さらに大きく動き出す

ハンガー・ゲーム2


ハンガー・ゲーム2

スーザン・コリンズ著  河井直子訳

image
スーザン・コリンズ 著

 河井直子訳

第74回ハンガー・ゲームで生き残り、ゲーム史上初の2人の優勝者となったカットニスとピーター 。

その2人がゲームの最後に取った行動が大きな波紋を起こしていた。

各地域で反乱の分子が広がりつつあったのである。

そして優勝者恒例の凱旋ツアーが始まる。

カットニスとピーターは恋人として各地へ赴くことに。

だが、その前にカットニスの前にはパネムを治めるスノー大統領がやってきて、反乱を抑圧するために取引を持ち掛けるのだが、反乱は起きてしまう。

カットニスは大切な人を守るため、12地区を脱出する計画を立てるが、失敗に終わってしまう。

そして大統領から恐ろしい発表がされる。25年ごとに行われるハンガー・ゲーム記念大会、翌年の第75回大会は特別ルールが適用され、歴代の優勝者から各地区の代表者を選出するというものであった。

12地区の女性優勝者はカットニス1人のみ...つまり強制的にハンガーゲームの舞台に戻る事になってしまうのだった。

こうしてカットニスとピーターは再びゲームに身を投じる事に。

そんな中でカットニスは心に決めている事があった。

自分の命に代えてもピーターを守ると...歴代の強者との闘いが始まろうとしていた。

1巻では妹を守るために、そしてこの2巻ではピーターを守るために戦いの舞台へと立つカットニス。

そんな彼女は反逆の象徴となっている。

とはいってもこの時点では本人はそれを知るすべはなく、結局、残酷な争いをせざるを得ないのが現実であった。

だが周りの人間は、カットニスのために動いており、それらが終盤で明かされ、次巻へと続いていく。

生き残るために、大切な人のために戦うカットニスの姿が、実にたくましく読んでいてハラハラする事間違いない作品だ。

SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室