その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑥(118)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑥(118)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑥(118)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

時刻は16時半を少し回ったころ、日中に比べれば幾分気温も下がった気がしなくもないが、ここ駿女の噴水前広場はすごい熱気に包まれていた。

いよいよμ‘sのライブが始まろうとしている。

会場は今か今かとμ‘sの登場を待ちわびている。

大学内にはライブビューイングも設置され、テレビやメディア関係、アイドル業界の人も多く集まっていた。

それだけこのライブのμ‘sに対する注目の高さがうかがえる。

そしてステージ転換の合間に流れていた曲が鳴り止むと同時に、会場は大歓声が沸き上がる。

ステージに設置されている特大スクリーンに、μ‘sと言う大きな文字が写し出されると会場はさらに湧く。

そしてスクリーンには約1分間に編集されたこれまでのμ‘sの軌跡の映像が流れる。

μ‘s最初の3人でのライブからラブライブ東京予選、決勝大会、ニューヨークでのPRライブ、サニソンライブとこれまでのμ‘sをさかのぼるかのように。

最後に大きな効果音と共にスクリーンに映し出されたμ‘s comeback!と言う文字に、会場からまるで叫ぶかのような大歓声が響き渡る。

それと同時に曲のメロディーが流れ、ついにμ‘sの9人がステージに姿を現した。

「みんな久しぶり、μ‘sだよー。行っくぞー!」 穂乃果が大声で会場に向けて言った。

μ‘sのライブスタートである。

オープニングを飾るのはこの曲だ。

キラキラセンセーション/歌詞

KiRa-KiRa Sensation-01

KiRa-KiRa Sensation-02

この曲はラブライブで優勝したときの曲であり、μ‘sのメンバーにとってとても思い入れのある曲である。

疾走感のあるこの曲を聴いていると自然に体が踊り出してしまうような曲である。

絵里もかつて卒業後に音乃木坂スクールアイドル部部室にて、口ずさみながら踊ってしまった位であり、会場の全員が楽しそうにμ‘sのメンバーと共に体を揺らす。

またμ‘sのライブ嬉しさに、この1曲目で既に泣きそうになっている人もいた。

それだけこの曲はμ‘sのメンバーにとっても、μ‘sを応援している人にとっても大切な曲なのである。

1曲目を終え、μ‘sの9人は穂乃果を先頭に帯状に並び、9人が声を揃えて言った。

「皆さんこんにちは、μ‘sです!」会場はその言葉に応えるように湧き上がる。

挨拶とともにμ‘sの9人はそれぞれ違うポーズをとって静止した。

5秒後…端を発するように真姫が言った。

「ねーちょっと待って…何時間か前に私、同じポーズを取らなかったっけ…?」

「確かにそうね…これはデジャヴってやつかしら…」絵里が言った。

真姫の言う通り、この2人はBiBiの時と同じポーズをしていた。

そこへにこが突っ込む。

「ってか、おいおい、それがBiBiポーズやないかーい!今はBiBiじゃなくてμ‘sでしょうが!」

「ニコちゃんうるさい。黙っててくれる?」

「なっ…あんたはいつもいつも生意気ね!」

「矢沢さんに言われたくないでーす!」

突如μ‘sのライブMCで始まったBiBi定番、にこまき劇場に 会場は盛り上がる。

μ‘sのメンバーの2人の掛け合いを笑いながら見守っている。

毎度の事、互いに言い争っているだけなのだが、これがまた楽しいのだ。

「全くあんたはしょうがないわね。こうなったら私がμ‘sの…」と、にこが途中まで言いかけたところで穂乃果が割り込んだ。

「はい、と言うことで続きはBiBiでやってください。ってゆうかにこちゃん話長い!」

「キィィィー、穂乃果!最後まで喋らせなさいよー!」

にこの独壇場に会場は笑一色であった。

