川原 礫(著)
これは記憶…
もう二度と戻れない懐かしいあの日の記憶である…
キリトはダイシーカフェにて、GGOの次回バレット・オブ・バレッツについての打ち合わせをしていた。
その際にラースと言う会社の制作したソウル・トランスレーター(STL)と言う機械を使用してフルダイブのアルバイトをしていたことをアスナとシノンに告げる。
それは脳細胞を1つの量子コンピューターと仮定し、そのメモリである光子の集合体、人間の魂と言えるかもしれないものをフラクトライトと名付け、それを翻訳するものだった。
その世界は仮想世界とわからないぐらいのもので、しかもダイブ中の記憶が残らないと言うものだった。
その後カフェを後にし、キリトはアスナを送っていくが、その途中に何者かに襲撃され意識を失うてしまう。
キリトが次に目を覚ました時はどこだかわからない場所だった。
森の中でファンタジー風の服装に身を包んでおり、しばらくしてここが現実世界ではなく仮想世界だと気づく。
だがログアウトも何もできない…
キリトはここがソウル・トランスレーターのアンダーワールド、自身のフラクトライトに書き込まれた人工の夢かもしれないと思い至る。
無料をさまよっていると、キリトはユージオという少年と出会う。
その少年はNPCであるはずなのに、感情から反応まで全く人間と変わらなかった。
ギガスシダーいう巨木を倒すために幹を刻み続けるユージオと親交深めていくキリトだが、次第にある記憶がよみがえってくる。
それは子供の頃の自分とユージオ、そしてアリスと言う少女の記憶であった…
SAO第9弾。
アリシゼーション編スタートである。
物語の序盤はいきなり子供の頃のキルト、ユージオ、アリスの話で始まるので何が起こってるのかが分かりづらいが、その疑問は読み進めればきちんと収束するのでご安心を。
高速ではファンタジー要素に加え新たにSTL、フラクトライトといった要素が登場し、今までのSAOとは違う新たな世界観で楽しませてくれる。
そこはやはり作者の筆力があってのことだろう。
今まで以上にVR MMOと言う世界の物語に引き込まれる作品である。