その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑥(104)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑥(104)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑥(104)
image
ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

とは言え、大学ライブに向けて視界は良好になってきた。

BiBiの出演も決まっており、全員の意気は上がっている。

そこに穂乃果がぼそっとつぶやいた。

「でさぁ…曲はどうするの…?」 

その言葉に全員が一瞬口をつぐみ、その後、穂乃果を除く8人が口を揃えて言った。

「忘れてた!」練習場所が確保できたのと、大学ライブの出演順等を知り、気分はすっかり本番モードとなっており、大事なことを失念していた。

そもそも楽曲も決まっていなかったのだ。

話が半分元に戻るかと思われたその時だった。

花陽が動き出し何やらゴソゴソと1枚の大きな紙を取り出し、ホワイトボードへと貼り付ける。

「ジャジャジャジャーン!」

大した意味はないが自慢げに効果音と共に張り出された紙には、まるでこの展開がわかっていたかのように“大学ライブセットリストby花陽(さすが頼りになる部長!)“と書かれていた。

「ふっふっふっ…見るがよい皆の衆!」

花陽、キャラ編スタート。

セトリを見て一同が揃って声を上げる。

凛が言う。「さすがかよちん、すごいにゃー!」

「ふっ…当然でしょう」にこも言う。

「やるわね花陽!」

「格の違いと言うやつです」

さらに真姫も花陽をほめたたえる。

「さすが部長、グッジョブ花陽!」

気を良くした花陽は両手を腰に当て、堂々とした態度で高らかに笑う。

「はっはっはっー!平伏するがよい皆のもの!」

海未が釘を刺す。

「ちょっと調子に乗りすぎですね…」

花陽が考えたセトリは以下のようなものであった。

1.KiRa-KiRa Sensation!
2.START:DASH!!
3.ユメノトビラ
4.No brand girls
5.夏色えがおで1,2,Jump!
6.Angelic Angel (*各学年ごと、曲の合間にMCを入れる)

花陽は修学旅行前にセトリを考えていたのだ。

部長としてよく考えたのが伝わってくる気持ちのこもった文字だった。

冷静に戻った花陽が言う。

「部長として一応考えておいたのよ。

新曲はドーム大会でやるから選考から外して、今までの曲で考えてみたんだ。

ラブライブで優勝を果たしたキラセンからスタートして、μ‘sのデビュー曲であるスタダ、東京予選で最終予選進出を決めた曲のユメトビと続いて、夏にぴったりの盛り上がる2曲を挟み、μ‘sで1番有名な曲の1つであるエンエンでフィニッシュ!って感じで。 個

人的には決勝大会進出を決めたスノハレも入れたかったけど、スノハレは冬の曲ってイメージが強いから外したんだ。

後は曲の合間に各学年ごとにMCを挟んで…どうかなあこのセトリで」

花陽の説明に全員がうなずいていた。

代表するように穂乃果が言う。

「すごい!完璧だよ花陽ちゃん!これぞμ‘sって言う感じで、これなら盛り上がること間違いなしだね!」

興奮気味に穂乃果は花陽を称える。

花陽の考えたセトリはμ‘sの1年間を凝縮したかのようなものであった。

どの曲をとっても思い出深い、想い入れのある曲だろう。

そこへ真姫がみんなに声をかける。

「じゃぁ花陽考案のセトリに賛成の人?」 

もちろん反対する者はいない。

9人全員が同時に手を上げた。

「オッケー、これで決まりだね」真姫が言った。

それに呼応するように希も続く。

「うん、これで決まりやね。よかったよかった」

そこにことりが小首をかしげて言う。

「でもこれ… 30分の持ち時間で終わるかなぁ…?」 

確かにことりの言う通りである。

1曲4~ 5分と考えて、6曲で既に30分弱、それに加えてMCを何回か挟むとして…とても30分で終わるわけがない。

ことりの疑念に応えるようにセトリを考えた花陽が言う。

「…多分…というか絶対無理だと思う…これ考えたとき、持ち時間30分て知らなかったし」

「そうよね、これ普通に考えて、いいとこを40分から50分。

MCの長さによっては下手すると1時間コースよね。

まぁ多少は押しても大丈夫でしょう。絵里と希が何とかしてくれるわよ」

無責任なことを言うのはにこである。

苦笑しながら絵里が言う。

「まぁうちの大学でのライブだから何とかなるとは思うけど…とりあえずツバサには事前に伝えておくよ」

「ようし、曲も決まったし、早速屋上に行って練習しよう!」

穂乃果が意気揚々と声を上げる。

それに続くように凛も声を上げる。

「やる気出てきたぞー、やるにゃー!」

さらににこも続く。

「みんな私の足を引っ張らないようにしっかりついてきなさいよー!」

そんな3人を見て聞こえない位の声で真姫がつぶやく。

「μ‘sの3バカは健在ね…」

とにかくスクールアイドル部の部室はμ‘s 9人の活気で満ち溢れていた。

「あと、練習後に全員で協力して衣装も仕上げちゃいましょう」

「みんなお手伝いよろしくね!」

海未とことりが言った。そして締めくくるように花陽が言う。

「μ‘s、ラストスパートだよ、最後まで全力で楽しもうね。よーし、屋上に行って練習だ!」

花陽の言葉に全員が”おう”と声を揃えて言った。

大学ライブを目前に控えたμ‘s。

問題も多かったがようやくのこと全てが整い、なんとか間に合いそうである。

穂乃果たち3人だと全然決められなかったことも、9人揃うとあっという間に全て決まってしまった。

やはりμ‘s 9人の結束力、団結力はすごかった。

9人いると全然違う。

μ‘sは9人いてこそのμ‘sなのである。

μ‘sのフィナーレ向け、確実に時は近づいている。

μ‘sの9人は今日、再び思いを1つにしたのであった。

 

それより1ヵ月ほど前のこと。ラブライブオフィシャルホームページにはアキバドーム大会二組目のゲストとして正式にμ‘sの参加を発表していた。

今ではアキバの街は再びμ‘sで盛り上がり、アイドル雑誌等も一斉にμ‘s復活の特集を組んでいた。

1ヵ月後に控えたラブライブアキバドーム大会に向け、それぞれが大きな賑わいを見せていた。

続く

SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室