その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016 最高の瞬間を②(114)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016 最高の瞬間を②(114)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016 最高の瞬間を②(114)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

突然現れたはっちゃけお姉さんのテレビと言う言葉ににこが大きな反応を示した。

「TVですって!?遂に私の活躍がテレビで流れるってわけ? ムフフフフ…」

うれしそうにやや気持ちの悪い声を上げるにこにはっちゃけお姉さんが言う。

「おっ、にこちゃん今日はいつにも増してはっちゃけてるねぇ。今日はネットテレビの生放送だよ。BiBiのライブも楽しみにしているよ。楽しく盛り上げちゃってちょうだいな!」

「任せておいて!この宇宙ナンバーワンアイドルにしてアキバが生んだ至宝、にこ矢沢が率いるBiBiとμ‘sで最高のライブにしてみせるわ。期待してちょうだい!」

「いいよ、宇宙ナンバーワン!世界の矢澤!任せたよ!」

絶好調のにこを煽るように、はっちゃけお姉さんは持ち上げる。

にこの隣に座っている真姫がぼそっとつぶやく。

「なんでニコちゃんが聞いてることになってるのよ…そんなわけないでしょ…」

だが真姫のその声はにこに届いていなかった。

「テレビ…ムフフフ…生放送…フフフフフ…」

完全に1人で舞い上がっているにこであった。

その、にやけた顔を見てまた真姫がつぶやく。

「キモチワルッ…」はっちゃけお姉さんはまたねと言い残して去っていった。

するとニヤニヤしていたにこが真顔になって皆に言った。

「いい、みんな!今日はテレビが来てるのよ。私の足を引っ張らないようにしっかりとついてきなさいよ!わかったわね!」

にこの言葉にひきつった顔する真姫と絵里。

苦笑いをする希。スルーする穂乃果、海未、ことり。

構わずに食後のデザートをほおばる凛と花陽。

誰も何も言わない…

「ちょっとあんたたちね、何か言いなさいよ!」

ライブ前であるがμ‘sのメンバーはいつも通り平常運行である。

軽やかににこをスルーする。

「は、あんたたちはアイドルとしての自覚って言うものが全くないのね。テレビよ、テレビが来てるのよ!

