その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010君の名は②65


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010君の名は②65

音乃木坂図書室 司書

一次予選突破の喜びの余韻が部屋に残る中、花陽がみんなに告げる。

「はい、それじゃあ全体の打ち合わせはこれで終わりね。2・3年生だけそのまま残ってもらえるかな」

部長の言葉を受けて1年生は各練習へと向かう。

スクールアイドル部は基本的に全体としての練習は行っておらず、すべてそれぞれのユニットや個人にて練習を行っている。

歩全体の打ち合わせ等がある場合にだけ、今日みたいに全員が部室に集合するのである。

一年生が部室からいなくなり6人だけになったところで穂乃果は椅子にふんぞりかえっていた。

「だァー、やっと広くなったよ、あぁ、う~ん」イスに背中を預け、足を机の上に乗せて、思い切りだらしのない格好で伸びをする穂乃果。

とてもじゃないが人気アイドルとは思えない姿に海未が激怒する。

「穂乃果!なんですかその格好は!だらしないにもほどがありますよ。

行儀が悪すぎです。あなたは何を考えているのですか」

その瞬間、真姫はきっと食べ物のことを考えているんだろうなと思っていた。

「あぁ、いいじゃん別に誰も見てないし」その瞬間、凛はパンツ見えてるしと思っていた。

「そういう問題じゃないでしょうが。いい加減にしてください!」

2人のやりとりを他の4人は止めようともしない。

以前であればことりが宥めるのが常であったのだが、どうやら最近は少しめんどくさくなってきた様子である。

その2人に構うことなくことりは他の3人へと話しかける。

「それにしても1年生が、2ユニットも40チームの枠に残るなんて凄いよね。びっくりしちゃったよ」

「そうね。1年生のエントリー動画見たけど、みんなクオリティーが高いわよね。特にRay-OGの3人は期待できるかも」真姫が言った。

そこに凛も言う。「そうだね。ダンスも一年生とは思えないレベルだし、さすが今年の1年生は大体が音楽やダンスの経験があるだけあるにゃー」 「アフビ(アフロディーテビーナスの略)もいいもの持ってるよね。

あの双子姉妹のセンスも良いし」と言うのは花陽だ。

μ‘sの元メンバーである彼女たちも認める位、一年生のポテンシャルは高いものであった。

そんな子たちが音乃木坂に入学して、こうしてスクールアイドルとして活動している。

それを考えると、改めてμ‘sとして一年間やってきて本当に良かったと皆が思っていた。

そこに海未と言い争っていた、英玲奈、途中から一方的に説教されていた穂乃果が割って入ってきた。

「ねぇ、Ray-OGってどういう意味なのかな?」 

「笑、えっと、穂乃果ってば雪穂から何も聞いてないの?全くあなたたち姉妹といったらもう…」

真姫が少々呆れ気味に言った。

高坂姉妹、決して仲は悪くない。むしろ仲は良い方だろう。

だが、そういう話をしていないのは、いかにも高坂姉妹らしくもある。

そこへことりが説明をする。

「穂乃果ちゃん、Ray-OGと言うのはね。メンバー3人の名前の頭文字でRay、梨緒のRに亜里沙のA、雪穂のYでRayだよ。

OGは音乃木坂のOにガールズのGでOG、それを合わせてRay-OGなんだって。わかった穂乃果ちゃん?」 

「へぇー、なるほどね、なんだかずいぶんとかっこいい名前だよね。
雪穂のくせになまいきだな…多分雪穂と亜里沙ちゃんじゃ思いつかないような名前だから、きっと梨緒ちゃんが考えたんだろうね」

「あら、穂乃果にしては鋭いじゃないの。そうよ、梨緒が考えたんだって」真姫が言った。

さらに穂乃果が続ける。

「やっぱりそうか。てゆうか名前変えないでそのままおしるこガールズでよかったのに。うん…?ちょっと待って… Ray-OGのOGっておしるこガールズじゃん疑問!」くだらないことを言う穂乃果に対し凛が反応する。

「あぁ本当にあぁ!おしるこガールズと音乃木坂ガールズってどっちもOGにゃー。もしかして狙ったのかな…」

「うーん、どうだろうねぇ…もしかしたら亜里沙ちゃんが駄々をこねた可能性もあるよね。相当おしるこが気に言ってたから」

穂乃果のその言葉には全員が駄々をこねる亜里沙の姿を想像し、うなずく。

新1年生として入学してきた亜里沙。

以前から絵里の妹としてμ‘sのメンバーとは知った中ではあったが、後輩として距離が近づいたことで、その不思議な感性を知ることになったのである。

つまり、何を言っているのかわからないと言うことが多々あるのだ。

それはさておき海未が言う。

「でもあの1年生の梨緒って子はすごいですよね。作詞作曲ができて、ダンスも上手ですし、例えるなら真姫と絵里を足したような子ですよね」

それを聞いた凛がおののくように言う。

「そ、それは最強だにゃ…いろいろな意味で…」

「ねー凛、いろいろな意味でってどういうことよ!」それを聞いた真姫がつっかかる。

だが他のメンバーは頭の中で真姫と絵里を足した姿を思い浮かべていた。

絵里の天然で基本優しいけど、怒ると素で怖い性格に、真姫のクールだけど、めんどくさい性格が1つになると考えると…
凛の言う通りいろいろな意味で最強であり、最恐であること間違いない。

「何でもないや…気にしないで真姫ちゃん」

「何よそれ…まぁいいけど。でも私もあの子がピアノ弾いているところ見たことあるけど、確かにいいセンスはしてたわね。私にはまだまだ及ばないけど」

勝ち誇ったような態度の真姫であるが確かにそれは真姫の言う通りかもしれない。

真姫に勝てる人などそうはいないだろう。

そもそも真姫は医大進学を考えてなければ、間違いなく音大へ進んでいたであろ、う才能と実力の持ち主なのだから。

「ねぇ、そんなことよりそろそろ本題に移っていいかなぁ」いつまでもおしゃべりが続きそうな雰囲気にしびれを切らした花陽が言った。

しかし真姫が反論する。「そんなことって何よ花陽」

「もう…真姫ちゃんいちいち突っ込まないでよ…全然話が進まないじゃん…
と言うことで2・3年生に残ってもらったのは、6月の学園祭でのライブについてとμ‘sについての打ち合わせをしたいからだよ」

真姫ちゃんめんどくさいと心の中で思いつつも、我慢して話を進める花陽。

まぁいつものことである。

学校により時期は違うが、音乃木坂の学園祭は6月に行われるのだ。

音乃木坂では3大イベントとして6月の学園祭、10月の体育祭、1月の球技大会がある。

そして今年もスクールアイドル部として6月の学園祭でライブをやることになっていたのであった。

続く

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