その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑦(147)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑦(147)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑦(147)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

会場では大きなアンコールが鳴り響き続けていた。

μ'sのライブが終わり、会場には再び明かりが灯され、ライブ前と同様に軽やかなサウンドが流れている。

だが、そんなサウンドをかき消すかのように大きなアンコールの声。

するとそのSOUNDが止み、会場の照明が再度落とされ、ステージが鮮やかに照らされた。

それと同時にアンコールの声が大歓声へと変わる。

待ってましたと言わんばかりの大歓声とともに、会場中が9色のサイリウムの色彩で埋め尽くされて波のように揺れ動く。

「終わらないパーティー、始めよー!」

会場に響き渡った真姫の声。

さらに大きくなる歓声。

そして曲が流れ始めるのと同時に、9人が再びステージに現れた。

正面ステージには、にこ、希、ことり、海未、花陽、凛の6人が、アリーナ中央の下のステージには絵里、穂乃果、真姫の3人が登場し、
われんばかりの歓声の中、アンコールライブはスタートした。

MUSIC START/詞

μ'sの「Music S.T.A.R.T!!」歌詞1

μ'sの「Music S.T.A.R.T!!」歌詞

この曲は真姫をセンターに起用した曲であり、とてもμ'sらしく明るく楽しい曲で、つい一緒に踊ってしまいたくなるような曲である。

実際に会場と一体となれるような曲、と言うコンセプトで真姫は作曲しており、振り付けも簡単で、多くの人が曲を口ずさみながらμ'sとともに踊っていた。

μ'sの9人は入れ替わるようにポジションを変え、正面ステージ、中央ステージ渡し通路を行ったり来たりして、会場と1つとなりパフォーマンスを披露する。

この曲はPVの中でメンバーがパジャマ姿でじゃれあう姿がかわいいと評判となり、人気のある曲であった。

そしてさらに、そのまま第2回ラブライブにて優勝を飾った曲、kira-kira-Sensationへと続き、一気に2曲を披露した。

「皆さん、アンコールありがとうございます!みんなが応援してくれるから、μ's、また出て来ちゃいました!」

穂乃果が大きな声で言うと、それに応えるように大歓声が9人に注がれる。

「ずっとこうして続けていたいけど、あと2曲で最後です。まずは私たちμ'sの最初の曲を聴いてください」

穂乃果がそう言うと、会場にはSTART DASHが流れ始めた。

この曲はμ'sの最初の曲、穂乃果、海未、ことりの3人でμ'sをスタートした最初の曲である。

この曲があったからμ'sは9人となった。

いろいろな意味で大切な曲だった。

それはμ'sの9人にだけではなく、μ'sに関わった人全て、μ'sのファンの人すべてにとって大切な曲なのだ。

だがそれはこの曲だけではない。

多くの曲がμ'sにとって、さんにとって大切な曲だった。

すべての曲にその時の思い、その曲に対する思いが込められているのだから…

μ's最後の曲、僕たちは1つの光から始まったライブは、アンコールでμ's最初の曲へと続き、そして…

「皆さん、今日は本当にありがとうございました」

START DASHを終えて、穂乃果は会場へ向けて行った。

会場からはメンバーの名を呼ぶ声援が後を絶たない。

穂乃果は続ける。「楽しい時間っていうのはあっという間ですね。

楽しかったライブもあと1曲…私たちμ'sのライブは次の曲が最後となります」

すると会場からは惜しむ声が多数上がる。

この時間を終わらせたくない、もっとμ'sを見ていたい…

そんな思いの声である。

しかしずっと続けるわけにはいかない。

どんなものでも始まりがあって、終わりがある…

それは仕方のないことなのだ。

それは誰もがわかっている。

穂乃果は何度も会場へ向けてありがとうと言いながら頭を下げた。同じく他のメンバーも同様に…

気のせいか穂乃果の声が少し震えているかのように聞こえた。

きっと感情が高まっているのだろう。

次の曲でμ'sは本当に最後だから…

他のメンバーの目元も潤んでいる。

最後の曲を前に、μ'sのメンバーだけでなく、会場の多くの人も涙が出そうになっていた。

穂乃果は気持ちを抑えるかのように胸に手を当てて声を出した。

「それでは私たちμ's最後のライブの最後の曲になります。聞いてください。Love& peace

このLove & Peaceはμ'sの卒業とも言える曲である。本当ならこの曲がμ's最後の曲になるはずであった。

しかし再びμ'sをやることになって、僕たちは1つの光モメントリングと言う素晴らしい曲が生まれただからμ'sにとって最後の曲と言う意味ではこの曲がぴったりかもしれない。

この曲を聴いて会場の多くの人が涙を流している。

これほど、1つの曲で人の心を揺さぶる曲…美しくて切なくて哀愁漂う曲…

それだけμ'sのそして真姫の曲の良さと言うのは突出していた。

μ's最後の曲、そして本当に最後のライブ…

まだ曲の途中であるが、μ'sのメンバーも涙を隠せなかった。

泣くのはライブが終わってから…そう皆が心に決めていた。

しかし、今日のライブ開始とともに真姫が、それに釣られるように凛と花陽が涙を流した。

そして最後の曲となったLove & Peaceを歌いながら、他のメンバーも感情を抑えることができなかったのだろう。

我慢していたのが、一気に溢れ出たかのように涙を流していた。

大粒の涙を見せながら歌うにこ。

そのにこにもたれかかるようにして真姫は大号泣であった。

真姫にとってはもうまともに歌えない位だった。

凛と花陽、絵里と希、海未とことりもお互いを支え合うような形で歌いながら、涙が頬を伝っている。

しかしそんな中で唯一1人ただ1人、μ'sの海の親でありたいμ'sのリーダーである穂乃果だけは涙を流すことなく、最後まで笑顔で歌っていた。

最後の曲Love & Peaceを終えた9人。

会場からは温かい拍手が最後たたえる歌のように9人9人へと注がれている。

会場はμ's一色となっているが、第3回ラブライブの舞台である。

プロアイドルのA– RISEもゲストとして出演した。

だがそれを忘れたかのように、今この場で全ての人がμ'sに対して大きな三次を送っている。

そして名残を惜しむかのような歓声と拍手の嵐…

アキバドーム全体がμ'sでいっぱいであった。

そして穂乃果は満面の笑みで会場へ向けて言った。

「今までたくさんの応援をしてくれて、本当にありがとうございました!」

会場に向けて深々と礼をする穂乃果。それに反応するように8人もそれぞれ“ありがとうございました“と言って0をする。

そして最後に全員で手をつなぎ声を揃えて再度0をした。

「ありがとうございました!」

μ'sラストライブ…最高のフィナーレだろう。

誰もが楽しみ、そしてずっと心に残るようなライブであった。

μ'sはこれで活動に終止符を打つ。

しかしみんなの心の中からμ'sが消えることはない。これからも…これこの先もずっと…ステージ裏に戻ってくる人。

穂乃果の周りに8人が集まり、そのまま全員が穂乃果に抱きついた。全員がもう涙が止まらなかった。

穂乃果がいたから、穂乃果に出会えたからこそ私たちはこうしてここにいる…

全員が穂乃果に心から感謝していた。

みんなに囲まれて抱きつかれた穂乃果は満面の笑みで言った。

「μ's…最後までやりきったよ…みんなありがとう…」

ライブ中はずっと笑顔だった。最後まで穂乃果が穂乃果だけは笑顔だった。

でも…それを必死に耐えていただけなのだろう…

最後に穂乃果は皆にありがとうと言った。それと同時に大粒の涙が穂乃果の頬を伝った。

続く

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