再び始まりの時

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ①(2)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ①(2)

音乃木坂図書室司書

〜の続き EP000 ①(2)
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ラブライブ! 1st Season

ラブライブ! 1st Season Collection スタンダードエディション

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000 ①(2)
東京アキバ。

この町は不思議な町である。
東京駅、 上野駅と言った東京の玄関口とも言える巨大な駅に囲まれているアキバは、改札口を出るとすぐに高層ビルが立ち並び、大通りでは、煌びやかな ネオンが色めいている。

多くの観光客が訪れ、日夜人で溢れかえるこの町は、アニメ、 漫画ゲームアイドルといったオタク文化をはじめ、古くから連ねる電気店や 少々安い店舗があったりと、様々な文化が入り混じり、日本の数ある街の中でも独特の雰囲気を醸し出している。

そんな町アキバは大通りの喧騒を一歩奥へ入っていくと、まるで違う街かのような姿を見せる。

そこはまるで何十年か、タイムスリップしたかのような街並みであり、大通りの賑わいが嘘かのように閑寂としている。

わずか数分歩くだけで、これだけ町の顔が変わる場所、それが秋葉である。

大通を超え、何本か裏通りに入り、しばらく歩くと傾斜のきつい石段が見えてくる。

この石段はかつてμ'sがトレーニングとして利用し、東條希がアルバイトをしていた、神田明神へと続く男坂である。

男坂からさらに数分歩くと、桜の木に囲まれた階段が見えてくる。

4月ー、新しい生活が始まり、新しい出会いが待っている。そんな季節である。

桜は満開で、まるで新しい日々を祝うかのように、美しく咲き誇っている。

辺り一面が春の香りに包まれていた。この階段を登った小高い丘の上にあるのは、国立音ノ木坂学院である。そうあのμ'sのメンバーが在籍する学校だ。

今日は音ノ木坂学院の入学式。

桜に囲まれた階段を上り、入学式へ向かう新入生たち。校門の前では記念撮影をする親子の姿。

澄み渡った蒼穹に美しい桜並木。

音乃木坂から見える風景は、都会と昔ながらの街並みが融合し、自然の美しさと相まって、まるでスクリーンに映し出されたグラフィックかのような壮美たるものであった。

思い返せば、1年前に廃校寸前であった音乃木坂であったが、今年もこうして無事に、入学式を迎えることができたのは奇跡と言っても過言ではないだろう。

音乃木坂の廃校を救ったのは間違いなくμ'sの活躍があってのことだ。

新入生の会話でも所々でμ'sという声が聞こえてくる。

参加希望者が少なく、学校説明会ですら、ままならなかったのがμ'sの活躍によって、 音乃木坂の知名度は上がり、結果として廃校を免れたのだ。

ミューズは音乃木坂を作った伝説のスクールアイドルなのである。

それだけ彼女たちミューズの成し遂げたことは大きかったのである。

真新しい制服を身にまとった女の子が、次々に音乃木坂の校門をくぐって行く。

国立音ノ木坂学院は 女子校である。

保護者を除けば、当然周囲には女子生徒しかいないのだが、 そんな生徒の中で、ひときわ美しい容姿をした女子生徒がいた。

美しい金髪に吸い込まれそうな青い瞳をした、 まるで日本人とは思えないルックスの少女である。

「 ゆーきーほー!おーい!雪穂ー!」 美しい姿に、声も可愛らしいこの少女は、友人を見つけ大きな声で名を呼んでいた。

彼女の名は絢瀬亜里沙。ロシア人の祖母を持つクォーターの少女であり、μ'sのメンバーであった絢瀬絵里の妹である。

姉に負けず劣らずの美少女である亜里沙が、声をかけたのは中学時代からの親友であり、 スクールアイドルになることを目指して、共に音乃木坂に入学した女の子であった。

