その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて③(101)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて③(101)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて③(101)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

「ただいま」ファストフード店を後にし、帰宅した穂乃果に続き、海未とことりは穂むらへと入る。

3人を出迎えるのは雪穂だった。

ちなみに高坂家、店舗側の入り口とは別に、ちゃんと玄関があるのだが、大抵の場合、穂乃果は店舗側の入り口から手入りしている。

「あ、すいません。今日はもう営業時間終わってまして」出迎えた雪穂がそっけなく言った。

「そうですか…ってコラ!お姉ちゃんだよ!」

「海未さんことりさんいらっしゃい。どうぞ上がってください」

「無視するな雪穂!ねー、お母さんは?」

「うるさいなぁもう。お母さんは夕飯の準備してるよ」

すると、雪穂の後にはRay-OGのメンバーである亜里沙とリオがいた。

2人は先輩の3人に対し、ぺこっとお辞儀をしている。

「あれ、Ray-OGも打ち合わせ?」

「うんそうだよー。最終予選も近いからね」

「あー、そっか。もう最終予選か。頑張ってね3人とも。音乃木坂のスクールアイドル部として全力で応援してるからね。あと雪穂、お母さんにお茶菓子お願いって伝えておいて」

「はいはい、また太っても知らないからね。それとありがとね」

その言葉は素直なものだろう。

姉とは言え、μ‘sとして大活躍した人に応援されていると言うのは心強いものであった。

Ray-OGの3人は1階の居間で打ち合わせをしているため、3人はそのまま雪穂の部屋へと向かった。

最終予選に向けて頑張っている後輩の姿は、3人にとって嬉しくあり、そして刺激を受けるものだった。

「雪穂ちゃんたち頑張ってるね。Ray-OGは人気もすごい出てきたし」ことりが言った。

「そうですね。先週の学園祭ライブの動画も、Ray-OGの再生回数はすごいことになってますもんね」

海未の言葉に穂乃果が反応する。

「ねー海未ちゃん、学園祭ライブの動画って何?」

「あれ、穂乃果ちゃん知らないの?この前の学園祭ライブ、花陽ちゃんが映像部にお願いして撮影してもらってたんだよ。

さらに全ユニットごとに編集までしてくれたバージョンもあって、もうネットにアップしてあるんだよ」ことりが説明する。

「えー…全然知らなかった…花陽ちゃん、なんで教えてくれなかったんだよ、もう!」

「穂乃果…ライブの最後に花陽は言ってたじゃないですか。ちゃんと聞いてない穂乃果が悪いでしょうに」

呆れ気味に言う海未。

「そうなの!?えっとそれは…ハハハ…花陽ちゃんごめん!ねぇねぇ動画見たい!見ようよー!」

本来穂乃果の家に集まったのはμ'sの打ち合わせのためだったが、動画の話題により、すっかり目的は変わってしまっていた。

PCを起動し、ネットで動画を検索する穂乃果。

動画は花陽によって学園祭フルバージョンと各ユニットごとによるものがアップされていた。

「うわぁ、どれも再生回数がすごい!特にBiBiとA– RISEのコラボは飛び抜けているね」

穂乃果が驚きと喜びの混じった声を上げる。

アイドルが好きな人にとって、BiBiとA– RISEのコラボは夢のようなものだろう。

当然のようにその再生回数はとんでもないことになっていた。

だがそれを言うならμ‘sicforeverも負けていない。

ことりが言う。「うんそうだね。でも私たちμ‘sicforeverも凄いし、Printempsも負けてないよ」と言ってPrintempsの動画を再生する。

確かにまだ知名度も何もないのに再生回数は伸びており、多くの人によって拡散されていた。

元μ‘sのメンバー3人による新ユニットと言うことであ、っという間に注目の存在となっていた。

また再生回数と同様にコメントの数もすごいことになっていた。

そのコメントを見て穂乃果はぼそっとつぶやく。

「ことりちゃんと花陽ちゃんはすごい人気だね…」

コメントには”ことりちゃんかわいい” ”ことりちゃんマジ天使すぎる” ”ことりのおやつにしてください”という、ことりに対するもの、そして”花陽ちんかわいい” ”花陽ちゃんの声に萌え” ”ご飯たけたよ”といった花陽に対するコメントが多く目立っていた。

それを見て少し凹むような口調で穂乃果は言った。

しかしすぐにことりがフォローする。

かつてユニット名を決める時もそうだったが、自虐的になった穂乃果は…少々めんどくさいのである。

「ね穂乃果ちゃん見て!ほのかちゃんにもたくさんコメントあるよ!」

ことりはスクロールし穂乃果へのコメントを見せる。

確かに2人に比べると多少、少ない感は否めないが、しっかりと穂乃果へのコメントも多数寄せられている。

その内容は元気と言うものが多かった。

そんなコメントを見て元気を取り戻す穂乃果だった。

「Printempsのライブ成功して良かったね。ことりちゃん!」

「うんそうだね。これからもたくさんライブしようね」

そんな2人を温かく見守っていた海未が言う。

「でもRay-OGはすごいですね。1年生とは思えないですよ。

これは決勝大会進出もかなり期待できそうですね」

「うん、あの3人ならやれるよ。本人たちもそのつもりだろうし」

後輩、そして妹の活躍が嬉しい穂乃果が言った。

「そうですね。ではそろそろ私たちもがんばりますか」

海未が笑顔で言うと、答えるようにことりが続く。

「うん、遅くなったけど本題に入ろうか」

ようやくの事、3人は7月の大学ライブに向けての打ち合わせを始める。

μ‘sとして出演するライブが被っている。

今決めなくてはいけないことが多々あったのである。

一方で1階の居間ではRay-OGの3人が打ち合わせを続けていた。

「今週が正念場だよ!」強い口調で言うのは梨緒だ。

「そうだね。学園祭ライブ動画のおかげで、私たちも一気にアピールできたけど、新曲のPVも間に合わせたいよねー」

亜里沙が言った。

そして雪穂も続く。

「もちろん!今残っているユニットは、昨年もエントリーしていたユニットばかりだからね。

でも絶対に負けないよ!私たちはアキバドームに行くんだから!」

最終予選に向けて気持ちが昂っている3人。

確かに端から見たら、どのユニットもみんなRay-OGより実績、経験もあって格上であろう。

だが3人にとってそんなことは関係ない。

今自分たちができることを全力でやるだけ…

確実に音乃木坂のスクールアイドルとして、μ‘sの意思を受け継いでいた。

そんな3人をこっそり見て、笑顔を浮かべる穂乃果だった。

「雪穂、ファイトだよ」小声でつぶやき、部屋に戻る穂乃果であった。

続く

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