音乃木坂図書室 司書
μ‘s OG組3人の挨拶を終えて、希が曲振りをする。
「それでは2曲聴いてください!No Brand Girlsと…」そこへにこが割り込む。
「きたきた来たわよー!ついに来た!私がセンターの神曲!夏色笑顔で1.2.JUMP!行くわよー!」
にこの声とともに会場にノリの良いメロディーが流れ始める。
[No brand girls/詞]
この曲は第一回ラブライブ東京予選で、20組の枠に残るために活動していた時にできた曲である。
アップテンポでノリの良い曲調に、聞いている人も一緒に踊りだしたくなってしまうような曲だ。
また、曲中に”オーイェイ”と観客と掛け合うように一緒に歌うところもあり、海未としてはかなり攻めた詞となっている。
ただしこの曲はメンバーにとって少し苦い思い出のある曲でもあった。
学園祭のライブで披露したのだが、前日から体調を崩していた穂乃果が、雨の中行われたライブで、この曲を終えるのと同時に倒れてしまったのである。
それが1つのきっかけで、その後も色々とあり、PVはあるが今までのライブでは封印していたのだ。
だがこの曲はμ‘sの曲の中でも盛り上がれる曲の1つであろう。
花陽を始め、この曲をライブでやりたいと思っているメンバーは多かった。
そして今日このライブにおいて解禁し、披露することに決めたのである。
動きが激しい曲なので、この暑さの中、メンバーは大量の汗がほとばしる。
その中での笑顔は最高に輝いている。客席で見ている人にもその楽しさが伝わる位に。
[夏色えがおで1,2,Jump!/詞]
No Brand Girlsを終えて、そのまま次の曲、夏色えがおで1,2,Jump!!に移るμ‘sの9人。
この曲は夏のイベントに向けられ向けて作られた曲であり、この曲のTVは水着にて撮影されていて、μ‘sの人気が上がり始めた頃と言うこともあって、そのインパクトはすごかった。
またこの曲のセンターを務めたのはにこであり、PVにおいてもにこを中心に展開されていて、当時のにこは相当な有頂天であった。
そのPVの脚本は全てにこが出かけたもので、にこの可愛らしさが前面に押し出されており、それだけでなく他のメンバーの良さもとてもよく引き出されたものとなっていて、ネットでの評判もかなり良いものであったため、にこの気持ちも十分に理解できるものであろう。
μ‘sは基本は穂乃果がセンターを務めているが、この曲同様他のメンバーがセンターを努めている曲も何曲かあるのだ。
この曲も実に夏にぴったりで踊りだしたくなってしまう曲であった。
ノリノリでパフォーマンスをするμ‘sの9人。
特にセンターのにこは誰よりも楽しそうで輝いていた。
そしてノリの良い曲を終えて再びMCに入る。
次は2年生の番だ。「いやぁーもうライブ楽しすぎます。最高ですー!」
最初に言葉を発したのは花陽である。それに凛が続く。
「うん、超楽しい!かよちん、真紀ちゃん、今度は私たちの番だよ。挨拶しよっ、誰から行くにゃ?」
「じゃあまずは私から…」 「ちょっと花陽待ちなさいよ。ここは私からでしょ!」
「いや、凛からいくにゃ」 「いや、私から」
「私よ!」「凛にゃ!」誰が最初に挨拶するかで揉める3人。
しばらく同じ言い争いが続くが、結局ジャンケンで花陽、凛、真姫と言う順に決まる。
この何とも言えない2年生のグダグダ感もμ‘sのライブにおいては定番となっていた。 「
皆さんこんにちは。音乃木坂学院2年、スクールアイドル部の部長をやっている小泉花陽です。
えっと、好きなものはアイドルと白米です。好きな食べ物は白米で特に新米は最高です!
最近ハマっている白米は〇〇産のオトメニシキです。通常より少し水を多くして炊くと、ふわふわのモチモチで最高なんです!