μ‘sとBiBiが生放送のネットテレビで流れるのよ。これがどういう意味かわかってるわけ!?」 

熱く問い掛けるにこに対し、流すような口調で凛が答えた。

「すごいにゃー」

「そう、すごいのよ…ておい、それだけかい!もう少し考えなさいよ凛。ニューヨークでのPRライブが生配信された時は、多くの人が見てくれた。

でも時差の関係でこっちでは深夜だった。やはり時差は大きかったのよ。しかし今回は休日の午後1時から。

前回に比べて生で見てくれる人ははるかに多いってことよ。それがどういうことかわかる凛?」

「すごいにゃー」

「そうなの。すごいのよ…て言ってること同じやないかい!あんたはもう…

つまりよ、それだけ多くの人が見てくれると言う事は、テレビはもちろん、音楽やアイドル業界の人の目に止まる可能性も高いてわけ。

その結果プロアイドルとしてデビューってこともあるかもしれないってことよ!」

熱く語るにこであるが、凛以外は誰もにこの話を聞いていない。

少し反応してしまったがためににこの餌食になってしまった凛がぼそっと言う。

「でもにこちゃんは保育士さんになるんじゃないの?」 

「それはそうだけど…ほら、A– RISEも大学生をやりながらプロアイドルとして活動してるじゃないの。それと同じよ。

私も保育士さんをやりながらプロのアイドル…夢があって素敵じゃない!」

さらににこは凛に話を続けるが、そんな2人をよそに絵里がみんなに声をかける。

「さっ、みんなそろそろ戻って準備しようか」

そう言うと皆が席を立ち上がる。

凛も同様に立ち上がろうとしたが、にこが袖を引っ張って強制的に椅子に戻っされる。

「ねーにこちゃん…みんな行っちゃったんだけど…」

「まだ話の途中でしょうが!ちゃんと最後まで私の話を聞きなさい!」

食堂に取り残されたにこと凛。

2人の話(一方的なにこの話)はこの後もしばらく続いていた。

時刻は12時20分を回っていた。

ライブ会場は午前中のバンドライブが終わり、午後のアイドルライブの準備が進められている。

すでにかなりの人で溢れており、初夏の暑い日差しの中、観客席はすごい熱気であった。

テレビの準備も整っており、後はライブが始まるのを待つのみである。

会場となる噴水広場噴水前広場は広く、かなりの人が座れるようになっているが、ほぼ満席で立ち見の人まで多数いる。

まだライブまで30分以上あろうと言う段階で、既に1000人は超えている位であろう。

だが会場に入れないと言う人も多数いた。

今日のライブの人気がすごすぎて、整理券で入場制限をしないといけない位だったのだ。

それもそうであろう。大学の学園祭ライブであるが、プロで大人気のA– RISEを筆頭にインディーズアイドルとして大人気のBiBi、そして期間限定で活動を深く復活させたμ‘sといった人気アイドルが多数出演するのである。

これだけの人が集まると言うのも頷けると言うものだ。

ライブステージ裏にはμ‘sのメンバーと衣装に着替えたBiBiの絵里と真姫がいた。

そんな彼女たちの元に遅れること30分にこと凛も合流した。

「ちょっとニコちゃん遅いわよ!もうライブで30分前じゃないの!!いつまで凛とおしゃべりしているのよ!」

真姫が言った。あの後、にこの話は30分近く続いていたのだ。

凛は疲れた顔しているが、にこは元気に言い返す

「しょうがないでしょ、後輩が宇宙ナンバーワンアイドルの私からいろいろ学びたいって言うんだもの」

「そんなこと一言も言ってんないにゃ」

完全に巻き込まれただけの凛をμ‘sのメンバーは心中を察するかのような表情で見ていた。

そこはBiBiの衣装担当を務める柚梨愛が声をかける。

「にこやん、どうでもいいけど、とりあえず衣装に着替えてくれる?説明することもあるから」

柚梨愛に促され、ようやくおとなしくなるにこ。

衣装に着替え集まったBiBiの3人に柚梨愛は説明する。

「ってことだから、こっちでスイッチを押すと光ようになってるってわけ。だから光たい時は私に合図してね」

と言って柚梨愛はスイッチを押す。

すると3人の衣装がまばゆいほどの輝きに包まれた。

絵里は水色、にこがピンク、真姫が赤。μ‘sの時のイメージカラーの光が3人を彩っている。

その奇抜な衣装にμ‘sの他のメンバーも目を奪われていた。

思わず絵里がつぶやく。

「わぁーお、すごいわねこの衣装」その衣装はただ光だけでなく、と、点滅の切り替えもできるのだった。

「目立ちたいにこちゃんにぴったりね」真姫が言った。

それこれはにこが柚梨愛に頼んだことなのである。

にこのリクエストに応えて、これだけの衣装を用意してしまう柚梨愛も大したものである。

「そうよ、せっかく1番最初に私たちが出れるんだもん。だったら思いっきり目立っちゃえばいいのよ」

にこが言った。さらに言葉を続ける。

「さすが柚梨愛ね。いつもありがとう。それじゃあ私がラブにこポーズをしたらスイッチを押してね。さてと…よし、準備は万全ね。それそろそろ時間よ、2人とも?」 

テレビに浮かれていたり、さっきまでのにこの姿がまるで別人かのように引き締まった表情で絵里と真姫に声をかけるさすがはにこである。

瞬時に気持ちを切り替える。

BiBiのリーダーとして、そしてμ‘sの一員として数多くの場を経験してきただけの事はある。

アイドルに対していつも真摯な態度のにこ。

にこがBiBiのリーダーなのは必然なのかもしれない。

今日はBiBiとして、そしてμ‘sとしての舞台である。

にこの思いに応えるように絵里と真姫も引き締まった表情でオーケーとうなずく。

いよいよ大学ライブのスタートである。

続く

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