鴨志田 一(著)
クリスマスを終えて冬休みを迎えたさくら荘。
だが早々に大きな問題が生じる。
冬休み期間中、さくら荘の監督教師である千石千尋が不在のため、住民全員にさくら荘を出るようにという命令が下されたのである。
そのため渋々であるが、空太は福岡にある実家に帰省する事となる。
だが、帰省は一人ではなかった。
行くあてのないましろと七海、美咲の三人を空太が預かる事になり、女子三人を連れての、とんでもない帰省となってしまう。
実家に戻って空太を待っていたのは、ブラコンである妹の優子だった。
空太争奪をかけてましろに対抗心を抱いており、実家に戻ってもさくら荘と変わらない、騒がしい日々であった。
しかし、一つだけ違う事があった。
それは仁との関係がこじれたままの美咲であり、ずっと元気がない。
年が明ければ早々に空太のゲーム企画のプレゼンがあり、仁の大学受験に七海のオーディションもある。
妹の優子は空太と同じ学校を受験する事になり...
3学期、それぞれが進むべき道に向けて動いていく。
だが、やはりそこはさくら荘。 ただでは済まない、あわただしい日々であった。
さくら荘第5弾。
いよいろ卒業が迫った美咲と仁の微妙な関係も前進し、ほっと一息かと思いきや、またそれ以上に大きな問題が待ち受けている。
今作では空太の成長がよく窺える。
プレゼンにも成功し、確実に自分の夢へと前進している。
また何かにつけて嫉妬しているましろの姿がとてもかわいい。
ましろは自分が普通ではない事を自覚している。
その中で必死に空太の側にいたいという素直な想いがよく伝わってくる。
果たしてさくら荘がどうなるのか次巻以降もまた楽しみである。