完全にオリジナル曲のみでのエントリーとなっている。

PR動画は基本的にメンバーが写っており、パフォーマンス(歌っているだけでもオーケー)を知っていれば、どんなものでもオッケーである。

ただしやはりライブ形式のものであったり、プロモーションビデオである方が人気も高くなっている。

期間内であればPR動画はいくつアップしてもオーケーである。

そしてPR期間終了後、48時間で最終順位が決定する。

各予選ともに投票ポイント順に順位が決定し、1次予選を突破できるのは40組、二次予選では20組と通過ユニットは絞られて行く。

他にも細かい事はいくつかあり、大会ごとに多少の変化はあるが、大まかにはこんな感じである。

そして地区最終予選は会場でのライブにより行われるのだ。

音乃木坂からは1年生ユニットのRay-OGが最終予選へと進出していた。

大激戦区の関東地区予選を1年生ユニットで最終予選まで進んだのはRay-OGのみである。

他のユニットは前回大会でも活躍したユニットばかりの中で、ひときわ異彩を放つRay-OGの3人は、音乃木坂学園祭ライブでの動画を機に、一躍注目を浴びる存在となっていた。

A– RISEのツバサをもってしても、その活躍を予感させる発言をしていたほどである。

Ray-OGは決勝大会の舞台を目指して、今日ライブを行う。

音乃木坂スクールアイドル部はRay-OGの応援に全員で来ていた。

だが初めて横浜に来た子も多く、少々浮き足立っている感は否めない。

と言うより、穂乃果のテンションが異常に高かった。

「ねぇねぇ、帰りにラーメン博物館に行こうよー!あ、それからカレーミュージアムもいいね。それとも中華街行っちゃう?横浜と言えば中華街だよね!」

今日は自分の妹のユニット、Ray-OGの応援に来たはずなのに、既に終わった後の食べることで頭がいっぱいな穂乃果である。

一体何しに来たのだろうかと思う人もいる位だった。

「あって私も中華街行ってみたいなー」

穂乃果の言葉に同調したのは花陽であるさすがはμ‘sの大食いツートップである。

食べることに関しては他の誰よりも息が合っている2人に対し、真姫がため息交じりに言う。

「はぁ…あなたたち言ったら… 2人とも食べることばかりじゃないの。中華街はここからだとだいぶ遠いわよ。横浜ってかなり広いんだからね。だからそれはまたの機会にだね」

と言われて残念そうな表情をする2人をよそに便が言う。

「さすがまきちゃんは詳しいね。凛はみなとみらいに行ってみたいなーランドマークタワーに行きたいんや」

「凛、残念ね。みなとみらいも遠いわよ。てゆうかさ、あそこはカップルで行くような場所だよ。行きたいって言うなら、まぁ今度みんなで行ってもいいけど」

「あ、そうか。今日はまきちゃんの恋人いないもんね」

その言葉に凛を嫌いと睨み付ける真姫。

「ちょっと凛、それどういう意味よ!」

「なんでもなーいにゃーにゃハハハはぁー」

「ね真姫ちゃん、私気になることがあるんだけど」と言うのは穂乃果だった。

「何?」 「どっちが彼でどっちが彼女なの!」

「知らないわよ!」 相変わらずにこのネタでいじられる真姫。

そんな楽しげなメンバーの気を引き締めるかのように海未が言う。

「穂乃果も花陽も凛も楽しい気分になるのは構いませんが、今日の本来の目的を忘れないでくださいね」

そう、再度言うが、今日は関東地区最終予選であり、Ray-OGの3人をみんなで応援にきたのだ。

スクールアイドル部の皆で遠くまで来てテンションが上がるのはわかるが、決して遠足ではない。

先頭を歩く2・3年生は、とてもなごやかで楽しそうな足取りであるが、後をついて歩く1年生、特に当事者であるRay-OGの3人はこれから始まる最終予選を前に硬い表情だった。

緊張、不安…様々な感情が入り混じっているのだろう。

そして会場に到着した音乃木坂スクールアイドル部一行。

今日の会場は収容人数一万人を越す横浜メッセである。

前回大会の決勝大会並みの会場の規模であり、予選でこれだけの舞台を用意してきたラブライブ運営の本気度がそれだけでわかるものだろう。

横浜メッセと言えば、超有名なアーティストがライブをするような会場であり、5月にはA– RISEもここでライブを行っている。

そんな舞台である。緊張しない方が無理と言っても過言ではない。

周囲も大勢の人で溢れかえっていた。

そしてこれはどこに行っても言えることなのだが、元μ‘sのメンバーは有名人すぎるのである。

特にラブライブの会場となれば彼女たちの存在を知らない人はいない。

しかし、穂乃果はそんなこと一切気にせず、後輩の3人へと声をかける。

「雪穂。亜里沙ちゃん、リオちゃん!今日私たちは客席で応援してるからね。3人ならできるよ。Ray-OGファイトだよ!」

さっきまでやるラーメンだ、カレーだ、中華だと騒いでいたのが嘘かのように、真剣な表情で後輩を激励する穂乃果に、3人はありがとうと言うと、1一足先に会場南へと消えていった。

ふとことりがつぶやく。

「3人とも、だいぶ緊張してるみたいだね」

「そうですね…前回の決勝大会並みに大きな会場ですからね。少し心配ですね」

海未が言った。そこで穂乃果も加わる。

「うん、そうだね。でもあの3人なら大丈夫だよ。梨緒ちゃんのメンタルは凄いし、亜里沙ちゃんは絵里ちゃんの妹だもん。それに雪穂の事は私が1番よくわかってるから、Ray-OGなら大丈夫」

学園祭ライブを通し、一気に人気を得て今注目されているスクールアイドルの1つがRay-OGである。

彼女たちを一言で表現するなら”かっこよくてかわいい”である。

今までにないスタイルで見るもの魅了するRay-OG。

明るくて元気で笑顔が素敵な高坂雪穂、姉をしのぐとも言われるかわいいさの綾瀬亜里沙、そして作曲、ダンスの才能がずば抜けておりスタイル、ルックスともに完璧な河北梨緒。

この3人が織り成すパフォーマンスは完成度が高く、とても1年生ユニットとは思えないものである。

彼女たちRay-OGのはじめての挑戦が今始まろうとしていた。

続く

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