世界中で日本人ジェノサイドがあった

虚ろなるレガリア Corpse Reviver


虚ろなるレガリア Corpse Reviver

三雲 岳斗 (著), 深遊 (イラスト)

虚ろなるレガリア
三雲 岳斗 (著), 深遊 (イラスト)

日本人は死に絶えた世界に生き残ったヤヒロ。

日本人は死に絶えた。

はじまりは1つの隕石だった。

日本列島に落下し、壊滅的な被害をもたらしたが、悲劇はそれだけに留まらず、火山が活発化し、未曾有の大災害となった。

だが、それはただの始まりに過ぎなかった。

その直後に魍獣と呼ばれる異形の怪生物が大発生し、日本国民の半数以上が死亡する。

さらに追い打ちをかけるように、世界中の国々によって日本人への大殺戮、ジェノサイドが始まった。

そして日本人のほぼ全てが絶滅した。

しかし、その中で生き残った日本人もいた。

数少ない生き残りである鳴沢八尋(ヤヒロ)。

彼は魍獣が跋扈する東京23区で回収家として生計を立てていた。

日本は犯罪組織らに占領され、無法地帯となっていたが、ヤヒロは美術品等を運び出す仕事を行っている。

恐ろしい怪物が大量にいる23区で、17歳のヤヒロはなぜ生き残っているのか…。

ヤヒロはラザルスと呼ばれる不死者なのだ。

龍の血を浴び、不死の肉体を手にいれたのである。

そのヤヒロはある情報を耳にする。

とある民間軍事会社が回収家について調べていると。

ヤヒロの下に現れたのはギャルリー・ベリトと言う商社のジュリとロゼという名の少女達だった。

彼女たちはヤヒロに商品の回収を依頼する。

それはクシナダの回収。

クシナダとは魍獣の群れを統率するリーダーである。

その報酬は鳴沢珠依に関する情報だった。

珠依はヤヒロの妹であり、その正体は日本を滅ぼした龍であった。

隕石の落下ではなく、真実は妹の珠依の力によって日本は滅んだのである。

ヤヒロは妹を殺すために生き残ってきた。

ヤヒロはギャルリー・ベリトとともにクシナダを探すことになる。

しかしクシナダを狙うのは彼らだけではない。

異常な力を持ったものが立ちはだかるのであった…

この作品は龍をテーマにしたダークファンタジーだ。

物語の設定も好みで、キャラの造形も良く、荒廃した世界観にすぐ入り込んでしまった。

魍獣や異能を持つ者たちの戦闘シーンも迫力があり、そのシーンを頭の中で描くのも楽しい。

ヤヒロと彩葉の関係も絶妙で、とても面白い作品となっている。

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