その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~続きEP-018思いは1つ①(131)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~続きEP-018思いは1つ①(131)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~続きEP-018思いは1つ①(131)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

7月下旬。

学校は大学、短大、高校、それぞれに夏休みに入っていた。

今年は梅雨明けから連日のように真夏の太陽の日差しが降り注ぎ、例年にも増して暑い日々が続いている。

「海だー、海未だよー!海未ちゃん海だよー!」

海未に海だと連呼するのは穂乃果であった。

「穂乃果…そんなに名前を呼ばないでくださいよ…恥ずかしいです…」

「何言ってるの海未ちゃん。海だって海未ちゃん! 目の前に海があるんだよ。

早く遊ぼうよ!ことりちゃんも早くおいで!みんなも早く早く!」

「ちょっと待って穂乃果ちゃん、まだ着替えてないよー」

そういうことりの手を取り、海未の手も取って穂乃果は砂浜に走り出す。

海を目の前にしてハイテンションの穂乃果だった。

この日μ‘sの9人はアキバドームでのライブを目前に控え、最後の仕上げとして直前合宿に来ていた。

もちろん西木野家の全面的な協力のもとにである。

「全く、穂乃果ってばいつになっても子供なんだから…」

そうつぶやいたのは真姫である。

都心から電車で約2時間半。

そこは駅の目の前に海が広がり、最高の天気もあって、穂乃果でなくともテンションが上がってしまうようなシチュエーションであった。

案の定、μ‘sの3バカ(絵里は結局、仲間入りは逃れた)の1人が穂乃果に続くように声を上げる。

「テンション上がるにゃー!海、最高!かよちん、真姫ちゃん行くにゃ!」

といった凛は2人を手を引いていくが、すでに水着姿であった。

「凛、あんたいつ着替えたのよ…?」

「脱いだだけだよ!下に着てたんだにゃ!」

どうやら凛は出発の前から既に水着を着てたらしい。

気づくとその横にいた花陽も水着姿になっている。

準備の良い2人であった。

だがその気持ちはよくわかる。

駅の目の前が海であり、海水浴場の目の前、そしてこの晴天、待ちに待った夏休み、9人での合宿…楽しくならないわけがない。

そんな年下の6人を見て、OGの3人は笑顔である。

大人ぶった感じににこが言う。

「もう、みんな子供ね、少しは大人になりなさいよ。ここに私って言う素晴らしいお手本がいるんだから、もっと見習いなさいよ」

言いたい放題のにこだが、その言葉は後輩には届いていない。

「さぁ私たちもいきましょう、希、にこ…って、げぇっ...!?」

希とにこに声をかけ、後ろにいるはずのにこの方を振り返った絵里は驚愕する。

その反応に対し、不満げににこが言う。

「ちょっと絵里!げって何よ!」

そのにこの姿は既に水着姿…なのはまだいいとして、いつ空気を入れたのかわからない浮き輪を肩にかけていて、シュノーケルのゴーグルを装着していた。

完璧な姿である。

「矢澤パイセンが1番気合入ってるやんか…」

「何よ希、海に来たんだから当然じゃない!」

「いや…でもいつ浮き輪に空気入れたのに?」

「そんなの電車の中でに決まってるじゃない!」

気づかなかったけど、なんと迷惑な乗客だろうと希と絵里は思っていた。

幸いなことに同じ車両に自分たち以外はいなかったけど…と思う2人に、にこが話を続ける。

「そんなことより、あなたたち2人も早く水着になって、そのエロボディを世の中に見せ付けてやりなさいよ!」

「エロボディって…まぁいいけど…それじゃあ行こっか」

絵里がそう言うと、希とにことともに皆の後を追いかける。

駅に到着するとともに言うまでもなく海に来た9人であったが、真姫は少し怒っていた。

「全くもう!別荘はすぐそこなんだから荷物を先に置いてからって言ったでしょ!なんで駅から海未に一直線なのよ!」

だがもう遅い。 すでに穂乃果は海未の家でイカ焼きを、凛はかき氷を買い、そしてにこは遊ぶ準備を始めていた。

μ‘sの3バカが、本領発揮である。

「はぁ…もう好きにして…私は別荘に荷物置いてくるから…」

やれやれと呆れ顔で言った真姫は踵を返して歩き出す。

それを見て、慌てて全員真姫の後を追う。

真姫の機嫌を損ねるわけにはいかない。

何といっても真姫は別荘を今回も提供してくれているのだ。

結局全員が一度、真姫の別荘へと向かうことに。 半数はすでに水着姿で、だ。

海から歩くことを数分、別荘へと到着した9人。

「まぁ毎度の事だけど、部屋は人数分あるから自由に使っていいよ。

荷物置いて準備できたらまた海に行きましょう」

真姫の言葉にみんながうなずき、各々準備の後、再び全員集合した。

1階に集まった9人は全員が水着姿であり、その水着は大学ライブで使用した衣装だった。

そして集まった全員に、部長として花陽が声をかける。

「みんな集まったね。それじゃあ今日は夕方まで海で遊んで、その後はしっかりと練習するよ。じゃあ行こう!」

部長からの一言が終わり、一斉に海へ向かう9人。

別荘から海までは5分で行ける距離である。

海で楽しそうにはしゃぐ9人。

その姿は夏を満喫する若い女の子以外の何物でもない。

何度も海の家で買い食いをする穂乃果。

その穂乃果を叱る海未。 みなをワシワシする希。

花陽とじゃれ合う凛。 にこを砂に埋める真姫…

どれをとってもいつもと同様、微笑ましい光景であった。

そしてあっという間に時間は過ぎて、時刻は夕方になっていた。

「おーいみんな集まってー!そろそろ 練習始めるよ!」

花陽の呼びかけに全員が集まる。 このまま砂浜にて練習を行うのである。

「それじゃ海未ちゃんから、今日のメニューを発表してもらうね」

ここで花陽から海未へとバトンタッチする。

この瞬間はいつもみんながドキドキするのだ。

何といっても合宿の練習において、海未は鬼軍曹の異名を取っているぐらいなのである。

「はい、では本日は基礎練習と振り付けの確認を行いましょう。まずは砂浜ダッシュを30本、そしていつもの筋トレメニューとストレッチを行い、全体での振り付けの確認をしたいと思います」

海未のメニューはこの日もハードであった。

1部(穂乃果)から鬼と言う声も上がったが、それでもしっかりこなしたあたりはさすがである。

日が暮れるまで練習を行った9人。

海で遊び、しっかり練習も行い、充実した1日を過ごした9人であった。

続く

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