ジョン・スコルジー (著) 内田昌之 (翻訳)
コロニー防衛軍での過酷な戦争を生き抜き退役したジョン・ペリー。
ゴースト部隊だった妻のジェーンと天才科学者ブーティンの娘、ゾーイを養子として、植民星のハックルベリーでともに平穏に暮らしていた。
退役後は緑の体から普通の人間の体となり、この星で監査官としての日々を送るペリー。
だがある日のこと、かつての上官であったリビッキー将軍がペリーの元をを訪れる。
リビッキーは、ペリーに新たに建設されるコロニーの行政官を務めるように依頼する。
ペリーはこの依頼を受け、家族と共に植民惑星ロアノークへと移住する事に。だがこの計画にはかくされた秘密があったのだ。
惑星ロアノークはコンクラーベからの目くらましとして利用されていたのである。
コンクラーベとは多数の種属からなる組織であり、宇宙を制圧して他の種属のコロニーの建設を阻止していたのだった。
ロアノークの存在をコンクラーベが気づくのも時間の問題だった。 ロアノークのペリー達、そしてコロニー連合、コンクラーベによる生存をかけた宇宙戦争へと発展していくのであった...
3作により、一通り完結を迎える今作では、前2作での謎も解明される内容であり、特に最後の締めくくりがとてもよく、素晴らしい作品である。
ゾーイがペリーを90歳のパパと呼んだり、ジェーンをはじめ、家族の絆が感じられ、きっと作者の家族への想いが作品に投影されているのではないかと思う。
また、ジェーンがかつてのゴースト部隊の時以上の力を取り戻し、他種属のエイリアンと戦闘を繰り広げるシーンは読んでいて爽快である。
とてもおすすめできるSF小説である。