吉上亮 (著), サイコパス製作委員会 (著)
最果ての極東、そこは彼女にとってまだ見ぬ故郷ー
日本よりも遥か西の地で生まれた少女は、生き残るために仲間と共に日本を目指す。
だが北海道へと辿りついた時には仲間は皆死んでいた。
少女も極寒の中で狼に襲われて、死ぬ寸前だったが、何者かに命を救われる。
中国の地では殺戮が日常と化しており、そこで生きる少女がいた。
彼女もまた救世主によって救われていた。
そして2人は、日本の地で出会うことになる...
西暦2070年、鎖国政策を行い、生き残った日本では、シビュラシステムが投入され、色相判定、サイマティックスキャンの技術が確立され始めていた。
だが、色相を欺くための違法薬物が大量に流通していた。
取り締まりを強化する厚生省の麻薬取締局真守滄は、ダムの破壊テロ事件の現場へと来ていた。
テロを起こしたのは帰忘の会という組織だった。
滄は逃亡したテロリストを捕らえるが、その犯人はわずか14歳の衣彩茉莉という少女であり、組織に裏切られたのだった。
麻薬取締局は命の保証と共に、捜査に協力するように持ち掛け、茉莉は自分を裏切った連中を追いかけるために同意する。
そして帰忘の会の目的、組織のリーダーである男の名を告げた。
その名はエイブラハム・マレク・ベッカム...
滄と共に茉莉は真の目的を知るために日本政府の闇へと踏み込んでいく...
今作は全然知らないあたらいいキャラによって話が展開されていくが、しっかりと前作でノナタワー事件の首謀者アブラムが大きく関わっており、次巻に続くストーリーも大いに期待できる。
世界各地で戦争、殺戮が起こる混とんの中で、外交を全て閉ざし、生き残る道を選んだ日本政府。
だが食料という大きな問題、多くの難民や移民、テロや薬物が横行し、政府が取った手段は恐ろしいものであった。
しかし、それは後進国ではあり得る話だし、実際ににそういう時代が訪れてもおかしくないと思う。
だからより一層ストーリーに感情移入してしまうのかもしれない。