その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~その後EP-20心を重ねて④(153)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~その後EP-20心を重ねて④(153)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~その後EP-20心を重ねて④(153)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

その後9人はアキバの街へと戻ってきていた。

ディズニーを存分に堪能し疲れているだろうが、まだまだ元気な9人であった。

夜もすっかり遅くなりすでに22時を回っていた。

「あぁ楽しかったねー。今日はみんなで遊べてよかったよ。」

と言ったのは穂乃果である。

その言葉を聞いて絵里は安心していた。

昨日の今頃とは別人のように元気な穂乃果の姿を見て、今日こうして遊べて良かったなと思っていた。

駅の改札を出てそろそろ解散といった雰囲気の中、凛が皆に言う。

「ねーみんな、ちょっと音乃木坂に行ってみない?凛はまだまだ遊び足りないんにゃ!」

「あんたってば元気ねぇ…まぁ私はOKよ」にこが答えた。

もうこんな時間だと言うのに、まだまだ帰るつもりは毛頭ないと言う感じに、凜は学校に行こうと言い出したのである。

「夜の学校ってワクワクするよね、肝試しでもやっちゃう?楽しそうやし、うちもオッケーだよ」希も言った。

他のみんなも同意する。

あの真面目な海未でさえも楽しそうにうなずいていた。

しかし…「それは不法侵入になってしまうんじゃないかな…だからやめましょう...」

と言ったのは絵里である。

人それぞれ苦手なものがある。

真姫が絶叫系アトラクションが苦手なように、絵里は暗闇が苦手なのだ。

「絵里は怖いのよね。まぁ仕方ないか、絵里でも苦手なものはあるだろうし。怖がり絢瀬さん?」 

挑発するようににこが言うと、絵里は反論する。

「そそそ…そんなわけないないわよ…私を誰だと思っているのよ…いいわ…い行こうじゃないの…」

その瞬間、皆が心の中で怖がり絢瀬さんだと思っていた。

「えりちぃ、声が震えとるやん…無理せんでええって。大丈夫、怖かったらうちがそばにいるから」

「怖くないわよ!いいから行くわよ!」希の言葉に強がる絢瀬さん。

絵里もまた素直ではない。

「もどうなっても知らんようちは…」

「でもこの時間て学校に入れるんですかねぇ?」 

海未が言った。確かにだ。それにことりが答える。

「うーんとね…校舎内は入れないけど、敷地内には多分入れると思う。後は警備の人に見つからなければOKかなぁ」

「さすが理事長の娘、詳しいわね」

にこが言った。音乃木坂は割としっかりしていて、夜間も常住の警備員(守衛が)がいるのだ。

「よーし、じゃぁみんなで学校行っちゃおー!」

花陽が言った。

本来であれば駅からはそれぞれ方角が違うためここで解散になるところが、凛のひょんな発言から全員で音乃木坂へ向かうことに。

夜の10時を回ると、さすがに大通りの人混みも少なくなっており、一方路地裏に入ると閑散としている。

夏の茹だるような暑さが夜になっても残っており、じめじめした空気が肌にまとわりついてくる。

歩くだけで汗が出そうな熱帯夜であるが、そんな事は気にもならないかのように元気な9人であった。

そして音乃木坂へと到着する。

静けさに包まれた音乃木坂を前にして、絵里は希の腕にくっついていた。

怖がっているのが丸わかりである。

当然ながら校門は閉まっているが、横の通用口から学校敷地内へと入る9人。

音乃木坂は小高い丘の上にあり広大な敷地面積を誇る。

周囲には木々も多く、虫の鳴き声が響いている。

夜の学校は確かに少し不気味であるが、音乃木坂は街灯も多く、そこまでの怖い雰囲気は無い。

だが絵里だけはビクビクしながら希にぴったりと寄り添っていた。

さすがに夜の校舎内は事前に合宿の申請とかをしていない限り入ることはできない。

しかし校舎周辺を動き回ることに関しては問題なかったので、9人は忍び足で校庭へと向かった。

