(著)
子の一族の反乱を制圧し、宮廷に穏やかな日々が戻るかと思いきや、燻る火種は後を絶たない。皇子が生まれた玉葉妃は后となり宦官であった壬氏の正体は皇弟という大物だった。
花街へ戻った猫猫は子の一族の生き残りである記憶を失った少年を引き取る形に。趙迂は絵を描くのが得意だった。
趙迂が描いた虫の絵、それは二つの蝗だった。
今年は農作物が少ない状態だ。
気になった猫猫は書店へ向かい、そこで監禁された時に見た本を発見する。
何故これがここにと訝る猫猫。
その本を売った男を猫猫は発見する。その男は右叫といい、猫猫を助けた男だった。
右叫は今年は飢饉になるかもしれないという。
一気に蝗害への不安が高まっていく。
その猫猫のもとにまた厄介事が持ち込まれ。また一人の娘を引き取ることに。
そんな折り、壬氏からの命令で猫猫は壬氏と共に玉葉后の故郷である西都へ行くことに。道中、ヤブ医者の故郷に立ち寄り、そこでドライトラブルに巻き込まれてしまう。
さらに西都で開かれた宴では、陰謀が渦巻いていた。
様々な問題に直面してしまう猫猫。
どのように事件を解決していくのか...
シリーズ第5弾。
本作は宮廷を離れた猫猫の花街での日常とともに、壬氏と行動する姿が描かれている。
毒味役だった猫猫は何故かどこにいてもトラブルや事件が起こり、興味心から自分で首を突っ込んで行く。
宮廷では見せなかった本性(口調)であったり、相変わらずの毒舌っぷりもあり、そして壬氏との関係にも変化ありと今作も面白い作品に仕上がっている。