オースン スコット カード (著), 田中 一江 (翻訳)
恐ろしいデスコラーダ・ウィルスは、毒性を取り除いた新ウィルスのリコラーダへと置き換えられ、ルジタニアを取り巻く脅威はなくなったかと思われたが、スターウェイズ議会が送り出した粛清艦隊は未だに接近をしていた。
ルジタニアではコンピューター生命体であるジェーンの力により、バーガー、ペケニーノ(ピギー族)はすでに星からの脱出を始めていた。
一方でジェーンもアンシブル停止による消滅の危機が迫っていた。
エンダーの家族、ミロやエラはそれぞれが問題に立ち向かう。
ジェーンも自身が秘密を知り、そして消滅の危機を回避すべく動き出す。
そしてエンダーが<外側>で生み出したピーターは、惑星パスで出会ったシー・ワンムを連れ、ルジタニア粛清艦隊を止めるため、スターウェイズ議会に働きかけるべく行動をする。
だがルジタニアではエンダーが死の際と瀕していたのであった。
エンダーのゲームから始まったエンダーの物語は、ひとまずこのエンダーのこの子供たちで完結となる。
ちなみに今作は前作のジェノサイドと合わせての物語構成の為、前作ジェノサイドを読んでないと全く内容が理解できないだろう。
今作はエンダー自身ではなくエンダーから生まれたピーター、ノビーニャの子供たちといった面々によってストーリーは進んでいく。
エンダーの転身とも言えるピーターはエンダーが知っていたようなピーターとはまるで別人のようであり、その活躍、特に粛清艦隊に直接乗り込んでのシーンは印象的である。
前作に続き、今作もやはり宗教的要素が強いと感じるが、それは作者自身がキリスト教徒であるからであろう。
前作の中国に続き、今作では日本が舞台として登場するが、その辺の経緯については著者あとがきにて詳しく書かれている。
エンダーのゲーム
今作はエンダーの壮大な人生を描いたシリーズである。
個人的にはエンダーの幼少期を描いたエンダーのゲーム、そしてその姉妹編にあたるエンダーズシャドウがシリーズの中で1番かなと思う。