そんなにこをよそに穂乃果は会場に向かって挨拶を始める。

「改めまして皆さんこんにちは、μ‘sです。皆さんもご存知だと思いますが、μ‘s、今一度復活しました。

ただし、復活といっても期間限定ではありますが…私たちはまだやり残したことがあります。

それをアキバドームで皆さんに見てもらいたい…なのでアキバドームでのライブがμ‘s本当の最後です。

それに向けて今日はA– RISEに誘っていただき、こちらの大学でライブをさせてもらうことになりました。

今日は短い時間ですが、私たちと一緒にライブを楽しみましょう!」

穂乃果の言葉に会場を開いた。

しかし穂乃果はμ‘sの復活が一時的なものであること、そしてアキバドームでのライブが最後だと言うことをはっきりと宣言したのであった。

そんな穂乃果にことりが尋ねる。

「ねぇねぇ穂乃果ちゃん、自己紹介はしないの?」 

アイドルのライブMCの定番の1つとして自己紹介があるしなくても皆知っているが、アイドルと観客による掛け合いもあったりして、とても盛り上がるのだ。

「あ、忘れてた。じゃぁ私からね。みんな知ってると思うけれど自己紹介させてください!音乃木坂学院3年の高坂穂乃果です。

今は花陽ちゃんことりちゃんと一緒にPrintempsと言うユニットとμ‘sの後に始めたμ‘sicforeverと言うスクールアイドルもやっています。

みんなよろしくね!それじゃあいつものやつ行こうか!せーの!みんなファイトだよ!」

穂乃果の声に続き会場からは大きな声で”ファイトだよ”と帰ってくる。

このコール&レスポンスのように出演者と会場が一体となるような雰囲気がアイドルライブの特徴の1つであろう。

μ‘sも多くのライブを経験し、今がある。

その中でメンバー特有のコールアンドレスポンスも多数誕生していたのだ。

穂乃果に続いたのはことりである。

「音乃木坂3年の南ことりです。言うこと聞いてくれないと、ことりのおやつにしちゃうぞ。チュンチュン。ふわふわのアイドル、南ことりをみんなよろしくね」

μ‘sにおいて、天使のことりと呼ばれるだけあって、ことりのMCはいつもとても可愛いのだ。

その独特の甘い声と可愛さにμ‘sのメンバーの中でも随一と言える位の熱烈なファンがいるのもうなずけるものである。

そして次は海未の番であったが…

「私は音乃木坂学院に通っている園田海未と申します。

3年生で弓道部では部長を務めており、スクールアイドル部ではμ‘s μ‘sicforeverに所属しております。

本日は皆様、ライブにお越しいただき、ありがとうございます」ここまではいつもの海未であった。

少々堅苦しく真面目ないつも通りの海未…しかしこの先は何が起こったのかはしばらくは誰にもわからなかった…咳払いをして海未は目元でピースをしていた。

「コホン…それじゃあみんな行っくよー!あなたのハートを打ち抜くー、ラブアロー、シュート!バーンッ!......失礼しました…」

海未の突然のキャラ変に一瞬、会場もμ‘sのメンバーでさえも何が起きたのか理解できなかった。

数秒の静寂の後、会場は海未の名を叫ぶ大歓声が起こる。

μ‘sのメンバーは全員海を見つめて驚いている。

思わず穂乃果がつぶやく。「う、海未ちゃん…どうしちゃったの…?」

そんな穂乃果の言葉に海未は恥ずかしそうにもぞもぞとしている。

海未はμ‘sの中でも特に恥ずかしがり屋であった。

露出の多い衣装に対してもそうだし、μ‘s最初の頃はライブで人前に出ることでさえ恥ずかしがっていた位である。

でも次第にライブで多くの人の前で歌うのが楽しくなっていて、気づけばそれが大好きになっていた。

とは言うもののMCは今でも少し苦手であった。

だから今日、今までにないほどの大胆な以上だし、自分も今までと違うことをしてみようと思ったのである。

その結果が今の海未である。会場から叫ばれる自分の中に照れながらも胸元で手を振り、頭を下げる海未しばらくの事、会場は海未を応援する声で溢れていた。

続く

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