その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑧(148)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑧(148)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑧(148)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

μ'sのライブが終わり、静まり返る会場。

まるで会場がμ'sのライブの余韻に浸っているかのようである。

だがまだこれで終わりではない。

もうまもなく第3回ラブライブの優勝チームの発表である。

「μ'sお疲れ様。もう少し待っててね」

ステージ裏で落ち着きを取り戻したμ'sの9人にそう声をかけたのはA– RISEのツバサである。

そしてそのままA– RISEの3人はステージへと向かった。

何の前触れもなく突然ステージに現れたA– RISEの3人に気づいた会場は、再び大きな歓声に包まれていた。

そんな会場に向けて、笑顔で手を振って答えるA– RISEの3人。

A– RISEはオープニングゲストの出演とともに、最後の表彰式の進行も任されていたのである。

「まもなく第3回ラブライブ、アキバドーム大会の集計結果が出ますので、もうしばらくお待ちくださいね」

あんじゅが会場に向けて行った。

そしておしゃべり大好きのツバサが喋りだす。

「みんな、μ'sのライブ楽しかったね!私も最高に楽しかった。でもμ'sはもう終わりなんだよねー。とっても残念。私たちA– RISEにとってもμ'sの存在は特別だったから。スクールアイドル時代にμ'sが現れて、この子たちすごいって言う思いと同時に負けたくないって思ったんだ。

そんなμ'sがいたからこそ、私たちA– RISEも成長できたんだと思う。

だからμ'sに私から言いたい事はありがとう、それとお疲れ様ってことかな。μ'sの残したものは本当に大きいと思う。きっとこの先もずっと語られる位に…

だから今はみんなも寂しいだろうけど、きっと今一番寂しいのはμ'sの9人んだから、せめて私たちはみんなで笑ってμ'sを送り出してあげようね。μ'sありがとうって…」

ツバサはμ'sへの想いを込めて会場へと言った。

そんなツバサの言葉に会場からは拍手とともにμ'sとA– RISEの名を呼ぶ声が上がる。

μ'sとA– RISE。ライバルであり、そして共に戦友と言っていい位の2つのスクールアイドル。

ラブライブの創世記を支えたと言っていいほどの存在。

ツバサの言葉はステージ裏にいたμ'sの9人へも届いていた。

A– RISEのツバサの言葉が9人にとってとても感慨深いものだった。

ステージでは引き続きA– RISEの3人のトークが行われている。

プロの大人気アイドルである彼女たち。

ライブではなく、遠くでも会場は大盛況であった。

そんな3人の元へ、ラブライブ運営スタッフが駆け寄り、大会の集計結果が手渡された。

スクリーンにも結果発表と大きく写し出されている。

「皆さん、大変お待たせしました。それでは発表します。第3回ラブライブアキバドーム大会を制したのは…エントリーナンバー20一番名古屋9人際女子大学附属高校Neo Universeの皆さんです!優勝しましたNeo Universeの皆さんはステージまでお願いします」

