その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010 君の名は ③(66)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010 君の名は ③(66)

音乃木坂図書室 司書

ようやくのこと、部長の花陽によって本題へと入る6人。

毎度のことではあるが、話がそれてしまい、いつまでたっても最終目的地にたどりつかないと言うのは、この6人はよくあることである。

学園祭のライブの打ち合わせになり、ようやく全員真面目に打ち合わせを始める。

そこへ海未が口を開く。

「皆さんお待たせしました。その件についてですが重大発表があります。今まで学園祭での講堂の使用は、すべての部活動による抽選によるものでした。

しかしスクールアイドル部兼生徒会として他部との交渉を続けた結果、午後1時から3時の間をスクールアイドル部のライブで使わせてもらえることになりました!」

それは間違いなくμ‘sの存在、活躍があったからであろう。

誰もがμ‘sの音乃木坂に対する貢献には感謝しているし、それに誰もがμ‘sの後の6人によるユニットのライブを見たいと思っているのだ。

海未とことりによって、講堂の使用を希望しているすべての部を回り、丁寧にお願いをした結果でもある。

2年生の3人は拍手とともに驚きと喜びの声を上げている。

そして穂乃果も同様に…

「おぉー、すごいね!やったね、今年は2時間も講堂が使えるなんて!」

「ちょっと待って穂乃果。なんであなたがまるで今知ったかのように喜んでるわけ?

生徒会としてって今、海未が言ったじゃないの」
真姫が狐につままれたような顔で問い掛ける。

「私も今知ったんだよ!」
「はい…?」 

そこへ海未が説明する。

「穂乃果は何もしていませんよ。私とことりの2人で他の部にお願いしました。お願いした甲斐がありましたしね!」

それを聞いてため息まじりに真姫が言う。

「はぁー…海未、ことり、ありがとうね。全く穂乃果ってば… 2人が頑張っている間、生徒会長のあなたは何してたのよ…」

それにことりが答える。

「えーっとね、生徒会室でパン食べたり、お菓子食べたり、お昼寝したりかな」

慌てて穂乃果がことりを静止する。
「やめてことりちゃん、言わないで…」

もう手遅れである。ことりによって全て暴露されてしまった。

「食っちゃあ寝してたってことね…はぁー…穂乃果の自由さがうらやましいわね」

真姫の言う通りだろう。 生徒会長と言うのは名ばかりであって、本当に自由気ままな穂乃果である。

実質、海未とことりがその仕事の大半をこなしているのだ。

「でも2時間もあればかなり良いライブができそうだよね。海未ちゃんとことりちゃんに感謝だね。昨年はにこちゃんがくじ引きはずしててどうしようかって大変だったもんなぁ」

花陽が言った。

昨年は抽選の結果、行動が使えずに屋上でライブを行ったのであった。

雨が降り続く悪天候の中で、ライブを強行した結果体調を崩していた穂乃果がライブ中に倒れてしまうというアクシデントが起こり、途中で中止せざるをえなくなってしまった。

その結果、エントリーしていた第一回ラブライブ東京予選のエントリーも取り消すことになってしまい、穂乃果にとっては今でも苦い思い出であった。

それを考えても2時間も行動を使える事は大きかった。

天候のことを気にする必要もないし、今年は昨年と違い一年生による新しいユニットを含めて4ユニットもあるのだ。

スクールアイドルとして、これはとてもありがたいことであり、海未とことりの地道な行動のおかげである。

そんな中で、真姫が花陽の発したにこちゃんと言う言葉に反応し、何やら申し訳なさそうな顔で言う。

「ちょっとみんな…これ見てもらっていいかなぁ…ごめんね…」

真姫はスマホを見せながらなぜか謝っている。

そこにはにこからのメールが開かれていた。
“音乃木坂学園祭のライブにBiBiとして出演してあげるからしっかり枠押さえておきなさいよ。BiBiのリーダーのにこより“と言う内容であり、
はぁぁ...とため息を漏らす真姫だった。

「みんなごめんね。私がにこちゃんに軽く言ったら、すっかり本気にしちゃって…にこちゃんのバカ…」

「全然かまいませんよ。むしろBiBiが出演してくれるなら嬉しいですよ。ただ、このにこの上から目線が少し不愉快ですが…」海未が言った。

それに対し真姫が再び謝る。

「ごめんね海未。普通こういうのってこっちからオファーしてならわかるけど、逆オファーっていうかなんというか…すいません、うちのリーダーがお馬鹿で…」

真姫が謝ることはないですよ。それに、にこの馬鹿はみんな知ってますから」

そこへことりが言う。

「まぁまぁ、真姫ちゃん、気にしない気にしない。

いつものにこちゃんらしくていいんじゃない?じゃぁBiBiが出演ってことで、一年生の3ユニットに私たちのユニットで間後ユニットの出演だね」

それを聞いた凛も言う。

「そうだね。あとできるならμ‘sとしても出たいにゃぁ」「

うん確かに。μ‘sも出たら盛り上がるし、アキバドーム大会の前にμ‘sとしてライブやっておきたいね、でもそれは希ちゃんの予定次第だね」穂乃果が言った。

そして部長の花陽が言う。

「ねぇみんな、そろそろ真面目にユニット名決めないとまずくない?もうすぐ6月だし学園祭も近いし…」

4月の頭に6人として新しいユニットをやると決めて、すでに2ヶ月弱…いまだにユニット名は決まっていなかった。

実はその件についても何回か打ち合わせをしているが、これといった案もなく、
第3回ラブライブはμ‘sとしてゲスト出演することになったので、
新しいユニットとしてのエントリーはやめたと言うこともあり、
特に急ぐ必要もないからと言う理由で、決まらずに今に至るのである。

すでに曲も何曲か作っており、振り付けから衣装までもできていて、ライブはいつでもできる状態なのに、ユニット名がない…
なんとも彼女たちらしいと言えばらしいが、結局今でも新しい6人でのユニットと呼んでいた。

「あれ、私はてっきりだんご6姉妹かと思ってたよ」

少しふざけた口調でことりが言った。

「ことり、それはないわ…そういえば前に希にそんな話したら、希が考えてくれるって言ってたっけ。どうなったか希に相談してみようかな。

私たちじゃいつまでも決まりそうにないし…」

真姫の言葉に皆がうなずいている。

μ‘sの名づけ親の希が考えたユニット名なら誰も反対はしないだろう、と、まさにそんな会話をしていた時である。

部室の扉が勢い良く開いたかと思った次の瞬間、現れたのは希であった。

続く

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