タイトル

タフの方舟2 天の果実


タフの方舟2 天の果実

ジョージ・R.R.+マーティン著著  訳酒井 昭伸

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ジョージ・R.R.+マーティン著著

 酒井 昭伸訳

タフの方舟1 禍つ星に続く連作短編集。

第4話「タフ再臨」、第7話「天の果実」は第2話「パンと魚」の続きとなっており、スニウスラムのポートマスター、トリー・・ミューンへ方舟号の修理代を支払うために5年おきに訪れた時の物語である。

スニウスラムの抱える大きな問題。

異常なまでに増え続ける人口に対し、タフは食糧問題をひとまず解消する策として新たな食糧となる動植物を提供する。

しかしそれは一時しのぎでしかなかった。

それ以前にスニウスラム星の人間は食糧供給源を変えようとはせず、ますます星は窮地に陥っていく。

更には近隣の連合諸星と戦争状態となっていた。

大飢饉と大崩壊が迫りつつある中、タフとトリー・ミューンが下した決断とは... 他、

第5話「魔獣売ります」では、富を持つ十二高家が闘技場において、お互いの闘獣を戦わせ、その勝敗により地位と名誉を競い合う星が舞台だ。

そこで地位が最低最弱だった一家が、タフに魔獣を売ってもらった事により、一気に地位が向上するのだが、ただそれだけは終わらないで...

第6話「わが名はモーゼ」はモーセを名乗る男が環境戦争を仕掛け、その男とタフが対決するという内容である。

ストーリー全体として、本のうたい文句にもあるように、宇宙一あこぎな商人というタフが随所に見られる。

必ず取引をする際にはその対価を巡っての駆け引きがあり、欲張りで図々しいさまがよくわかるように摸写されている。

基本的に他人の意見は関係なく、自分の考えが全てであり、トリー・ミューンが言う禍つ神というのもうなずける。 一巻同様、傑作である。

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