その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑥(91)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑥(91)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑥(91)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

半ば無理やりMCを終わらせて次の曲を振ったにこ。

だが観客にとってさらなるサプライズが待っていた。

次の曲はなんとA– RISEの大人気曲だったのである。

A– RISEとBiBiのコラボによるShocking Partyである。[Shocking Party/詩]

Shocking Party

会場はもはや大変なことになっていた。

スクールアイドルを好きな人であれば、この曲を知らない人はいないだろうと言う位のA– RISEを代表する曲である。

ツバサとあんじゅを中心にパフォーマンスが展開されるのだろうと誰もが思っていた。

だが違った。普段の英玲奈のポジションににこが入っており、にこは完璧な振り付けで踊っていたのだ。

まさに完コピである。

A– RISEがどれだけ好きだったのかというのがわかるほど完璧であった。

今日のライブに向け、練習はおろかリハーサルでこの5人ではやっていないのだ。

それをまるで自分がA– RISEのメンバーであるかのように、英玲奈の役目を完コピで披露したにこであった。

2曲目を終えたBiBi、再びにこがノリノリでMCを始める。

「みんな盛り上がってる!?」

BiBiのライブでもそうだが、にこの会場を盛り上げる才能は天才的であった。

そして、いつも誰よりも自分が1番盛り上がっているのだ。これはにこのアイドルに対する信念とでも言えるだろう。

1人でも多くの人を楽しませて笑顔にしたい、と言うにこの思いがよくわかる。

誰かを楽しませるには自分自身が楽しんでないといけない、とにこはいつも後輩に言っていた。

本当にライブを、そしてアイドルをにこは楽しんでいるのだ。

「てゆうか、A– RISEとのショキパとか超最高!」

にこのテンションは最高潮である。

そこに真姫が言う。

「さすがストーカーのにこちゃんね。A– RISEの曲なのに振り付け完璧とか、イミワカンナイ」

「うん、ストーカー恐るべし。にこ、ハラショーね」絵里も言った。

すぐににこは反論する。

「ちょっとあんたたちね、人をストーカー扱いするのやめてくれる?私はA– RISEにいつか勝つために、日ごろから研究していただけよ!あわよくば、A– RISEに入るためにね」