「 ヤッホー亜里沙。 一週間ぶりだね、相変わらず元気だね」

「えへへっ。 この前まで毎日会ってたから一週間会わないとなんだかすごい久しぶりな気がするね」 と言って可愛いらしい笑みを浮かべる。

亜里沙の前にいる少女は、μ'sを結成し中心メンバーとしてセンターのポジションに立っていた、高坂穂乃果の妹である。

亜里沙と雪穂の二人は、姉が共にミューズのメンバーとして活躍するのを目の当たりにし、μ'sに憧れて音乃木坂へと進学したのである。

姉の穂乃果に比べると落ち着いていて、しっかりしている感じがする雪穂であったが、 そこはやはり姉妹である。

似るところはよく似ていた。

「亜里沙、今日の髪型クルクルしてて可愛いね。 クロワッサンみたい」 「 ありがとうお姉ちゃんが巻いてくれたの。でもクロワッサンって何?」

和菓子屋の娘である雪穂は、姉と同じくパンや洋菓子が好きらしく、表現の仕方が姉妹で似ている。

さらに亜里沙の後方から歩いてくる女性に気づいた雪穂は、驚きを隠せないようであった。

「 えっ...えっ...ええぇー!? どうして絵里さんが、今日ここにいるの ですか...?はっ、まさか留年? そんな」

亜里沙の隣に追いついたのは、つい先日までスクールアイドルμ'sとして活動し、音乃木坂の元生徒会長であり、3月に卒業した絢瀬絵里であった。

まるでモデルかのような佇まいに自然と周囲からの注目を集めていた。

いや、というよりただ単純に絵里はμ'sのメンバーとして有名人であるからであろう。

それにしてもこの姉妹、こうして二人並ぶと、本当に日本人とは思えない、美しい姉妹である。

歩く姿、立ち居、振る舞い、何気ない所作、ひとつとっても美しく、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花という言葉は、絵里のためにあると言っても過言ではない。

「 ふふ、 雪穂ちゃん今日は。先日のライブ以来ね。と言っても、つい一週間前のことだけど、入学おめでとう。穂乃果はどうしてる?」

先日のライブ、それは一週間前のことである。ニューヨークから戻ったμ'sは、その後スクールアイドルによるライブを計画し、実施していた。

日本各地からスクールアイドルが集まり、アキバ大通りの、土日の歩行者天国を利用し、 自分たちですべて用意、準備し、大成功を収めたライブである。

そのライブにはμ'sはもちろんのこと、A-RIZE をはじめ、実力人気を兼ねた多くのスクールアイドルから、これから始めようと言う 亜里沙や雪穂も含め、 多くの人が参加したライブであった。

それはつい先日、一週間前の出来事である。

「 絵里さん、今日は。どうもありがとうございます。お姉ちゃんは相変わらずですよ。今日は生徒会長としての挨拶やら、準備があるからって、朝早くに学校に行きましたよ」

「へえー、 穂乃果もすっかり生徒会長らしくなったわね。頼もしいわね。あと雪穂ちゃん、一応言っておくけど、もちろん留年じゃないわよ。 今日は私がありさの入学式に出席するの。 ほら、うちの両親は仕事で今こっちにいないから」

絵里と亜里沙の両親は、仕事で日本とロシアを行き来しており、日本にいないことの方が多い。

普段から姉妹二人暮らしの時間が長いのだ。

「あははは...ですよね。絵里さんが留年なんてありえないですよね。

うちのお姉ちゃんじゃあるまいし。 でもお姉ちゃん達、絵里さんに会ったら喜ぶだろうなぁ。まさか今日、入学式に来るなんて思ってもないだろうし」

「ん ふふ...うん、そうね。 ありさの入学式のために今日は来たけど、半分はみんなに会いに来たようなものだからね」 というより今日、絵里はスーツ姿である。

一目見てわかるだろうが、それを留年というあたりは穂乃果の妹だなと思う絵里であった。

さらにみんなに会ったら驚かそうと付け加える絵里は、可愛い顔して意外にもいたずらが好きなのである。

何やら今日もいたずらを考えているらしい。 それを楽しそうに笑みを浮かべて語る絵里であった。続く