その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019 僕たちはひとつの光②(142)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019 僕たちはひとつの光②(142)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019 僕たちはひとつの光②(142)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

ーAM11:00. アキバドームー

この日の出演者は10時からの入場で、各地区のファイナリストは既に会場入りを済ませていた。

今大会も各出場校には100席の応援席が用意されている。

一般客は11時からの入場だが、会場前からアキバドームには長蛇の列ができていた。

各出場校の制服を着た人、出演するスクールアイドルのグッズを見にまとった人、そしてμ‘sとA– RISEのグッズを見にまとった人も多数いる。

アキバドームの収容人数は4万5千人。

ステージ裏となる席は使用できないが、それでもアリーナ席もあるので、相当数の来場者である。

会場とともに多くの人が我先にと言うように会場へとなだれ込む。

席は全員指定なので、急ぐ必要もないがライブ前の雰囲気も楽しみたいと言う人が多いのだろう。

あっという間に多くの人で席は埋め尽くされてゆく。

ライブ前にはステージに設置されている超特大スクリーンにて、各地区最終予選のハイライトが流されたりと、ライブ開始まで飽きさせることもない演出が運営によって施されていた。

第3回ラブライブ決勝大会の予定は13時から、A– RISEのゲストライブで幕を開け、13時30分から各ユニット持ち時間6分、計32チームによるライブ、そして17時30分からμ‘sのファイナルライブと言う予定だった予定だ。

11時を過ぎた頃、μ‘sの9人は会場入りしていた。

今までのどのライブよりも大きな会場に全員が驚いていた。

「うわぁー、昔野球見に来たことあるけど、やっぱりドームは広いなぁ。

テンション上がるにゃ!」

「うん!私たち本当にここでライブできるんだねー!」

凛と花陽が言った。

驚いていた9人だが、それはこれだけの舞台でライブができると言う喜びの感情だった。

「ついに…ついにこのNIKO-YAZAWAがドームの舞台に立つ日が来たのね…お待たせ、私のファンのみんな…みんなが愛する私の晴れ舞台、たっぷり見せてあげるね」

「何言ってるの?キモチワルッ…」

感慨に浸るにこに、そう言い放つのはもちろん真姫だ。

「そうなの、私は気持ち悪い…ってコラ?!何が気持ち悪いって!あんたは失礼ね!私の晴れ舞台なのよ、少しは私のセンチメンタルな想いを察なさいよ!」

「私のじゃなくて、私たちの晴れ舞台でしょ。てゆうか何よその想い…そもそもにこちゃんは大半が妄想じゃん」

「まぁね…てオイ!事実よ事実!真実よ!今日は私のファンが40,000人以上集まっているのよ。ウフフフッ…」

「はいはい、そうですね」

会場入りするや早々に、いつも通りの様相を呈するにこと真姫の2人であるが、そんな2人をよそにμ‘sに声をかける人がいた。

A– RISEのツバサである。

「みんなおはよう!今日はよろしくね。ライブ超楽しみだよ、こうしてμ‘sと同じ舞台に立てるのが嬉しいんだ。

私たちの出演条件をμ‘sとの共演にして大正解だったね。

ふふふ… μ‘sと一緒だと楽しいのよね。それよりμ‘s会場入り遅くない?もう11時過ぎだし何してたのよ。それににこちゃんと真姫ちゃんは喧嘩してるし、ちょっと大丈夫?あっ、絵里、希、この前の話は予定通りでオッケーだよ!」

μ'sに会うや怒涛の勢いでまくしたてるツバサ。

ツバサはおしゃべり大好きで、絵里と希と同級生になり、仲良くなってからと言うものの、以前にもましてその喋りは勢いを増していた。

絵里が言う。

「ツバサ、取り留めなさすぎ…今度の件はいいとして、μ‘sの出演についてはツバサにしてやられたって感じだけど、こうしてμ‘sは今一度活動して、こんな場所でライブできるわけだしツバサには感謝しているよ」

「にこっちと真姫ちゃんについてはいつも通りから気にせんといて。

うちらは今朝、音乃木坂で練習してきたんよ」

希も言った。

何やら物申したそうなにこと真姫だが、構わずにツバサが続ける。

「あらそうなの?準備はバッチリってわけね。じゃあまた後で会いましょう。そろそろ行かないとうちのあんじゅちゃんがうるさいから。じゃあまたね」

そう言って去っていったツバサはまるで嵐のような存在である。

A– RISEとμ‘sはお互いに認め合っている存在で、前大会までのラブライブに多大な貢献をしている。

しかしラブライブ決勝大会の舞台で共演するのは初めてであり、μ‘sと同様、ツバサもテンションが上がっていたのであった。

「なんだか今日のツバサはいつも以上に楽しそうだったわね」

「それはそうやん、にこっち。だってこのラブライブの舞台っていうのはうちらやA-RISEの原点やろ」

「確かに、それはそうね」

にこと希の言う通り、A– RISEは今日のライブを楽しみにしていた。

前回大会、東京予選に於いてμ‘sに敗れたA– RISEは決勝大会を観客席から眺めていた。

その時にツバサが思った事は、勝敗は関係なしにμ‘sと同じ舞台に立ちたいと言う思いだった。

そして、その思いが実現し、嬉しい気持ちでいっぱいだったのである。

そのツバサを追うようにしてμ‘sの9人も控え室へと向かっていった。

一方、その頃会場では…各出場後に振り分けられた応援席も既に埋まりつつあった。

音乃木坂はスクールアイドル部の1年生や、μ‘sメンバーの家族を中心に席は割り当てられており、一般席同様熱気で満ちていた。

「あぁ!今少し映ったよー。見た?雪穂、梨緒?」 

亜里沙は今スクリーンで流れている関東予選のハイライトシーンで自分たちRay-OGが映ったことに思わず声を上げたのであった。

改めて決勝大会に進めなかった悔しさと、次こそはと言う思いのRay-OGの3人であった。

応援席にはOGOGの姿もあり、そこにはBiBiの衣装を手がける柚梨愛の姿もあった。

その姿は全身をμ‘sグッズでまとっており、完全にガチ勢仕様である。

μ'sメンバーの家族も次々と集まっている。

「あらあら、皆さんこんにちは」

優雅な雰囲気を漂わせながらそう言ったのは真姫の母であり、理事長(ことり母)とともに来場して、他の家族へと挨拶をしている。

こうして観客席も準備は整った。

そしていよいよ第3回ラブライブ決勝大会のスタートである。

続く

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