その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ⑧(138)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ⑧(138)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ⑧(138)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

神田明神で奇跡的に9人が揃ったμ's。

全員でお参りをして、翌日の最後のライブに向けて気持ちを一つにした。

夏なのでまだ明るいが、時刻は18時半を回っている。

それぞれ帰路につこうかというところで穂乃果がことりに声をかけた。

「ねぇ、ことりちゃん。お願いがあるんだけど...」

「ん?どうしたの穂乃果ちゃん?」

「えっとね...また前みたいにみんなで学校に止まれないかなと思って...」

前回大会の前日、9人は皆で学校に止まっていたのだ。そこから翌日、皆で大会会場へと向かったのだが、穂乃果はそれを思い出して、ことりに尋ねたのである。

「それはお母さんに聞いてみないと...ちょっと電話してみるね」

そういうと、ことりは母に確認をとるためにスマホを取り出す。

するとにこが言う。

「前日も一緒にお泊りしたいなんて、穂乃果は本当に子供よねぇ」

すぐに真姫が口をはさむ。

「そんなニコちゃんが一番みんなと一緒にいたいくせに」

「まぁ、それは否定しないけど、でも学校がダメだったら真姫の家におとまりするしかないわね」

すんなりと肯定したにこにたいし、やや戸惑う真姫。

いつもなら全力で否定し、ここから言い争いになるのだが、珍しい反応に真姫も言い返すことができなかった。

「なんで私の家になるのよ...まぁ、別に構わないけど...」

と、そこへことりが確認を終えて、皆に伝える。

「申請は2週間前じゃなきゃダメだって...でも申請書類野見落希の言う通りである。でも最近、うちらとしって事で、特別にOK貰ったよ!」

すると皆が喜びの声を上げる。

にこはことりを持ち上げる。

「よっ、さすが理事長の娘!ナイスよことり!」

「やった、決まりだね!あっ...でも卒業生の3人も大丈夫なの...?」

「それ、お母さんに聞いたら”えっ、何の事かしら?”だって」

つまりOKという事である。

こうしてライブ前日、急遽9人で学校に宿泊することになった。

9人はいったんそれぞれの家に戻り、翌日の用意をして再び、音乃木坂へと集合したのであった。

集まった9人は互いに夕飯の食材やお菓子を手分けして持ち寄っており、気分は軽い遠足といった所である。

特に卒業生の3人は嬉しそうだった。

「卒業したのに再び音乃木坂に泊まれるなんてハラショーだね!」

「そうね、ことりのママが理事長で良かったね。」

絵里とにこが言った。

それに希も続く。

「確かにね。でも最近、うちらみんなで泊まりまくりやね!」

希の言う通りである。

確かにここ最近バーベキューに直前合宿にと、皆での宿泊が続いていた。

「みんなでお泊まりするの、楽しくて大好きにゃー!」

「そうですね、理事長とことりに感謝ですね」

凛と海未が言った。

皆そうであるが、9人で過ごす時間、一緒に泊まると言うのはとても楽しいものであった。

この日は部室にて宿泊することになり、荷物を置いて国は調理室へと向かった。

いつものごとく、にこが中心となり夕飯の準備を進めていく。

「ほらほら、あんたたちはお皿の用意をなさいな!」

にこは調理に参加してない組に、皿の用意を促す。

そして次々と料理を完成させていく。

皿には回鍋肉にマーボードーフに…にこ特製中華料理がずらりと並んでいく。

にこの料理の腕前は相当であり、かつて真姫はにこの料理をシェフが作ったみたいと表した位である。

「みんなお待たせ、ご飯炊けたよー」

チャーハン担当の花陽(これは絶対他の人に譲らない)が皆に言った。

そしてお腹ペコペコ(昼にあれだけ食べたのに)の穂乃果がにこに言う。

「お腹すいたよー、にこちゃんまだ?早くー」

料理をしない穂乃果がにこに催促する。

「うるさいわね、これで最後よ!鶏の唐揚げ矢沢スペシャルよ。てゆうか穂乃果も少しは手伝いなさいよ」

料理が全て出揃うと、穂乃果は満面の笑みを浮かべる。

「うわー、すごいおいしそう。にこちゃんいつもありがと!」

「まぁ、まぁねぇ…これくらいどうってことないわよ…」

屈託のない笑顔で穂乃果に感謝され、少し照れるようににこは言った。

料理をしない穂乃果は、作ってくれる人に対して人一倍いつも感謝しているのだ。

そこへ希が言う。

「あれ、そういえば…うち今更気づいたことがあるんやけど、合宿の時とかにいつもみんなでご飯を作っている時、真姫ちゃんておらんよね?」 

その言葉に真姫はどきっとする。

いつも真姫は何かを手伝っている様を装って、実は何もしていないのであった。

そう、真姫は料理は一切できないのだ。

何しろ家にはシェフがいるので、料理は作るものではなく、勝手に作られるものだと、割と最近まで本気でそう思っていた位なのである。

つまり真姫は料理においては完全に戦力外なのだ。

だが皆で用意しているときに、何もしていないと思われるのは嫌なので、ちょこまか動いては何かをしている風を装っているだけであった。

ちなみに焼くだけのバーベキューぐらいなら多少はできるが、それこそ学校の家庭科の授業以外では、包丁を持ったことすらない位なのである。

「でも真姫はお皿用意したりとか、手伝ってくれてるよね」

真姫をフォローするように絵里が言うが…

「真姫ちゃんは私と一緒で、食べる専門だからしょうがないよね。ね、真姫ちゃん!」

まるで自分の仲間だと言わんばかりに穂乃果がいた。

「うるさいわね…私料理したことないんだもん…しょうがないでしょ…」

珍しく弱気な真姫を今度は希がフォローする。

「でも真姫ちゃんは、色々と手伝ってくれるやん。だけど穂乃果ちゃんは…」

そう言って、希は穂乃果を”じーっ”と言いながら見つめる。

穂乃果はいつも座って、お腹すいたと騒ぐだけである。

「私も作ってくれた料理を、おいしく残さず全部食べるよ!」

穂乃果にとっては、残さずに美味しく食べるということが、何よりも重要なことなのだ。

こうして前日も9人で泊まることになったμ‘s。

楽しい学校での夕食の時間はいつも以上に賑やかに過ぎていった。

続く

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