その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013音乃木祭④89


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013音乃木祭④89

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013音乃木祭④89
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

1組目のスクールアイドルのライブを終え、会場は早くも次のユニットの登場を待ちわびている。

次のライブまでは転換、準備等のため数分空くのだが、会場ではシークレットゲストと銘打たれた次のユニット、Printempsとは一体何者なのかと言う話題で盛り上がっていた。

それもそうである。この時点でPrintempsを知るものは関係者のみであり、一切何の情報も発信していないので、観客でPrintempsを知る人は皆無であった。

そして準備が整い、穂乃果が声をかける。

「みんな、Printempsの初ライブだよ。準備はいい?」

ことり、花陽がうんと頷くが、やはり1年生の愛乃は緊張が見て取れる。

穂乃果はそんな愛乃の肩をぎゅっと抱き寄せて言う。

「だいじょぶだよ愛乃ちゃん。楽しんでいこう!」

その言葉と穂乃果の笑顔だけで充分だった。

愛乃は大きな声でハイと声を上げ、笑顔を返す。

「よーし、Printemps行っくぞー!」

穂乃果の声に、ことりと花陽、そして愛乃が一斉にステージへと向かう。

Printemps、初ライブスタートである。

〔13:20~タイムテーブル二組目〕

落とされていた照明がパッとステージを照らす。

同時に会場は大きな歓声が上がる。

正体不明のPrintempsと言うユニットに対する期待の大きさからであろう。

だが歓声はすぐに静まり、全員がステージへと注目する。

そこには1人の美少女が立っていた。

三森愛乃である。彼女を知るものはいない。

観客の皆が愛乃に視線を向ける。

そして愛乃は会場に向かって喋りだした。

「はじめまして、Printempsの三森愛乃といいます。私はスクールアイドル部で活動していますが、体が弱いので他の皆と一緒に踊ったりすることができません。

私はスクールアイドルとして活躍するのは諦めていました。でもそんな時、私の大好きな先輩が一緒にPrintempsをやろうって言ってくれました。

Printempsはスクールアイドルとして活動するわけではありません。

でも私にこうしてスクールアイドル部の一員として活動できるチャンスを先輩はくれました。

私はスクールアイドルが大好きです。音乃木坂のスクールアイドルが大好きです。

皆さんも私たちを見て、音乃木坂のスクールアイドルをもっと好きになってくれたらうれしいです。それではPrintempsの曲を聴いてください。『小夜啼鳥恋詩』」 」

愛乃はそう挨拶をし、会場に一礼をしてピアノに腰を下ろす。

愛乃は美しい音色を奏で始める。それと同時にステージにはふわふわしたかわいい衣装を身に纏った穂乃果、ことり、花陽の3人が登場し、ステージ中央にポジションを取る。

すると会場は大歓声に包まれた。

誰1人としてこの3人がPrintempsだと想像していなかったのだろう。

大きな声援に応えるように小さく手を振る3人。

そして穂乃果が歌いだす。

〔小夜啼鳥恋詩/詩〕
小夜啼鳥恋詩 歌詞

1曲めは美しいピアノのメロディーにのせてしっとりと歌い上げる曲だった。

穂乃果の歌唱力に、ことりと花陽の可愛い歌声がハーモニーを奏でて、愛乃のピアノと相俟ってとても美しい曲、そして優雅に舞うような振り付けに会場の誰もが釘付けとなっていた。

Printempsの存在をライブ前は誰も知らなかった。

彼女たちはあえて告知やPR動画といったものは出さなかったのだ。

だがライブが始まるや、昔から皆がPrintempsを知っていたかのような声援を送っていた。

だがそれも当然だろう、何といっても元μ‘sの3人によるユニットなのだから。

「皆さんこんにちは、Printempsでーす!」

1曲めを終えて3人は声を揃えていった。

さすが元μ‘sのメンバーである、MCも手慣れたものだ。

心からライブを楽しんでいるのがよくわかる。

「今回、私たち3人に愛乃ちゃんを加えて新しくユニットを始めました。Printempsていいます。プリンテンプスじゃないので呼び方は気をつけてね。前に読み方間違えて笑われた人がいるので…と言うことで私は高坂穂乃果です。元μ‘sやってたので知ってる人多いと思うけど、みんなよろしくね!」

