その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-007 ミュージック・Re:スタート⑤(45)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-007 ミュージック・Re:スタート⑤(45)

音乃木坂図書室 司書

μ's復活の打ち合わせを終えた9人は再びお茶とお菓子を伴った雑談へと興じていた。

仲睦まじい9人である。

だが、そんな中でことりは不安を覚えていた。

打ち合わせ前後で、皆でお茶をしながらお喋りしている中で、約2名、ずっと何かを食べ続けていた。

皆で持ち寄ったスイーツやお菓子、パンやら和菓子の他、スナック菓子、チョコレート、グミ、etc...上げたらキリがない。

その2名とはもちろん穂乃果と花陽である。

心配するようにことりが言う。

「ねぇ穂乃果ちゃん花陽ちゃん...ちょっと食べすぎじゃないかな...?また太っちゃうよ」

「えー、そうかなぁ。だって美味しいんだもん、ねぇ花陽ちゃん」

「はい、そうなのです。この(モグモグッ)米粉を使った(モグモグッ...)スナックは(モグモグッ...)絶品なのです!美味しいー」

もうこの2人には何を言っても無駄な気がすることりは呆れるように、やや引き攣った顔で笑うしかなかった。

そこに海未が言う。

「穂乃果、成人女性の1日平均摂取カロリーは知っていますか?だいたい約1800~2000キロカロリーと言われております。

穂乃果は今自分がどのくらいのカロリーを摂取したと思ってるのですか?」

少しいつもと違う口調で言う海未。

まるで我がままを言う子どもに言い聞かすかのように。 穂乃果が答える。

「うーん、わからないけど1000キロカロリー...ぐらい...?」

「私が見積もったところによると少なくとも4000キロカロリーは声てますね。パンにケーキに和菓子にスナック菓子の数々、それに1日の食事を考えたら穂乃果は1日で3~4日分のカロリーを摂取しているのです。それがどういう事か分かりますか?デブ一直線ですよ。μ's復活が決まったのに太ったなんて恥ずかしいことでいいのですか?」

海未の指摘に穂乃果と花陽の手が止まる。

さすがの2人も海のストレートな物言いに感じる部分があったのだろう。

「ぶっちゃけ言いますけど、穂乃果と花陽の2人はμ'sの活動が終わったこの1か月で太りましたよね。明らかに顔が少し丸くなってるじゃないですか!」

海未の更に厳しい言葉に2人はどんどん小さくなっていく。

「うぅっ...海未ちゃん厳しすぎる...」

「私が太ったって...顔が丸いって...そんな...」

海未のいう事は正しかった。 μ'sが終わっての1か月、たしかに練習はしていたが、打ち合わせだけの日であったり、3年生は生徒会の仕事もあったりで明らかにμ'sの時と比べて練習量は少なくなっていた。

人よりも食べる量の多いこの2人が太ってしまうのは自明の理であろう。

そこへことりがやさしく言う。

「て事で2人共。これ以上食べてブタになったら、折角μ'sが復活したのに残念なことになっちゃうよ。だからほどほどにね。」

ことりらしい優しい口調であるが、なかなかに辛辣なことを言うことり。

更に海未も続く。 「しばらくは練習量増やすしかないですね」

海未とことりに立て続けに言われ、ヘコむ穂乃果と花陽。

2人は以前にも太ってしまいダイエットをした経緯があり、何も言い返すことはできなかった。

「もう頼むわよ2人共。μ's成功させるんだからね!」

にこが2人に言った。他のメンバーもこの2人の食欲は以前から心配になる所であった。

そんな事もあり、すっかり2人はおとなしくなっていたが、ふと何かを思い出したように真姫が言う。

「あっ、そうそう、5月〇日に私たちのユニットのBiBiがA-RISEのライブにゲスト出演させてもらうことになったんだ。」

その言葉にヘコんでおとなしくなっていた花陽が、物凄い勢いで反応を示す。

「な...何ですって!?どうしてそんなビッグニュースをすぐに教えてくれないのですが!ねぇ真姫ちゃん、会場はどこなの?」

「えっ、ごめん...場所は新木場スタジオだけど...」

花陽の勢いに思わずたじろぎ、謝ってしまう真姫。

「ななな...何ですと...!?新木場スタジオと言えば有名なアーティストもよくライブを行うところで軽く1000人以上は収容できるハコじゃないですか!すごい...すごすぎる...」

その後、花陽は一人で呪文を唱えるようにブツブツと呟いていた。

花陽にとってはかなりの衝撃であったらしい。

だがそれもわからなくはない。

BiBiはまだスタートしたばかりであって、まだ知名度はゼロであり、プロでも何でもない。

それがプロアイドルで大人気のA-RISEのライブへと出演するのだ、普通に考えたらありえない事であろう。

そこで真姫が皆への提案する。

「それでね、もうライブまで時間もないからGWを利用して私の別荘でBiBiの合宿をやるんだけど、もしよければμ'sも一緒にやる?」

その提案に、いの一番に食いついたのは穂乃果だ。

「えっいいの真姫ちゃん?うんっ、やるやるっ!」

「私は全然かまわないわよ。みんなの予定次第だろうけど。BiBiとしては5月3日から予定してるけど、μ'sのみんなも来るなら日程を早めてもいいわよ。」

「うんお願い。日程早めて真姫ちゃん。合宿やるっ!」

他のメンバーの都合を確認する事なく、合宿を行う話を進める穂乃果だったが、幸いなことに皆予定は空いており、真姫からの合宿の提案に皆が賛成であった。

「オッケー、それじゃあいつからにする?」 「明日!」

「わかった、じゃあ明日からね...って明日?ええー!?」

穂乃果の明日という言葉に全員が真姫同様に”ええー!?”と声を揃える。

穂乃果はこういう性格であり、やると言い出したらなかなか停められないのだが、さすがに明日はという事になり、5月の1日から合宿を行う事になったのであった。

μ'sとBiBiの合同合宿である。

アキバドームでのライブに向けて動き出した9人、こうして打ち合わせも無事終え、この日は解散となった。

続く

SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室