ジョン スコルジー (著), 内田 昌之 (翻訳)
幼くして両親を亡くしたゾーイ。だが、コロニー防衛軍を退役したジョンとゴースト部隊だったジェーンの養女となり、ハックルベリーで幸せな日々を送っていた。
ある日、ゾーイは2人と共に新たな植民惑星へ移住することになる。
ロアノークという惑星へと向かう中、ゾーイはエンゾ、グレッチェン、マグディの3人と出会う。
やがて3人はゾーイにとってかけがえのない友人となるのであった。
そして到着したロアノーク、だがそこは本来の目的の惑星ではなかった。
コンクラーベからの見隠しのためにコロニー連合が用意した別の惑星だったのだ。
しかしこの星で生きていくしかなかった。
通信機器の使用ができない厳しい状況の中でも、ゾーイはたくましく友情、そして愛情を育んでいく。
またオービン族のヒッコリーとディッコリーによる訓練を受けながら成長していく。
そして月日が流れ、コロニー連合の陰謀に巻き込まれていくゾーイ。
果たしてコンクラーベとの戦いの中で起こっていたこととは...
それらすべてが徐々に明らかになっていくのであった。
今作は第3作、最後の星戦をゾーイの視点から描かれたものである。
前作のストーリーをなぞっているが、全く別物の作品としても楽しめるし、多くの謎が明かされる今作も、とても素晴らしい作品だろう。
ゾーイの幼いころの回顧シーンであったり、オービン族とブーティンの関係から、コンスー属との出会い、ゾーイの今に至るまでの流れ、ゾーイの恋心や友情が詳細に語られている。
中でも前作でだいぶ省略されていた宇宙へ飛び立ったゾーイが何をしていたのか、どういった経緯で誘導フィールドという都合のよい装置を手にして帰ったのかが明かされている。
ゾーイがオービン族にとった行動、家族に対する想い等、感動シーンもあり、これは最後の星戦に対するアンサーブックと言ってもいいのではないだろうか。