9年間眠り続ける少女の夢の世界

片手の楽園 サクラダリセット5


片手の楽園 サクラダリセット5

河野 裕(著)

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河野 裕(著)

私を普通の女の子にできる?

相麻菫を再生させたケイ。

だがそれは未来視の能力を持つ相麻の思惑通りだった。

全ては相麻の計算によるものだったのだ。

彼女はケイの元へ、自身の再生に必要な人間をマクガフィンといういしを利用して集めていたのである。

そこには相麻の真の目的が隠されていた。

ケイは再生した相麻を能力の存在しない場所、つまり咲良田の外へ移住させることを画策する。

相麻をごく普通のありきたりな女の子にして、平穏な生活が送れるようにと...

そこでケイはその結果を調べるために管理局からの仕事を引き受ける。

ケイは春埼、野ノ尾と共に夢の世界へ入る事になる。

夢の世界を創造してしまう能力を持つ、9年間眠り続ける女性の能力内で検証するために。

夢の中ではケイはミチルという少女と青い鳥に出会う。

そしてその世界の中には神さまと呼ばれるチルチルという存在がいたのだ。

サクラダリセット第5弾。

今作ではチルチルミチルの青い鳥がモチーフになっている。

ストーリー終盤では、管理局の目的であったり、相麻の目的が明らかになりつつあり、作品全体の核心に迫る内容である。

能力を恐れている人間と、能力があるのが当然の世界で、能力によって人助けをしたいと思う人間が互いに能力のあり方を巡って対立していく。

それがどういう結果になるのかは次巻以降に続いていく。

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