その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を④(116)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を④(116)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を④(116)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

噴水前広場で行われている駿女の学園祭ライブ。

席に座れなかった人たちも多数おり、そんな人たちはやや離れた場所から立ち見をしたり、あらかじめ用意されていたライブビューイングの会場でBiBiのライブを楽しんでいた。

ライブはすでに持ち時間の30分に迫ろうとしているが、BiBiのライブはまだ終わる気配は無い。

いっそうの盛り上がりを見せている。

「ねーみんな、次は何の曲か聞きたい?」 

会場に向かって問い掛けるにこ。

会場からは様々な曲名が叫ばれていた。

「みんなすごいわね。BiBiのすべての曲名が聞こえてきたよ。でも実はね、みんなが知らない曲が1曲だけあるのよねー」

にこの言葉に会場が湧く。

そう、これはこれから新曲をやるよと言うフラグである。

そして満を持したかのように、にこは偉そうに言い放つ。

「ふふふ…全世界の、いや全宇宙の矢澤にこファンのみんな、待たせたわね。ついにこの時が来たわよ!え?何がですって!それはμ‘s時代から 散々訴えてきたけど、頭が固くて取り入れられなかったことがついに実現したのよ!そこに至るまでの道のりは、この宇宙ナンバーワンの…」

にこがだらだらと喋り出すの察知した真姫は遮るように、にこの顔を手でぐっと押しあった。

「にこちゃんうるさいし、長い!と言うことで次の曲は新曲です。仕方ないけど…にこちゃんのソロ曲です。聞いてください」

「ちょっと真姫、なんで私に言わせないのよ!てゆうか仕方ないって何よ!…」

文句を言い出したにこだったが曲が流出して慌てて準備する。

にこぷり 女子道歌詞
にこぷり・女子道1
にこぷり・女子道2

これはμ‘s BiBiを通して初の試みであるソロ曲であった。

発端はにこが目立ちたいから、その曲を作ってと真姫に言いよったことがきっかけである。

ユニットの中でソロ曲をやるのはどうだろうかと考えた真姫であったが、面白そうだからいいんじゃない?と言う絵里の言葉もあり、にこのソロ曲が誕生したので誕生したのであった。

その曲はにこのキュートさとあざとさを前面に押し出した、いかにもにこと言う感じの曲であった。

1人でノリノリで歌って踊るにこだが、この曲の最中、絵里と真姫は特にすることもないため、いつ用意したのか不明であるが、ステージ裏から水風船を持ち出してパフォーマンス中のにこに当てて遊んでいた。

なんと自由なユニットであろうか。

だがそれがBiBiと言うユニットなのだ。

水風船を当てられてびしょ濡れのにこ光衣装が心配であったが、そこは用意周到な柚梨愛である。

こんな事態に備えて濡れても大丈夫なように、防水加工もされていたのだ。

びしょ濡れになりながらソロ曲を終えたにこは、満足そうな顔をしつつも苦言を呈する。

「ねぇ…私びしょびしょじゃないのよ…」

「濡れても問題ないように衣装を作ってくれたらしいよ」真姫が言った。

「そっかならよかった…て言うわけないんでしょう!」

「暑いからちょうどよかったんじゃない?」 と言う絵里。確かにこの日はかなりの暑さである。

屋外ステージであり、初夏とは言え気温はすでに30度を超える中でのライブである。

さらには大勢の観客の熱気により、かなりの暑さであろう。

観客もステージの3人にも汗だくであった。

「確かに暑いわね…みんなちゃんと水分はとってね。いやーそれにしても少し疲れちゃったよ…まだ歌いたかったけど、どうやらBiBiパワーが足りなくなっちゃったみたいね」

