短編・青春の断片

さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4


さよならがまだ喉につかえていた サクラダリセット4

河野 裕(著)

相麻菫の死から数日。

奉仕クラブへと入部したケイと春埼であったが、相麻の死後、春埼はリセットの能力が使えなくなってしまっていた。

リセットの力を使うべきだと思いつつも、感情がそれを拒絶していた。

その理由...春埼はケイに嫌われる事をおそれていたのである。

何故かというと、春埼はリセットという能力が相麻を殺したと思っていたのだ。

リセット前には生きていた相麻がリセット後に事故死したことにより...
相麻の死後の心境を描いた表題作を始め、ケイが高校へ入学したころの話、春埼の日常を描いたショートショートが2編。

野ノ尾盛花と少年の月の砂を採りに行くという話。

そして全く関係のないホワイトパズルという作品を含めた短編集である。

今作は過去3作品と、この作品に収められている短編集は時系列もバラバラなので、過去の作品を読んでいないと何の話か分からないだろう。

そして全くサクラダリセットには関係のない作品が収められており、これは何だろうと思ったり思わなかったり...

できれば作品に関係のあるキャラの過去の話とかで、まとめてほしかった。

でもホワイトパズルという話自体は良い話。

箸休め的な感じの第4弾といったところか。

能力のあるキャラがたくさんいる中で、個人的には野ノ尾と猫の話が読めたのはよかったかなと思う。

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