その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-011小さなころから⑥ (75)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-011小さなころから⑥ (75)

音乃木坂図書室 司書

穂乃果の提案した新しいユニットは、メンバーにことりと花陽、そして作曲及びピアノ窓者担当として愛乃を加え、いよいよ活動がスタートしようと言うところまで来ていた。

愛乃は作曲やピアノで、他の3人を影で支える形であるが、それでもメンバーの一員として活動できることに大きな喜びを感じていた。

このメンバー構成であれば愛乃が作曲を担当し、衣装のデザイン制作はことりが、作詞や振り付けは花陽と穂乃果を中心に行うことになり、個々の役割をとってみてもバランスも良いだろう。

それにしてもメインでステージに立つこの3人、かなり個性が強いメンバーである。

穂乃果はμ‘sでセンターを務めていて、その存在感はカリスマ性すら感じるものだった。

そしてことりと花陽、この2人の歌声はμ‘sの中でも特に個性的で可愛らしいものであり、この3人によるパフォーマンスがどのようなものになるのか非常に楽しみであろう。

花陽がメンバーに加わったその日の練習後、ことりと花陽は高坂家を訪れていた。

早速新しいユニットの打ち合わせである。

だがメンバーは穂乃果と花陽であり、ことりは少々不安であった。

μ‘sで飛び抜けた食欲を誇る2人が一緒なのである。

案の定、高坂家では穂村のおいしいお菓子のほかに、それぞれ学校帰りに購入したパンやお菓子やらで、軽い女子会の様相を呈していた。

少々どころでなく、大きく不安になることり…
衣装を担当する身としては体型の変化は大きな問題であり、この2人にはμ‘s時代からたびたび悩まされていたのは事実である。