苦しい言い訳と本音が漏れるにこ。

もう誰もがにこがA– RISEの大ファンだと言うことを知っている。

大ファンだったツバサとあんじゅを前にして、もはや共演と言うより、A– RISEの矢澤にこかのように振る舞うその姿は、さすがにこである。

それにしてもやはりBiBiのMCは面白い。

会場もA– RISEの2人も常に笑顔であった。

その後真姫によるにこイジリのMCがあり、それが1段落したところで再びにこが中心となりMCを進める。

「ふぅ…少し疲れたわね…実はあと1曲やりたかったんだけど、どうやらBiBi パワーが足りなくなっちゃったみたい…」

と言ってステージに座り込むにこに対し、真姫と絵里が問い掛ける。

「ねぇにこちゃん、BiBiパワーって何…?」

「私も知らない…打ち合わせでそんな話聞いてないんですけど…ほんとに初耳なんだけど、にこ、BiBiパワーって何よ?」 

これは完全に、にこのアドリブである。

絵里と真姫が何も知らなくて当然であった。

にこはちょこっと立ち上がり、会場と絵里と真姫、そしてA– RISEの2人に向けて説明する。

「ふふふ…しょうがないわね、それじゃあ説明するわよ。

BiBiパワーとは、会場の皆がBiBiコールをすることによって、私たちが得られるパワーなのであーる。

みんなの声援が私たちのパワーになるの。みんなわかった? 私の後に続いてBiBiコールをしてくれるかしら!」

「何がなのであーるよ…まぁでもわかったわ、にこちゃん、やってみる」

真姫が言った。

「よくわからないけどわかった。やってみるわね」絵里が言った。

わかったのかわからないのかどちらであろうか…にこは2人に注目する。

「それじゃあ行くわよ、せーの!びーびっ!」

にこが大きな身振りとともに声を上げる。

“びーびっ!“それに続くように会場も大きなBiBiコールを送る。

もちろん絵里と真姫、A– RISEの2人も声を上げる。

「びっびびびーっ!!」少し変化を加えてにこが続ける。

“びっびびびーっ!”もさらに大きな声で会場から声が返ってくる。

気を良くしたにこはノリノリで続ける。

「びーびっびっびっーびっびっびっびっー!」

テンポが速くなり、びの数も増えたが、まだ会場もついてくる。

”びーびっびっびっーびっびっびっびっー!” 

A– RISEのツバサとあんじゅは2人して笑っていた。

そしてトドメと言わんばかりににこは言う。

「びっびっーびぃーびーびびびびびっびびーっびっびびっびっびっ

びびっー!」

さすがに会場もめちゃくちゃなリズムのびの連呼についてこれない。

そしてにこが言う。

「きたきた来たわよー!みんなのおかげでBiBiパワーが集まったわ。みんなありがとう!」

にこはくるくると回り、BiBiパワーが集まったと宣言する。

会場も一気に沸き上がる。

「それじゃあ行くぞあぁサイキックファイヤー!」

にこの曲振りとともに曲が流れると同時に大歓声だ。

この曲もbiBiのライブでは定番で盛り上がる曲であった。

[サイキックファイヤー/]

ノリノリで踊りながら歌うBiBiの3人。

それに合わせるようにアドリブだが見事なダンスを披露するA– RISEの2人。

会場にはBiBiのタオルマフラーを持っている人も多数おり、楽しそうにタオルを振り回す。

ステージと会場が一体となった最高のライブである。

こうして大盛り上がりの中、3曲を披露し、BiBiとA– RISEのコラボライブは終了した。

いつまでも会場の歓声が鳴り止む事はなかった。

たったの3曲だがとても充実したライブであり、パフォーマンス、MCとどれをとっても完全に見る者を惹きつけて止まない内容であった。

ライブを終えステージ裏に戻る5人。

BiBiの3人に対しツバサが声をかける。

「お疲れ様。最高に楽しいライブだったね。本当にBiBiは最高よ。

ニコちゃんは面白すぎるし、曲も最高で言うことなしね!」

BiBiを称えるツバサ。

あんじゅも続く。「ほんとね。3人はもうプロでやっていけばいいのに」

あんじゅの言うこともうなずける。

それだけBiBiは人気もあり、すべてのクオリティーが高い。

今すぐプロになっても何も問題ない位に。

そこへにこが答える。

「ツバサ、あんじゅ、今日はありがとう。最高に楽しく楽しかった。プロっていうのはね、ほらうちにはまだお子様が居るからさぁ」

と言ってにこは真姫を見つめる。

「ちょっと!誰がお子様よ、それはにこちゃんでしょ!」言い返す真姫。

そこに絵里が割って入る。

「夫婦喧嘩は後になさい。と言うことでツバサとあんじゅはありがとね。2人のおかげで最高のライブになったよ。

それと真姫にもだね。音乃木坂のライブに出れるように手配してくれてありがと」

「いや私は別に何もしてないけど。それより一言いい?夫婦ってのはやめて…

それとこの後もライブは続くから、私たちμ‘sicforeverを始め、最後までしっかり見ていてね」

真姫の言葉に4人はうなずく。

4人ともμ‘sの後の6人による新しいユニットμ‘sicforeverを楽しみにしているのだ。

ステージ裏では次のユニットRay-OGが準備をしている。

BiBiとA– RISEのコラボライブは予定より時間を押してしまっていた。

曲は3曲だったがMCが長かったため、10分以上オーバーしていた。

「海未ちゃん、時間大丈夫かな…?」 

少し心配そうにことりが海未に問う。

「大丈夫ですよ。もしものことことを考え、講堂の次の使用は16時からにしてますので」

さすがは実質生徒会長の海未、準備周到であった。

続く

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