ツバサが表彰式を進行する。

今大会は下馬評通りの結果であった。

全体としてスクールアイドルのレベルが上がっている中でも今大会であったがやはり人気と実力通りの結果だったと言って良いだろう。

軒並み全体会から好成績を残していたチームが上位を占めていた。

ステージ裏ではμ'sの9人もモニター越しに表彰式を眺めていた。

そこへ元気を取り戻した凛が言った。

「ニコちゃん泣きすぎてひどい顔だね。メイクがボロボロで残念な雑巾みたいになってるにゃ」

悪態を吐くほどに、いつも通りに戻っている人。

それは凛だけではなかった。

「何言ってるのよ凛。にこちゃんが残念なのは今に始まったことじゃないでしょ。いつもの事よ」と言ったのは真姫である。

もう大丈夫だろう。もう涙はなく、全員が笑顔でいつもの9人に戻っている。

「あー、アンタラねー…言いたい放題言ってくれるんじゃないの!アンタラこそボロボロの顔のくせに、よく人のこと言えるわね!」にこの口からはそんな言葉が出てくる。

これがいつものμ'sで、この感じが居心地の良いいつもの9人なんだとみんな感じていた。

にこは凛と真姫をスルーして花陽に振った。

「それより花陽、やっぱり優勝はあの子たちだったわねぇ」

「うん、さすがにこちゃんだね。私もそう思ってたよ」

2人はアイドルに関しては師弟みたいなものである。

「と言う事は彼女たちは次の大会ではライバルってことやね」

希が言った。そう、次の大会ではμ'sicforeverとして出場するのだ。

つまりは今日、この舞台に立った多くのスクールアイドルはライバルなのである。

その言葉にことりと海未が反応する。

「あ…すっかり忘れてた。次は私たちも出場するんだった」

「私たちもあの舞台に立てるよう、また日々努力あるのみですね」

呑気な感じのことりと、気を引き締めるように言った海未。

またこれからもいつものμ'sらしい。

「それにしてもさぁ、真姫ちゃんて本当に泣き虫だよねぇ」と言ったのは穂乃果だ。

どうやら穂乃果はいつも真姫にいじられているため、逆に真姫をいじるネタができてうれしいらしい。

「うるさいわねぇ…穂乃果もさっき大号泣してたじゃないのよ」そう真姫が言うと、9人全員が声を出して笑いあう。

改めて仲の良さが分かる9人である。

そんな中、絵里が皆へ言った。

「ねぇみんな、もうそろそろ表彰式が終わるけど、ツバサが何か言いそうよ」

まるでそれはこの後ツバサが何かを言うのを知っているかのような白々しい物言いである。

全員がツバサの発言に耳を傾ける。

そして表彰式は終わり…

「それではこれをもちまして…」一旦ここで言葉を切るツバサ。じらすように会場を見渡して続ける。

「第3回ラブライブアキバドーム大会を…」

再びことばをきるツバサ。

会場中の視線がツバサに注がれる。

「まだ終わらせたくなーい!」

ツバサが叫ぶようにそう言った。その言葉に神するかのように会場から再び大歓声が浮気起こる。

「まだ終わらせたくないよね。最後にもう1曲ぐらいやりたい!やってもいいよねー?みんなの知っている曲を!みんなで歌ったあの曲を!」

ツバサの言葉を聞いて絵里がみんなの背中を押す。

「ほら、みんな行くよみんな行くわよ!」ステージ裏にいたμ'sの9人。

絵里は皆をアリーナ中央の島へと向かわせる。

少々強引な絵里に苦笑いの8人だったが、これがどういうことかはツバサの発言ですぐに理解していた。

ステージ上のツバサはさらに続ける。

「スクールアイドルみんなで歌ったSUNNY DAY SONGを!」

そのタイミングでμ'sの9人は中央ステージの下から登場する。

大きな歓声はμ'sの登場により絶叫のような感性となる。

少し照れたような仕草をしながらμ'sの9人は会場に向けて手を振る。

正面ステージにはA– RISEを始め、多くのスクールアイドルたちも集まっていた。

スクールアイドルのみんなでやった曲…おそらく今大会に出場しているスクールアイドルの中にも多くの参加者がいたであろうライブ…

スクールアイドルの全員で全てを準備して行ったスクールアイドルによる、通称サニソンライブ。

もちろんそのライブの中心はμ'sとA– RISEだった。

今再びμ'sとA– RISEを中心としてスクールアイドルと、そして大勢の観客、スタッフも含めてアキバドームが一体となってSunny day Songが歌われている。

そこにはもう勝ち負けなんてない。同じスクールアイドルとして全員が1つとなって歌って踊る。

ステージのA– RISEとスクールアイドル、アリーナ中央のμ'sの9人、たくさんの観客によるSUNNY DAY SONGの大合唱…

今ここにあるのは楽しいと言うこと。

それ以外なかった。アキバドームにいる全員が最高の笑顔であった。

続く

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