後は定番のコシヒカリですが、これも産地によって特徴が違いまして、私は少し粒が立っていて気持ち大きめの〇〇産のものを特に好んでおりまして、ぜひ皆さんも試してみてください!」
自己紹介のはずが花陽の挨拶はまるでお米屋の宣伝のごとく、お気に入りの白米を皆にお勧めしただけである。
すぐに真姫が突っ込む。
「ねー花陽。あなたはいつも同じ挨拶じゃないの。白米白米ってどこの米屋の回し者よ!」 「えっと…!?」
「ていうかあいさつじゃなくて、もはやお米の宣伝じゃないのよ!」
「えっと…」「そうにゃ、白米禁止にゃ!」「えっと…えっと…」
「たまには違う事いいなさいよ!」 「えっと...うぅっ...ダ...ダレカタスケテー...」
花陽がそういった瞬間だった。 ”ちょっと待っててー!” と言う野太い声が会場から帰ってきた。
この日を境に花陽と会場の新しい掛け合いが誕生した。
このやりとりにμ‘sメンバーも会場も笑いに包まれていた。
続いて凛が挨拶をする。「にゃん、にゃんにゃーん!こんにちは、音乃木坂2年の星空凛にゃん。凛は特に面白いセリフはないので、パフォーマンスを見せるにゃ!」
すると、メンバーはステージを凛のために開ける。
そして凛は体操選手のように連続バク転をし、最後に着地とともにくるっと体をひねり、ピースサインをして会場に叫ぶ「Yeah!!みんなよろしくにゃー!」
凛のパフォーマンスに会場は大きく沸いた。既に皆が知っているが、凛の身体能力の高さは凄いのである。
続いて挨拶するのは真姫だ。
「μ‘s作曲担当の西木野真姫です。BiBiでも私が曲作りをしています。っていうか、自己紹介って言ってもみんなもう知ってるだろうし、あまり言うことないのよね。まぁみんなよろしくね」
「真紀ちゃん挨拶雑…それよりなんで私は今日こんなにいじられたの?」
「それは花陽だからよ。いつも通りじゃないの」 「真紀ちゃんのせいだにゃー」
「なんでよ凛。意味わかんない!」 「真紀ちゃんはいっつもかよちんをいじめるにゃ」
「そんなことないでしょ」「あるにゃー」
「知らないわよ、ふん、!」真姫は腕組みをしてそっぽを向く。 それを見て花陽が言う。
「もういいよ…と言うことで次の曲が最後になります」
そう言うと、会場からは残念がる声が多く上がる。
μ‘sのライブはMCが盛り上がるため、どうしても時間があっという間に過ぎてしまうのだ。 真姫が言う。
「実は既に本来の30分の枠も大幅にオーバーしてるのよね」
この時点で既に15分オーバーであった。
「みんなごめんね。では最後の曲、ニューヨークで歌ったAngelic Angel聞いてください!」
花陽の言葉とともにメンバーがそれぞれの位置に着く。
この曲のセンターを務めるのは絵里である。 μ‘s本日のライブの最後の曲がスタートである。絵里のウィンクから9人息の合った振り付けを見せる。
ニューヨークにてスクールアイドルのPRのために歌ったこの曲。
μ‘sのこの曲があったからこそ、ラブライブのドーム大会が実現したと言っても過言ではない。
それだけμ‘sのニューヨークでのPRライブの持つ意味は大きかった。
スクールアイドル、そしてラブライブにとってさらなる高みへ…それがμ‘sの成し遂げたことなのである。
水着姿でセンスを持って踊ると言う、少々不似合いな(本来この曲の衣装は和服テイストの美しい衣装)であったがセンターの絵里を始め、全員が最高の笑顔であった。
そのパフォーマンスについては何も言うこともないだろう。 誰もがμ‘sとともに素敵な時間を過ごしていた。
こうして最後の曲を終えたμ‘s 9人であった
続く