音乃木坂の校庭は陸上トラック並みに広く、芝生のスペースもある。

そこに9人は向かい、芝生の上に座る。

周囲には街灯もあるが、芝生のこの場所には、月明かりが照らすのみだった。

「うわー、今日は満月で月がすごくよく見えるにゃ」

芝生に寝そべって凜が言った。

空には都会と思えない位の星空が広がっている。

そこへ希が言う。

「そうやねぇ、凛ちゃんとこうして夜空を眺めるのは何回目かな。あれが夏の大三角形、デネブ、アルタイル、ベガだよ」

「さすが希って何でも知っていますね」

と言ったのは海未である。

この3人はつい最近Lily-Whiteと言う学外で活動する新ユニットを結成したばかりである。

思い返せばこの3人はかつてμ‘sの合宿の時にも同じグループになって一夜を共にしていた。

あの時も3人で夜空を見上げたことを思い出す3人。

こうしてLily-Whiteとしてユニットを組んだのも何かの運命だったのかもしれない。

夜空を眺めながら希が言う。

「そんなことないよ。でもねうちはこうして星空を眺めていると、すごく落ち着くんだよね。いろいろなことを思い出したりしてね。うちはね、きれいな星空と青くて澄んだ美しい海が大好きなんや。そんなうちの隣には凛ちゃんと海未ちゃんがおるんやもん。これって奇跡だよね」

奇しくも2人の名前は星空 凛と園田海未である。奇希が好きな自然の名を持つ2人は少し照れたように笑う。

そんな3人を見ていた穂乃果が笑顔で言う。

「希ちゃんって本当に凄いよね。頭良くて物知りで、何でもできちゃうし、ついでにナイスバディーだし。うらやましいなぁっていつも思ってるもん」

「はははっ、ついでにってのは置いといて、別にうちはそんなことないよ。うちの穂乃果ちゃんのことをすごいなっていつも思っているし」

確かに希は頭も良いし運動神経も良い。

μ'sに1番最後に加入したにもかかわらず、みんなと変わらぬ踊りのクオリティーだったし、歌も当然うまい。

周囲が見たら何でもできてしまう印象だろう。

だが、そんな希からしても穂乃果の存在はやはり特別であったのだ。

「ありがとう希ちゃん…ところでさぁ、この場所ってなんだかみんな覚えてるかな?」 

穂乃果が言った。

この場所とは今自分たちがいるこの校庭の芝生の上のことだ。

それに反応したのは絵里である。

「もちろん忘れるわけないよ。ここは私と希がμ‘sに加わって9人になり、はじめてのライブをやった場所だもん…」

絵里と希にとってこの場所はμ‘sとして初めてライブをした思い出の場所だった。

「うん、絵里ちゃん。ここは9人で初めてライブをした場所。私たちにとって大切な思い出の場所の1つだねー」

穂乃果の言葉に全員がうなずく。

そこでことりが言う。

「μ‘sに入ったえりちゃんは別人だったよね。こんなに笑って楽しそうになるとは思わなかったもん」

「そうかなぁ…でもμ‘sに入ってから本当に毎日が楽しかった…」

「まぁ絵里は1番自分の殻にこもってたからねぇ」と言ったのはにこである。

それは絵里自身がよく一番よくわかっていることであり、過去の自分の話をされると恥ずかしくて言葉に余る思いの絵里だった。

そこに真姫が言う。

「そういうにこちゃんも大して変わらなかったけどね」

「あんたこそ人のこと言えないでしょうが」

それはこの3人に限ったことではないだろう。

凛はその明るさとは裏腹に、自分に自信がなく運命だったり自分が先頭に立つのを極度に嫌がっていた。

花陽も引っ込み思案であったりと、それぞれが何かしらの決定やら問題があったのだ。

だが、そんなみんなの前に現れたのは穂乃果と言う強烈な光だった。

穂乃果自身も欠点は多々ある。

だがそれを補って余りある行動力と言動に皆が惹かれたのだ。

お互いが1人では駄目だったとしても9人が集まることにより、大きな力となった。

そしてそれが各々の成長へとつながった。

穂乃果との出会いがあったから、みんなが変わった。そう言っても過言ではない。それが穂乃果なのである。

続く

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