江波光則(著)
神座市の御三家の一つ、南雲家の南雲蓮を陥れた長谷川黒曜はフリドスキャルブの社長へ就任した。
その会社は神座市に精通しており、目的のための第1歩だった。
黒曜の宝探しはまだ続いており、復讐も仇討ちも、その過程に過ぎない。
一方で殺し屋の鏑木を病院送りにした白夜の元には様々な人間が集まり始めていた。
無明拳の師匠である司時貞と共に神座から来たのは、白夜の元カノである久遠鳴海だった。
白夜に詰め寄る鳴海もまた、神座で知らぬものはいないぐらいの実力者であり、かつては将来を有望視された柔道家だったのだ。
その白夜は黒曜の指示により建築現場に赴き、南雲蓮が隠した財産を探す事に。
その財産は薬物によって得た金で表に出ない金であり、隠し場所を知った黒曜の命令により出向いたのだった。
だがそこで待っていたのは実弾の散弾銃で襲ってくる男たちだった。
辛くも退ける白夜だったが、更に白夜の前に現れたのは神座最強の男であった。
他にも次々と現れるつわもの達、そこには神座の御三家を脅かすほどの力を持った第四の勢力があった。
果たして神座の権力の行方、そして家族を殺された白夜と、その犯人とは...
シリーズ第2弾。
今作も、とにかく強い人間ばかりが登場する。
師匠、元カノ、神座最強の男、その最強を倒した格闘家、etc...
無明拳の使い手で白夜も強いのだが、今回はやられているところが多い。
だが命がかかったような戦いの最中であっても、卑猥な妄想をしていたりと、しっとりと笑わせてくれる。
今作では白夜の高校時代(家族が殺されるまで)の模写が分かりやすく書かれており、なぜ今こうなったのかという部分をしっかりと補完してくれている。
死んでしまった白夜の妹のシーンは実に切なく、青春ラノベかと思ったくらいだ。
しかしこの作品は暴力や権力、金や闇の存在が跋扈するダークノベルである。