そう言ってにこはステージに座り込む。

これは音乃木坂の学園祭ライブで、にこがアドリブで見せたBiBiパワーであった。

ちなみにライブは既に30分以上が経過しているのは、まだまだBiBiのライブは終わらない。

絵里がにこに尋ねる。

「ねーにこ、一応聞くけど、BiBiパワーって何?」 

するとにこはふふふと言い出して説明しようとしたその瞬間だった。

真姫が割り込み、大きな声で言ったのである。

「説明しよう。BiBiタワーとは会場の皆が私たちに向かってBiBiコールをすることによって得られるパワーなのでアール!」

その言葉ににこは勢い良くずっこけるような仕草をする。

「ちょっと…あんたねぇ何勝手に説明してくれてるのよ!私のセリフ、パクるんじゃないわよ。何がなのであーるよ!てゆうか私の話聞きなさいって!」

真姫はにこに一切構うことなくスルーし、会場へと声を投げかけた。

「それじゃあ行くわよ。私に続いてコールしてね。せーの!びーびっ!」

真姫の掛け声に続いて会場から大きな声が返ってくる。

「びーびっ!」その瞬間だった。

にこが真姫に向かってラブニコポーズをする。

それを見たステージ裏の柚梨愛はすかさずスイッチを押した。

すると真姫の衣装は鮮やかな赤の光に包まれ、会場からは大きな歓声が上がる。

「やっぱりあんたじゃ全然だめね真姫」

にこはそう言うと柚梨愛に向かってチョキの合図を送る。

すぐに真姫の衣装の光は消える。

絶妙な連携を見せるにこと柚梨愛。

打ち合わせでここまで細かく話し合ったわけではない。

にも関わらず、にこのアドリブにすぐさま気づいた柚梨愛が答えているのだ。

ステージ上だけでなく、BiBを支える裏方との息もぴったりである。

それだけ信頼していると言うことだろう。

「はい、じゃあ次、絵里行ってみようか」

「えー、私?わかったわ。行くよみんな。せーの! びーびっびびー!」

にこの突然のフリだったが絵里が会場に声をかける。

「びーびっびびー!」

再び会場から大きな声が返ってくると同時に、にこは合図を送る。

すると今度は真姫の衣装が赤く、絵里が水色に美しく光輝く。

会場はさらに沸く。

「惜しい!あと少しだったわね。やっぱり私じゃなきゃダメってことね」

にこが再び合図を送ると、2人の衣装の光は消える。

「しょーがないわねぇ、よく見ておきなさいよ、あんた達!」

そういうとにこは大仰な身振りとともに会場を煽った。

「もっと大きなビビパワーを頂戴!行くわよ、せーのっ!びーびっびっびびっーびびーびびびーびっ!」

もはやめちゃくちゃで、会場もにこのビビコールを返せる人はおらず、まばらな声が返ってくるだけだった。

しかし...「きた、きた、来たわよ、ビビパワーが! ビビパワー全開!」

そう言ってにこは胸元でラブにこポーズをし柚梨愛に合図を送る。

その瞬間、3人の衣装は美しい赤、水色、ピンクの輝きに包まれ、再び大歓声が沸き起こる。

その歓声を割くように、にこが大声で言い放つ。

「ラスト行くよ、サイキックファイヤー!」

曲が流れると同時に、3人の手には巨大な水鉄砲が。

曲を歌い、そして踊りながら、3人は泡入りの水鉄砲で、会場中に泡と水を撒き散らす。

もうこの3人は止められなかった。

やりたい放題である。まるでどこかの大きなプールとかでイベントをやっているかのようなノリで、ステージも会場の多くの人も水浸しであった。

だが誰として嫌がる人はいない。

会場に集まった皆が今、この瞬間を最高の笑顔で楽しんでいた。

そしてもちろんBiBiの3人もだ。

誰かを楽しませるためには、まず自分たちが全力で楽しむこと。

μ‘s時代より口を酸っぱくして言ってきた、にこの格言とも言える言葉だが、それをBiBiの3人は全力で体現していた。

会場もBiBiの3人も共に最高の時間を共有し、大盛況でBiBiのライブは終了した。

続く

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