古宮 九時(著)
絶大な力を誇る5人の魔女。
今を魔女の時代と人々は呼ぶ。
自身にかけられた呪いを解くため、ファルサス王太子のオスカーは青き月の魔女と言う別名を持つ、ティナーシャと一年間共に過ごすと言う契約を結ぶ。
だが、オスカーの一番の望みはティナーシャと結婚し、妻とすることだった。
その彼らのもとで新興国であるクスクルがらみの事件が発生する。
ティナーシャはクスクルから勧誘を受け、城下では殺人事件が起こる。
犯人はクスクルからの腕の立つ魔法士を歓迎すると言うのを受けての凶行だった。
クスクルに関する情報を、使い魔から得たティナーシャは苦渋する。
400年越しの出来事が、彼女を再び巻き込もうとしていた。
そんな中でタァイーリという国がクスクルに襲撃されたと言う報告が届く。
次第にティナーシャの様子がおかしくなっていき、彼女はオスカーにドラゴンを託し、自分のすべきことを忘れないようにと警告する。
その時、2人の目の前に男が転移してくる。
長くて白い髪をした男はティナーシャに対してアイティと呼び、迎えに来たと言う。
その男の名はラクナ。
かつて400年前に滅びたトゥルダールの次期王候補だった男で、現在のクスクルの王だった。
連れていかれるティナーシャを止めようとするオスカーだったが、その前に立ちはだかったのはティナーシャ自身だった。
ラクナの目的は大陸全土への侵攻であり、時を超えた戦争が今始まろうとしていた。
シリーズ第二弾。
今作ではティナーシャが魔女になった経緯、400年前の出来事等からの戦いが描かれており、魔法、精霊、神といったファンタジー要素満載の展開となっている。
日常の風景やオスカーとティナーシャの何気ない会話、恋の行方等もこの作品の楽しみの1つである。
2人の契約期間も残りわずかとなり、王と魔女の2人がどうなっていくのか、続きも目が離せない作品だ。