鴨志田 一 (著)
咲太の前に現れた初恋の相手、牧之原翔子。
名前も同じ顔立ちも同じなのに、彼女は中学1年生になっていた。
本来なら大学生になっているはずなのに...
様々な推測をするが疑問の答えはでない。
やはり考えられるとすれば思春期症候群の影響による可能性である。
咲太は友人の双葉理央に相談をする。
待ち合わせ場所へ行くが、理央はいないかと思いきや、髪型が違いメガネではない理央がそこにいた。
特に気にする事なく過ごす咲太だったが、その後強い違和感に襲われた。
理央と電話で通話中、咲太の目の前に理央がいたのだ。
そう、理央は2人になっていたのである。
片方の理央はドッペルゲンガーが避けるため、もう一人の理央を避けて家出をしていたのだ。
咲太は理央を自宅に匿う事になるが、そんな状況を麻衣が放っておくわけもなく、咲太と理央と麻衣による3人での同棲生活が始まってしまう。
理央の抱える悩み、思春期症候群を解消するため、咲太は動きだす。
ブタ野郎シリーズ第3弾。
今作は咲田の友人、理央がメインである。
ほとんど人付き合いをしない理央、それは家庭環境や学校での環境が関わっており、理央は自分の事が嫌いという。
読んでいてすごい共感できる部分も多い。
今までになかったものを手に入れて、それを失うと考えた時の不安や恐さ、それはまさに人間らしい感情そのものだろう。
青春ラブコメだが、面白いだけでなく、感動するし、共感もできる。
麻衣との関係、翔子の存在も気になり、次巻以降もとても楽しみである。