三雲 岳斗 (著), 深遊 (イラスト)
クシナダの正体は日本人の生き残りで、動画配信をしていた伊呂波わおんこと侭奈彩葉であった。
彩葉は魍獣使いであり、23区の中心部で7人の弟妹たちと暮らしていた。
その特殊な能力により、彼女が軍事外車に狙われていたのである。
ヤヒロは彩葉と共に行動することになるが、彩葉の本当の正体は火の龍であった。
本人にその自覚はないが彩葉は龍の少女だったのだ。
ジェノサイドの前後に確認された龍は8体。
天地自然を象徴する八卦にちなんだ名前で、天と地、沼と山、火と水、風と雷の龍。
それぞれが龍の巫女である少女なのである。
ヤヒロは地の龍である妹、火の龍の彩葉、2人の巫女から寵愛を受けた稀有な不死者だった。
ヤヒロはギャルリー・ベリトと復讐すべき相手である妹、地の龍を殺す契約をし、連合会(ギルド)が、統治する横浜要塞へとやってくる。
10万近くの傭兵が暮らしており、インフラも整備された場所。
そこでヤヒロは沼の龍の巫女と不死者に出会う。
そんな中、輸送船を多数の魍獣が襲うと言う騒ぎが起こる。
背後には日本人生存者による亡命政府、日本独立評議会の姿があった。
その組織を束ねるのは山の龍の巫女を守護する不死者だった。
また底辺配信者の彩葉のもとに大企業からのオファーが舞い込む。
その企業であるギベアー社は日本独立評議会の支援者であり、目的は彩葉を日本独立の象徴にすることであった。
シリーズ第二弾。
今作では一気に複数の龍の巫女と不死者が登場する。
圧倒的な力を持った龍の迫力ある戦闘シーンが見どころであろう。
今作は海での戦いが舞台であり、クセのあるキャラが多数現れては散っていく。
龍と龍殺しの物語。
ヤヒロと彩葉の関係はどうなっていくのか、この先が楽しみな作品だ。