穂乃果の挨拶に続いたのはことりだ。

「南ことりです。私は穂乃果ちゃんと一緒に生徒会をやってるんだけど、いつも穂乃果ちゃんの起こす問題を解決している名探偵ことりです。

真実はいつも1つだけ。みんなよろしくね」

ことりはμ‘s時代に一部のファンから天使のことりと呼ばれていた。

その呼び名のごとくかわいいことかわいい笑顔で見つめられたら男女問わずに見とれてしまうだろう。

「ちょっとことりちゃん、そんな挨拶しないでよー」と言ってことりに抱きつく穂乃果に会場からは大きな笑いが起こる。

「おお、よしよし、良い子ですねぇ、穂乃果ちゃん」

ことりは穂乃果の顔を撫で回す。

そんな2人をよそに花陽も自己紹介を始める。

「小泉花陽です。好きなものは白米でスクールアイドル部の部長をやってます。みんなこれからPrintempsの応援よろしくお願いしますね。ところでことりちゃんに穂乃果ちゃん、みんなの前でいちゃつかないでくれますか? それにことりちゃん、そんなどこかの江戸川さんみたいな名セリフ、ぶっこんで来ないでください!」

会場は笑いに包まれる。

特に面白いこと言ってるわけではないが、この何気ない会話のやりとりがμ‘sのファンからしたら嬉しいのである。

ステージ裏では絵里やにこ、ツバサたちも笑顔だった。

「ふふふ…さすがね。高坂さんの周囲を惹きつける力は」思わず言葉に出してしまうツバサ。

だがそれだけ穂乃果を中心としたμ‘sメンバーの影響力は大きいのだ。

「それでは次の曲聴いてください!」

穂乃果の掛け声とともに次の曲が流れだす。

〔Wow-Wow-Powerfulday/詩〕 Wow-Wow-Powerfulday

2曲目は1曲目とうってかわって、明るく楽しくふわっとした可愛らしい曲調だ。

一緒に踊りたくなってしまうようなこの曲に、会場もノリノリであった。

そして再びMCを挟み、計3曲をPrintempsは披露した。会場は大きな歓声がずっと続いている。

「どうもありがとうございました!」

最後に4人はステージに1列に並び手を取って会場に深々と頭を下げた。

こうしてPrintempsは初ライブを終えた。

ユニットをスタートしてまだ間もないが愛乃の作曲センスと、3人の圧巻のパフォーマンス最高のライブだっただろう。

「ことりちゃん花陽ちゃん愛乃ちゃんありがとう!」

ステージ裏に戻った穂乃果はそういうや3人をまとめて抱きしめた。

BiBiみたいに…そう思って穂乃果は新しいユニットを始めた。

こうして大勢の人の前で歌えると言うことが、本当にうれしかったのだ。

それは愛乃も同様だった。

「穂乃果さん、とても楽しかったです… Printempsに誘ってくれて本当にありがとうございました」

愛乃の目には涙が浮かんでいた。

スクールアイドルをあきらめないでよかった。高坂先輩に出会えてよかったと愛乃は思っていた。

その愛乃に、ことりと花陽も穂乃果と同じようにハグをして笑顔を見せていた。

「愛乃ちゃんの曲、可愛くて最高だよ。これからもよろしくね」

ことりの言葉にとびきりの笑顔で愛乃はうなずいた。

Printempsの初ライブは大成功であった。

自分たちが歌えたこともそうだし、ユニットのメンバーの一員として参加し最高の笑顔大見せる愛乃の姿が、穂乃果にとっては何よりも嬉しかった。

そしてやはりライブは楽しい、歌うことが自分たちは大好きなんだと穂乃果は思っていた。

続く

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