その後、ひとしきり騒いだところでようやく打ち合わせはスタートした。

穂乃果は新ユニットの事、そして愛乃のことを花陽に説明する。

すでに全て把握していることりも真剣に耳を傾ける。

「…ってことなんだ。それでね、この前愛乃ちゃんの家に行った時に、サンプルで1曲もらってきたから、これ聞いてみてくれる?」 

穂乃果は愛乃にもらったと言うサンプルCDを、PCで再生する。

するとすごい可愛らしくて、つい口ずさんで踊りたくなるようなメロディーが流れる。

「この曲愛乃ちゃんが作ったの?すごいね…とってもかわいい」ことりが言った。

さらに花陽も行「うん、すごくいい子。なんていうか、可愛くて、楽しくなるような…
本当にかわいいアイドルみたいで、私たちにぴったりの曲だと思う」

「でしょう!愛乃ちゃんもまきちゃんに負けない位、良い曲作ってくれると思う。私の目に狂いはなかった…音楽室に通い続けた甲斐があったよ!」

その時にことりはふと思う。

私と海未ちゃんが学園祭で行動を優先に使わせてもらえるように、他の部にお願いをしているときに、穂乃果ちゃんはそんなことをしていたのかと…

だが結果として愛乃もアイドルとして活動できる場を設け、さらに新しいユニットを結成して活動するための行動だったのだ。

改めて穂乃果の行動力はすごいなと思うことりだった。

「でももう少し、生徒会のお仕事もしてほしいかな…」

その言葉に穂乃果が反応する

「えっ、何?生徒会の仕事って、どうかしたのことりちゃん?」

「えっ…あぁ、いや…何でもないから気にしないで。あはははは…」

知らぬうちに思わず心の声が漏れてしまったことりであった。

そこへ花陽が尋ねる。「ねぇねぇ、ところでユニット名はどうするの?」 

花陽が口にしたユニット名… μ‘sの時もそうだった。

μ‘sicforeverの時もそうだった。

さらにはBiBiに至ってもそうである。

ユニット名を決めるのは、彼女たちにとって最大の難関であった。

悩んで悩んで決まらないというのが、いつものパターンであり、結局いつも希頼りなのだ。

いずれのユニット名は、全て希によって命名されたものである。

しかし、そんな事はもう過去の事と言わんばかりに穂乃果が言う。

「ふふふ…実はもうユニット名は考えてあるんだよね」

何やら嬉しそうに、そして得意げに語りだす穂乃果。

「ユニット名はプリンテンプスってのはどう??」 その言葉に花陽は首を傾ける。

「えーっと…プリン天ぷらってそれは何かな穂乃果ちゃん…」

「違う!プリンテンプス!プリン天ぷらじゃないよ。もう、花陽ちゃんは食いしん坊だなぁ。いくら私でもそんなユニット名になんかしないって。プリンテンプスだよ!」

「ねぇ穂乃果ちゃん。プリンテンプスってどういう意味?」 

ことりは穂乃果に問う。

「意味はわからないけど、この前ことりちゃんの家に行ったでしょう。その時ことりちゃんが持っていた買い物袋を見て、それがすごいなと思ったの。

“Ginza Printemps“と書いてあってこれだ!って思ったんだ」

自慢げに、自分の考案したユニット名を2人に伝え満足そうな穂乃果。

ことりはまさかの自分の予想通りの言葉と、意味がわからないのにこれがいいと言うあたりは穂乃果らしいと思っていた。

さらに穂乃果が押す。「ねえどうかなぁー?プリンテンプスって良くない?」

しかし花陽の反応は…「プププ…」

すでに声が漏れているが、花陽は必死に笑いを堪えようとしている。

「ほのかちゃん…」ことりも同様、笑そうなの耐えている。

「えっ…何…?プリンテンプスってだめかなぁ…?」 

2人の反応を見て一気にテンションが下がる穂乃果。

本人はいたって真剣なのだ。

「ほのかちゃん、これはプランタンって読むのPrintempsと書いてプランタン。プリンテンプスじゃないよ」

とことりは穂乃果に説明するが、笑いを耐えきれなくなり、花陽とともに声を上げて笑い出してしまっていた。

「ええぇぇぇ!?」 大きな声で叫ぶように穂乃果が声を上げた。

穴があったら入りたいと言わんばかりに、頬を赤らめ膝を抱えて蹲る穂乃果であった。

「でも穂乃果ちゃんPrintempsっていうのは良いと思うよ。読み方は別として…プププ…」

フォローしたつもりだが、また笑ってしまう花陽であった。

「もういいよ…」かなり凹んでいる穂乃果を見て、ことりはまずいと思いフォローしようとした瞬間だった。

穂乃果がぼそっとつぶやいた。

「もぅ、おしるこガールズ(本物) にしよう…はい、決定…」

これは希に穂乃果が見せる投げやりモードだった。

そんな穂乃果の言葉にすぐさま反応する花陽とことり。

「ほのかちゃん、そんな自虐的にならないで。Printempsにしようよ!ね、とっても良いと思うよ!(おしるこは絶対やだ…)」

花陽が穂乃果を持ち上げるように言った。ことりも続く。

「うん私もPrintempsがいい。それ以外にはありえないよ穂乃果ちゃん!さすが穂乃果ちゃんだね! (おしるこは無理…しかも本物って…)」

心の声を押し殺し、自虐的な穂乃果を必死にフォローする2人だった。

心のそこからおしるこガールズは嫌な2人に、半分涙目になっている穂乃果はつぶやく。

「ほんと…? Printempsでいいの?」

「うん! Printemps最高だよ!穂乃果ちゃんのセンスはさすがです!」

花陽が全力で穂乃果を称える。それにことりも加わる。

「うん最高だよ! Printempsで決まりだね。穂乃果ちゃんのおかげで素敵なユニット名になったね!」

穂乃果は時に、こういう状況になると、その後何を言ってもきかなくなってしまうことがたまにあるのだ。

それを知っている2人は必死でフォローしたのであった。

どうやらそれが功を奏し、穂乃果は機嫌を取り戻したらしい。

「うん…じゃぁ今日から私たちはPrintempsだよ」

いつもに比べるとやや元気はないが穂乃果も納得した様子で言った。

しばらくしてPrintempsは誕生したのだった。

そして翌日の放課後、穂乃果、ことり花陽は音楽室にいた。

目の前にいる小柄な少女に穂乃果が言う。

「と言うことでこのメンバーでPrintempsとして活動することになりました。愛乃ちゃんもよろしくね!」

穂乃果の言葉に満面の笑みで愛乃を返す。

「はい、皆さんよろしくお願いしますね!」

三森綾乃…やはり彼女はとびきりの美少女であった。

続く

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