無慈悲な女王の正体

86-エイティシックス EP7


86-エイティシックス EP7

安里 アサト 著 

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安里 アサト 著

2人の関係と無慈悲な女王

連合王国、竜牙大山でのレギオンとの死闘に勝利し、第86独立機動打撃軍の面々には特別休暇が与えられた。

ギアーデ連邦南の山岳地帯に位置する国家、ヴァルト盟約同盟へと訪れていた広大な温泉で息抜きをし、街へ出かけてはショッピングをしたりと休暇を満喫していた。

そんな中でシンとレーナは互いの気持ちに気付きつつあるのに、距離を縮めることができずに微妙な関係が続いていた。

他の仲間もそれに気づき、二人をくっつける為動いていた。

今までになかった日常を送るシンであったが、休暇の合間にも仕事を行っていた。

先の戦争で鹵獲に成功したレギオン上位指揮官機、無慈悲な女王の取り調べである。

その正体はやはり、生前は天才科学者であり、レギオンの開発者であるゼレーネ・ビルケンバウムであった。

ゼレーネよりほしかったすべての情報を得る事に成功する。

全レギオンの停止コードと発動手順を...
しかしその手段は人類にとっての諸刃の剣であった。

果たしてレギオンとの戦争の行方はどうなるのか、そしてシンとレーナの関係は... 盟約同盟編スタートである。
とはいうものの、盟約同盟と共同戦線を張るわけでもなく、舞台なだけである今作は今までと全く趣が異なる内容だ。

基本的にシンとレーナの煮え切らない関係が延々と語られている形で、レーナが嫉妬ばかりしてひたすら面倒くさく、シンはシンでいつまでも前進できずに、もどかしいというかなんというか、もはや鬱陶しく感じるぐらいだ。

戦闘シーンもないので、これまでと比べると別作品かと思うぐらいだったが、レギオンの開発茶ゼレーネとのやり取り等、所々に重要なピースもちりばめられており、次巻以降への布施にとなっている。

たまにはこういうライトな86は息抜きと考えればいいと思う。

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