その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-002NextStage④(15)


ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-002NextStage④(15)

音乃木坂図書室 司書

「ということで希は明日戻ってくるはずよ。それとね、びっくりすることがあってね。

実はね...A-RISEのツバサが私達と同じ大学なのよ!入学式でツバサに会ってハラショーだったわ!」

絵里のサプライズ発言に、にこを含め全員が大きく反応した。

特ににこと花陽は食いいるかのような目つきであった。

「ちょっと待って、ツバサと同じ大学ってどういうことよ? だってA-RISEは今春からプロになったばかりじゃないの!」

にこはどういうことか理解できずに絵里へ問い詰めた。

A-RISE、スクールアイドルとして絶大な人気を誇った3人組アイドルでありラブライブ初代チャンピオンである。

A-RISEはμ'sをライバルと認め、互いに切磋琢磨し第2回ラブライブ東京予選ではμ'sとの熾烈な争いの末に敗れはしたものの、その実力人気はスクールアイドルとしてナンバーワンだったことに疑いの余地はない。

A-RISEは高校卒業と共にプロのアイドルとしてデビューが決まっていた。

だが彼女たちはプロのアイドルになると共に大学へ進学するという選択をしたのである。

「・・・てことらしいの。私もすごく驚いたわ。ともかくね、そういうわけでツバサと同級生になっちゃったの!」

「いいなあ、羨ましいなあ...今度私にも紹介してよ」

羨望の眼差しで絵里を見つめるにこ。

その横からひょこっと顔を出し同じく花陽がキラキラした瞳で絵里を見つめる。

「絵里ちゃん私にも紹介してください!」

「別にいいけど、にこも花陽も二人ともツバサのことはよく知ってるじゃないの。ライブも一緒にやったし」

「そうだけど、昔からA-RISEのファンだし...私もツバサと仲良くなりたい...」 にこが懇願する。 そして花陽も。

「私もにこちゃんと同じですっ!絵里ちゃんお願いっ」 にこと花陽の姿は完全にA-RISEファンとしての姿であった。

「う、うん...わかったわ。今度話しておくわね...」

少々戸惑い気味に絵理は答えた。

だが二人の気持ちも分かるものであろう。

何と言ってもA-RISEは、超有名な人気スクールアイドルであり、アイドルが好きな2人にとっては憧れの存在だったのだから。

「ありがとう絵里、よろしくね。ねえすっかり話がそれちゃったけど最初の話に戻していいかしら。もう一度言うわよ。

絵里、どうして今日音乃木坂にいるのよ?やっぱり暇だったわけ!?」

話は振り出しに戻る。

年頃の女の子達である。

どうしても仲の良い友人とおしゃべりを始めると、あっという間に時間が過ぎてしまう。

「違うわよ。今日は亜里沙の入学式に出席してたの。うちの両親は今、日本にいないから代わりにね。その後に穂乃果と海未とことりとでお昼食べに行って、ちょっと顔を出したってわけよ」

「ふーんそっか。オッケー、オッケー、 そっちのパターンってわけね。 亜里沙ちゃん入学おめでとう。よかったわね」

「う、うん...ありがとう」 絵里は心の中でそっちのパターンって何だろうと思っていた。

いや他の全員が同じ思いだったが、誰一人として突っ込むことはなかった。

ただしもし今日真姫がいたら、終止ツッコミ所ばかりで大変だっただろう。

内心で今日真姫が休みでよかったと思ったのは絵里一人ではなかったはずだ。

もしいたら...想像通りの展開であっただろう。

おそらくこの後の打ち合わせにも影響が出ていたかもしれない。

ここでことりが立ち上がって皆を促した。

「さてと、それじゃあみんなそろそろはじめよっか」

ようやくスクールアイドル部としての本題へと入る。

まるで同窓会のようにおしゃべりをし、すでに部活開始から30分以上も経過していたのだ。

「楽しくてついおしゃべりしすぎちゃったね。じゃあ花陽ちゃんあとよろしくね」

ことりは進行を部長の花陽へと託す。

「かしこまりました!」 部活前の自信なさげな姿が嘘かのように、花陽は待ってましたと言わんばかりにホワイトボードに文字を書き始める。

そしてどうだと言うかのように交換音をつけてボードをバンと手のひらで叩きみんなに見せつける。

「ジャジャジャジャーン!これです!注目です!」

ホワイトボードには”第5回スクールアイドル部の今後を考える会”と大きな文字で書かれている。

一人を除き全員がそのままじゃんと思っていた。

「かよちんえらいにゃー、さすが部長にゃ!」 その一人とは凛であり、一人で拍手をしている。

一人だけ温度差のある凛である。

後ろで見守るオージーの絵里は第5回というのを見て何回やってるんだろう...とため息混じりであった。

そんな他のメンバーの反応をよそに、花陽はさらに書き出していく。

その内容は複数の項目があり、新入生の役割や練習場所の割り振りといったものでスクールアイドル部部長として十分に議題を考えてきたのが見て取れる。

その中でも重要なのは元μ'sの今後の活動についてという項目だろう。

そもそもスクールアイドルで行ったライブ以降も毎日部活動はしていたものの、春休みのため、個人の予定であったり、3年生は生徒会として入学式の準備があったりで、6人が揃うことはほぼなく、今日も真姫は不在である。

その中で花陽なりにスクールアイドル部の今後を考えるつもりでいたのだが、毎日のようににこが遊びに来てワイワイ楽しくなってしまい、何も決まることなく今日に至ったのであった。

「皆さんよろしいですか。今日はこれからスクールアイドル部はどうするかを考えたいと思います。いや...決めます!

μ'sの残った6人はこれからどのように活動していくのか。また新入部員もかなりの数になると見込まれます。ですので今後スクールアイドル部はどのように活動していくのか決めましょう!」

その姿はアイドルに対して真摯に向き合う花陽の姿であった。

まるで別人かのように頼れる部長の姿をした花陽。 ちなみに部長として打ち合わせ等を取り仕切る際、花陽は敬語になるくせがあった。

その後順調に打ち合わせは進んでいく。

入部してくる新入生の数にもよるが、新入生の役割として部室の掃除、ライブの際の告知のためのビラ配り等、細部にわたりルールを決めていく。

部長の花陽が進行し、その脇でうまいこと海未とことりがフォローして議題の大部分は決定した。

そして残るのは自分たちにとって一番重要な議題であった。

続く。

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