河野 裕 (著)
咲良田は貴方を捕らえて離さない。
今の世界に戻れなくなる。
少年に告げたその女性は魔女だったー浅井ケイが4年前の事だ。
不思議な能力者が多数いる咲良田。
記憶保持能力を持つケイは管理局によって監視されていた。
ある日、ケイの元に老人から会いたいという電話があった。
その理由はマクガフィンであった。
マクガフィンとは咲良田中の能力を支配できると言われている石であり、ケイが所持していた。
だが、本当にそれはただの石でしかなかった。
老人は写真の中に入る能力を持つ。
しかしその力はケイの後輩である少女によって封じられていた。
その翌日ケイは魔女に会う。その女性は30年近く隔離されていた。
未来が見える能力が故に...
そして自身の能力により魔女は自分の死期が間もなく訪れるのを知っていた。
老人は魔女と昔交わした約束を果たすため、ケイと共に魔女の救出を実行するのであった...
サクラダリセット第2弾。
この作品の登場人物は感情の起伏もあまりなく、坦々とした会話が続くイメージだが、実はすごい人間らしさを描いているように思う。
ストーリーも明るく前向きに思える結末だし、今回も30年越しの再開は切なさと共に優しい終わり方だろう。
そして野良猫のような少女が生き返るかもしれないという伏線もあり、次巻へまた期待できるものである。