オースン・スコット・カード 著 中原尚哉 (翻訳)
エンダーのゲームの続編となる今作では、大人になったエンダーこと、死者の代弁者となったアンドルー(エンダー)・ウィッギンのその後を描いた物語である。
舞台は昆虫型生命体バガーとの戦争から、3000年後の世界。
人類は多くの星々を植民地として移住しており、その数は百世界にもなっていた。
その惑星の中の一つ、ルシタニア星ではバガー以降、人類以外の生命体、ピギー族が発見されていた。
ピギー族はとても賢く人類の言葉もすぐに習得してしまうほどであった。
ルシタニア星に住む異類学者ピポは、長年にわたりピギー族と限られた中でコミュニケーションを図り、研究を続けていた。
だがある日のこと、ピポはピギー族によって殺害されてしまうのであった。
ピポを父のように慕っていたノビーニャは彼の死後、真実を求めて死者の代弁者エンダーへ依頼を送ったのだった。
その頃エンダーは、姉とともにトロンハイム星で暮らしていた。
恒星間旅行を繰り返して、多くの星を移動してきた2人は、3000年前の人間でありながら30代半ばの姿であった。
窩巣女王を蘇らせるために代弁者となって、数々の星を旅してきたエンダー。
しかし適した環境の星を見つけることができずにいた時に、エンダーの元に届いたルシタニア星からの代弁の依頼。
ルシタニア星の環境でなら 窩巣女王を蘇らせることができるかもしれない。
エンダーはルシタニア星へ旅立つ決意をする。
しかし姉のバレンタインは、この星で結婚しており、おなかの中には赤ちゃんがいた。
そんな姉を供に連れて行くわけにはいかなかった。
誰よりも愛し長く一緒にいた姉を残して旅立つエンダー。
そしてルシタニア星で明かされていく様々な真実。
戦うことしか求められなかった少年エンダーが、大人になり、そして聖人のごとく真実を語る代弁者としての姿。
外来の生命体ピギー族、ルシタニア星に住む人類の模写等、幼年期のエンダーの物語とはまた違った読み応えのある内容になっている。
エンダーのゲームの最終話、死者の代弁者が、そのまま今作のタイトルになっており、二作続けて読むのがオススメである。